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一般常識

「仔魚」「稚魚」「幼魚」の意味と違い

「仔魚」「稚魚」「幼魚」の意味と違い

「仔魚」「稚魚」「幼魚」の意味と違い

生物に関する用語にはさまざまな種類があり、その中には素人では見分けが付けづらいものも少なくありません。「仔魚」「稚魚」「幼魚」の3つも、そうしたものの一種です。いずれも魚のこどもに対して使われる言葉ですが、どういう点で区別されるのかということについては、大半の人がうまく答えられないでしょう。

今回は、「仔魚」「稚魚」「幼魚」の意味や違いについて解説していきますので、これらの語の使い分けに迷っている方は参考にしてみてください。

「仔魚」とは

仔魚

「仔魚」とは、「孵化直後から、ひれ・骨格ができあがるまでの段階の魚の幼生」を意味する言葉です。読み方は、「しぎょ」になります。「仔」の字は「動物のこども」を意味する漢字で、「仔羊」などのように使われます。

魚が生まれてから成魚となるまでの間には、いくつかの区分される段階があります。一番最初は受精卵の段階ですが、これが孵化すると、「仔魚」と呼ばれる段階となります。この段階は卵黄だけで発育しており、体は透明で構造も弱く、各ひれも薄い膜状のものでしかありません。時間が経つにつれ消化器官が発達してひれが完成し、骨格も硬くなっていきます。

「稚魚」との違いは、ひれの発達の程度に求められます。「仔魚」はひれの中に「鰭条(きじょう)」と呼ばれるスジが現れ、それが定数に達するまでの段階を指すようになっています。

「稚魚」とは

稚魚

「稚魚」とは、一般には「卵から孵って間もない魚の子供」を指す言葉ですが、正確には「“仔魚”が変態した次の発育段階」を意味します。読み方は、「ちぎょ」になります。「稚」は「わかい」「おさない」を意味する漢字で、「稚拙」などのように使われます。

「稚魚」と「仔魚」は、どちらも魚の生育初期を指す点で異なりませんが、具体的な段階は違います。前述のように、「稚魚」は「仔魚」の変態後の段階を指す点で使い分けられます。

「稚魚」の段階になると、ひれの「鰭条」は成魚と同数となるほか、鱗が形成されて脊椎骨数も定数に達します。この時体の形が大きく変化する種類も多く、たとえばヒラメやカレイは目の位置が移動し、親同様に体の片側に両目がある状態が完成します。ただ、色彩などの点はまだ成魚とは異なるのが通常です。

「幼魚」とは

幼魚

「幼魚」とは、一般的には「卵から孵って間もない魚」を指して使われる言葉です。「幼」は「おさない」「わかい」を意味する漢字で、「幼稚」「幼児」などのように使われます。

「幼魚」の詳しい定義は今のところはっきりしておらず、使う人によってさまざまな意味を与えられているのが実情です。「稚魚」と「若魚(未成魚の一種)」を合わせて「幼魚(期)」と呼ぶこともありますが、一般的には「“稚魚”に後続する段階」の意味合いで使われることが多いようです。

つまり、「幼魚」は「稚魚」と重なる部分もあるものの、より「成魚」に近い段階の魚を指すということが言えます。3つを生育順にならべると、「仔魚」→「稚魚」→「幼魚」という具合になり、このあと「成魚」へと続きます。

「仔魚」「稚魚」「幼魚」の意味と違い

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