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Fem Tech(フェムテック)とは?解決できる7つの解題のサービス7選

Fem Tech(フェムテック)とは?解決できる7つの解題のサービス7選

最近は「ガブテック」「フィンテック」のように、最後に「テック」が付く言葉をあちこちで見かけるようになりましたが、「Fem Tech(フェムテック)」というのもその1つです。
ビジネスシーンでも急速に知名度を増しつつある言葉ですが、まだ詳しい意味について掴めていないという人も多いでしょう。果たして「フェムテック」の「フェム」とは、何を意味するのでしょうか。

本記事では、「フェムテック」の詳しい意味や注目される背景、具体的な事例などについて紹介していきたいと思います。

Fem Tech(フェムテック)とは

Fem Tech(フェムテック)の意味

「Fem Tech(フェムテック)」とは、「女性が抱える健康についての課題を、テクノロジーの活用によって解決する製品・サービス」を意味する言葉です。「女性」を意味する英語「Female」と、「Technology(テクノロジー)」を組み合わせて作られた造語になります。
ある分野の課題を、テクノロジーの活用によって解決する動きを「X-Tech」と総称しますが、「Fem Tech」もその1つになります。

「Fem Tech」の起源は、1960年代の経口避妊薬の承認にまで遡れますが、本格的な盛り上がりを見せるようになったのは、2010年代に入って以降です。女性イノベーターによる起業やサービスの開始が相次ぎ、急成長分野として注目され始めました。2018年の調査では、「Fem Tech」の市場は2025年までに5兆円規模にまで達すると予測されています。

フェムテックが注目される理由

タブーの打破

現在「Fem Tech(フェムテック)」が注目されているのは、女性の「性」に関する課題を真向から扱って解決を目指す動きであるという部分が大きくなっています。生理やセックスなどの話題は、これまで社会的にはタブーとして見られる傾向があり、多くの女性が個人的な悩みとして抱え込みがちでした。しかし、近年は少しずつこうした問題もオープンにされ始めており、その中でフェムテックは、ビジネスを通じて積極的に解決していこうという姿勢を打ち出した点で、多くの女性の支持を得ています。

テクノロジーの進歩

近年の目覚ましいテクノロジーの進歩も、フェムテックが登場し、注目されている背景の1つです。上でも述べたように、近頃はテクノロジーの活用によって社会課題を解決しようとする動きが活発化していますが、これは人間の体に関する分野でも例外ではありません。日々の健康状態をデータ化し、ソフトウェアが診断や適切な治療などの提案を行うことも可能となりました。女性特有の健康の悩みに関しても、さまざまな技術によるきめ細かいサポートが実現されています。

解決できる課題

フェムテックの意味や注目される理由は上記の通りですが、それでは、フェムテックによってどのようなことが解決できるとされているのでしょうか。以下の項目では、フェムテックが解決を目指す主な7つの課題について紹介していきましょう。

妊娠と不妊

フェムテックでの解決が望める課題に、妊娠や不妊に関するものが挙げられます。

予想外のタイミングでの妊娠や、子供がほしいのになかなかできないといった問題は、これまで多くの女性が抱えてきました。フェムテックでは、血圧や心拍数などのデータを記録し、アプリ上で排卵日の確認をしたり、それらのデータの活用で避妊対策や妊娠しやすいタイミングを測ることも容易になります。
特に晩婚化や晩産化が進む日本では、妊娠や不妊に関するさまざまな課題が浮き彫りとなっており、この点でのフェムテックの役割に大きな期待が寄せられています。

月経

フェムテックで解決が目指せる課題、2点目は「月経・生理」です。

生理痛やPMS(月経前症候群)など、生理にまつわる問題は女性にとって深刻ですが、これまで社会的には共有されておらず、サポートも手薄でした。これに対しフェムテックでは、生理日を入力することでアプリが生理周期の精密な予測を行い、時期に応じて適切な情報やアドバイスを提供するといったことが可能になります。
生理の影響は仕事にも及ぶので、こうしたフェムテックの取り組みは、労働生産性の向上にも役立つと期待されています。

出産と子育て

出産や子育てに関する課題も、フェムテックが解決を目指すものの1つです。

現在日本では、少子高齢化の進行に対し、出産や育児に関する支援の遅れが指摘されています。これに対しフェムテックでは、緻密なモニタリングによる母体のきめ細かい体調管理や、アプリによる家族への陣痛の一斉通知などで、これまでにない出産のサポートを実現できます。また、オンラインで乳児に関するさまざまな悩みを医師に相談することも可能となり、育児の孤立化を防ぐのにも役立つと期待されています。

更年期・出産による身体の変化

フェムテックが解決を目指す課題には、「更年期や出産がもたらす身体の変化」も含まれます。

女性の身体は、出産や更年期を迎えると、ホルモンバランスの影響などもあって少なからず変化します。フェムテックでは、これらの領域のサポートについてもカバーしており、特に骨盤を覆う「骨盤底筋」の働きの低下をケアする製品・サービスが多く開発されています。
更年期症状に対応したサービスは、現時点ではまだそれほどありませんが、今後の取り組みについては注目されています。

メディカルケア

女性の場合、特有の病気など健康上の心配は多いものの、忙しさや恥ずかしさなどの理由から、なかなか産婦人科などに足を運べないというケースもよくみられます。そうした課題についても、フェムテックが解決を目指すものの1つです。

女性ならではの問題や妊娠などの悩みに対し、女性医師にオンライン相談ができるサービスが登場しているほか、乳がんや子宮筋腫といった女性特有の病気について、治療や早期発見の観点から検査の簡易化を図るデバイスや、検査・治療薬の開発が進んでいます。

セクシャルヘルス

「セクシャルヘルス」とは、性感染症がなく、生殖機能が正常であると共に、性感染症から身を守るための情報やケアへ自由にアクセスできる状態にあることなどを指します。ただ、女性にとっては月経痛や避妊方法について医師に話すのは、抵抗を感じる部分も多いのが実情です。
こうした課題に対し、フェムテックはネットを通じたオンデマンドでのピルの処方の実現などにより、解決を目指しています。また、性感染症検査キットのネット注文なども、この分野のケアに含まれます。

ファッション

フェムテックでの解決が期待できる課題、最後に挙げるのは、「ファッション」です。

ブラジャーやハイヒールなどのアイテムは、女性にとって時に不便さを感じさせるものとなります。サイズの合わないものを無理に身につけることで、気分が悪くなったり、場合によっては健康を損なうこともあります。
こうした課題に対し、フェムテックは着け心地の良いノンワイヤーブラジャーや、月経を吸収する下着の開発などを通じた解決を目指しています。

フェムテックの事例一覧

フェムテックは、上記のように近年市場規模の拡大が続いています。続々と事業が立ち上げられていますが、具体的にはどのようなものがあるのでしょうか。以下の項目では、フェムテックの代表的な事例について、いくつかピックアップして紹介していきましょう。

ルナルナ

ルナルナ

https://sp.lnln.jp/brand

「ルナルナ」は、株式会社エムティーアイが運営する生理日管理アプリです。2000年にサービスをスタートした、日本のフェムテックの草分け的な存在になります。2020年11月時点で、1600万ダウンロードを達成しています。

生理日予測や排卵日予測ができるほか、妊娠しやすい、または妊娠しづらい時期についてのお知らせも受けられます。また、ピルを服用している女性に対して、毎日の服薬状況や、服薬に伴う体調の変化の記録・管理ができる機能なども付いています。

Elvie

Elvie

https://hellofermata.com/products/elvietrainer-elvie

続いてのフェムテックの事例は、「Elvie(エルビー)」です。こちらは、fermata株式会社が開発・販売している骨盤底筋トレーニング用品になります。

上でも述べたように、女性は出産や加齢などの要因により、骨盤底筋に緩みが生じることがあります。「Elvie」は専用のアプリとの連動により、内臓された力覚センサーが膣内で骨盤の動きを測定し、データを専用アプリに送信する仕組みとなっています。アプリには設定目標に応じた5分間のエクササイズプログラムが表示され、それに合わせてゲーム感覚でトレーニングできるようになっています。

Clue

Clue

https://helloclue.com/

フェムテックの事例、3つ目に紹介するのは、ドイツのスタートアップ「Clue」です。こちらは、生理と排卵のトラッキングアプリ「Clue App」の開発・提供を行う企業で、運営を手がけるアイダ・ティン氏は、「Fem Tech」という言葉の提唱者でもあります。

「Clue App」は、生理の日付や体調、気分などのデータを記録することで、排卵期の予測ができるようになっています。ピンクなどの従来女性が好むとされる色を使っていないのも特徴で、大人っぽいスマートなイメージながら、使いやすさにも優れたデザインとなっています。

LOLA

LOLA

https://www.mylola.com/

続いて紹介するフェムテックの事例は、NY発の生理用品ブランド「LOLA」です。こちらの特徴は、商品がすべて100%オーガニック製であるところにあります。

創業者らは、身体に接する生理用品で安全性がほとんど話題にならないのはおかしいというということで、「女性の肌にやさしく、成分がきちんと表記されたナプキンやタンポンを」という思いのもとブランドを立ち上げました。また、通常のサブスクリプションサービスと違って、割引の適用があったり、使った分の支払だけで済む点も特徴となっています。

famione

famione

https://lp.famione.com/

フェムテックの事例、続いて挙げるのは、「妊活コンシェルジュサービス」の「famione(ファミワン)」です。こちらは、LINEを通じて妊活のサポートが受けられるというサービスになります。

LINEで友だち登録し、データを提出して質問を送ると、妊活の専門家が無料で相談に応じてくれたり、アドバイスや情報の提供を行ってくれます。臨床心理士や助産師、培養士、ピアカウンセラーといった専門家のサポートによって、正しい情報を妊活に活かすことができます。

スマルナ

スマルナ

https://smaluna.com/

フェムテック事例、6つ目に紹介するのは、「スマルナ」です。こちらは、生理や避妊などの悩みを持つ女性と、医師や助産師、薬剤師などの医療専門家をつなぐプラットフォームになります。

ユーザーは、アプリを通じて相談やオンライン診察、ピルの処方を受けることができます。問診には24時間応じているので、好きなタイミングで受診でき、薬は最短で翌日届けられます。2018年のサービス開始以来、現在までに累計43万ダウンロードを達成しています。

アナムネ(anamne)

アナムネ(anamne)

https://anamne.com/

最後に挙げるフェムテック事例は、オンライン医療相談アプリ「アナムネ(anamne)」です。こちらは、「わかりやすく使いやすい、女性一人ひとりにパーソナライズされたヘルスケア」の実現を目指して作られたサービスで、女性ならではの悩みや不安に対し、経験豊富で厳選された女性医師が相談に応じてくれます。

始めての妊娠・出産や育児はもちろん、ちょっとした日常の相談にも、それぞれの気持ちに寄り添ったアドバイスが受けられます。

Fem Tech(フェムテック)とは?解決できる7つの解題のサービス7選

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