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一般常識

「暴言」「罵倒」「悪口」の意味と違い

「暴言」「罵倒」「悪口」の意味と違い

「暴言」「罵倒」「悪口」の意味と違い

社会のさまざまな場面で飛び出し、事件のきっかけになることも多い「暴言」ですが、これと似たような表現はいくつか思い浮かびます。「罵倒」「悪口」の2つは、その代表例でしょう。これら3つの言葉は、いずれも他人をおとしめる発言などを指しますが、どういった点に違いがあるのでしょうか。改めて考えてみると、説明が難しいことに気付きます。

今回は、「暴言」「罵倒」「悪口」の3語の意味や違いについて解説していきますので、使い分けの参考にしてみてください。

「暴言」とは

暴言

「暴言(ぼうげん)」とは、「乱暴な言葉」や「相手の立場・考えを無視した無礼な言葉」を意味する熟語です。「温厚なAも、Bのあの暴言は許せなかったようだ」「客が店員に暴言を吐く“カスハラ”が社会問題になっている」「君の今の暴言は取り消してほしい」などのように使われます。

「暴言」の「暴」という字は、もともと「日に当てて乾かす」を意味しますが、のちに「あらあらしい」や「あばれる」などの意味が派生しました。

「暴言」と「罵倒」の違いは微妙に見えますが、ある点で使い分けることもできます。「暴言」の場合、意味の重点が「無礼さ」にあるところが特徴です。相手のことを考えない失礼な言動が「暴言」のポイントなので、言い手が意識していなかったり、感情を抑えたままの状態で発せられるケースもあります。この点は、「罵倒」との明確な違いになります。

「罵倒」とは

罵倒

「罵倒(ばとう)」とは、「激しくののしること」「ひどい悪口を言うこと」という意味の言葉です。「彼の主演した映画はネットでひどく罵倒されている」「人前で罵倒される屈辱には耐えられない」「どんな罵倒の言葉も、彼女の心を折ることはできなかった」などのように使われます。

「罵倒」の「罵」という字は、「ののしる」や「大声で言い騒ぐ」を表します。一方「倒」の字は、「たおす」「打ち破る」などの意味を持ちます。

「暴言」との違いにあたる「罵倒」の特徴は、「意識して強く言う」という点になります。「暴言」が無意識または落ち着いた状態でも発せられるのとは異なり、「罵倒」は通常意識的かつ興奮状態で発せられます。例えば、相手が気にする容姿の特徴を単に無遠慮に指摘した場合、「暴言」とは呼べますが、「罵倒」とまでは呼べません。一方、相手を傷つけようとして強調して指摘する場合は、「暴言」と「罵倒」の両方が当てはまります。

「悪口」とは

悪口

「悪口(あっこう・わるくち・わるぐち)」とは、「人を悪く言うこと」という意味の言葉です。悪態をつくことや、そうした言葉についても言います。「よくないことだが、悪口を言うのは実際楽しい」「陰で悪口を言う人間は信用できない」「あの人が誰かの悪口を言うなんで珍しいことだ」などのように使われます。

「悪口」の「悪」という字は、「よくない」「好ましくない」「荒い」「激しい」などの意味を持ちます。一方「口」の字は、この場合「しゃべる」や「話をする」などの意味を表します。

「罵倒」はひどく「悪口」を言うことで、両者は調子の激しさにおいて使い分けられると言えます。また、「悪口」は多くの場合、対象となる人がいないところで言われる点も特徴です。一方、「暴言」や「罵倒」は本人を目の前にして発せられることも多く、この点は「悪口」との大きな違いに挙げられます。

「暴言」「罵倒」「悪口」の意味と違い

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