社会人として知らないと恥ずかしい!?選挙のしくみを知っておこう!

社会人として知らないと恥ずかしい!?選挙のしくみを知っておこう!

日本国民が政治に参加できる、最も手軽で最も大切な行動が、選挙に参加することです。
今回は、国会議員選挙のしくみをご紹介します。
国会には衆議院と参議院があり、それぞれについて選挙が行われます。
衆議院議員選挙、参議院議員選挙のそれぞれについてご紹介します。

選挙の意義とは?

まず、国会議員選挙とは一体何のためにあるのかということから簡単にご説明します。

日本は法治国家ですので、法律により国のあり方が決まっています。
日本をより住みやすい国にするために、「国会」で討論して新しい法律を作ったり、これまでにある法律を変更したり、不要になった法律を廃案にしたりします。

誰もが納得の行く国の運営ができればよいのですが、先に何をするべきかということや、どれだけのお金を何に使うかなど、人によって利益が対立することもあるでしょう。

例えば、Aさんは「高齢化社会に向けて、今すぐにでも福祉制度をもっと充実するべきだ」と思っていて、Bさんは「なによりもまず、経済を立て直さないといけない。」と思っているとします。
このように主義主張や優先順位が異なるのであれば、私たちが直接、国会に参加して意見を言ったり、多数決を取ったりできれば最もいいかもしれません。
しかし、私たち国民全員が集まって議論をしたり多数決を取ったりすることは現実的になかなか難しいですよね。

私たちの代わりに国会に参加する人を決める

そこで、選挙を行って、代表として政治を行う人を決めるのです。
具体的には、三権分立の「立法」を担う「国会」を構成する、国会議員を選出します。

国会議員選挙の候補者は、私たち国民に対して「自分が国会議員になったら、このような方針で政治を行います」という主張をします。
様々な主義主張を持った候補者がいますが、先ほどの例で言うと、Aさんは福祉制度の充実を最優先と訴える候補者、Bさんは経済政策の推進を最優先と訴える候補者に投票しようと考えるのではないでしょうか。
そうやって選出された国会議員に国会で自分たちの代わりに政治活動をおこなってもらうことになります。

また、「内閣」は、「内閣総理大臣」により任命された国務大臣をトップとして国会が決めた法律に基づいて実際の行政を行い、国をどうするか決める大事なことのひとつである「国家予算」の原案を、各省庁から提出された予算の見積書を元に作りますが、この「内閣総理大臣」は私たちが選挙で選出した国会議員で成り立つ「国会」の議決で指名されます。
そのため、国会議員選挙の延長線上でそのまま「内閣」を決めることにもつながると言えます。

まずは、「選挙に行く」ということは、「国のこれからの運営方針を決める『国会』に、自分の出る代わりに出る人を選ぶ」ことだということを理解しておきましょう。

衆議院と参議院

日本の国会は両院制を採用しており、「衆議院」と「参議院」があります。
私たちは衆議院と参議院、それぞれの選挙に投票し、国会議員を選出します。

国会の意思が成立するためには、衆議院と参議院両方の決議が一致する必要があります。
両院制となっているのは、「国民の多様な意見を反映する」ことや「慎重な審議を行うこと」が目的とされます。

任期〜いつ選挙が行われるの?〜

衆議院と参議院では選挙のタイミングが異なります。
衆議院議員は4年間という任期がありますが、総理大臣が衆議院を解散することがあり、解散後には衆議院総選挙が行われます。
そのため、衆議院選挙は民意を反映しやすいとされています。
よく、総理大臣が重要な政治的決断を行うタイミングなどで「民意を問う」という名目で衆議院を解散し、総選挙を行うことがありますね。
私たちはそのタイミングで政治の現状をよく考えて、与党の方針を支持するのか、それとも反対して野党に票を託すのか、各政党や候補者の主義主張をよく吟味して投票を行うことになります。

一方、参議院議員は解散がありませんので、途中で終了になることなく6年間の任期を満了します。

衆議院

衆議院には解散があります。
衆議院議員の任期は4年ですが、衆議院解散の場合には期間満了前に任期が終了します。
任期が短く解散もあるため、民意を反映しやすいとされます。
衆議院議員を選ぶための選挙を、一般的に「総選挙」と呼びます。

参議院

参議院には解散がありません。
参議院議員の任期は6年です。
選挙は3年に一度行われ、参議院議員の半数を改選します。
参議院の任期満了による3年ごとの選挙を、一般的に「通常選挙」と呼びます。

選挙制度〜どのような選挙方法で選挙が行われるの?〜

それでは、実際にどのような方法で選挙が行われるのでしょうか?

私たちの代わりに国の運営方針を決める国会に参加する代表者を決めるために選挙を行うのですから、選挙権を持つ国民が、全国すべての立候補者に投票できれば最も良いかもしれません。
しかし、国会議員の定数は、衆議院議員が475人、参議院議員が272人という人数になります。
立候補者の総数は、おおむね議員の定数の2〜3倍となりますので、そのすべての候補者をチェックし、私たちがその中から投票する人を選ぶのは大変なことですね。
そのため、選挙をより行いやすいように、また、投票した票ができるだけ無駄にならず、偏りなく民意が十分反映されることを目的として、様々な「選挙制度」が考案され、実施されています。
また、有権者ひとり当たりの「一票の重み(価値)」が不均衡な状態にならないよう、「一票の格差」を埋めるための方法が検討され続けています。

衆議院「小選挙区比例代表並立制」

衆議院は、「小選挙区制」と「比例代表制」を並立して行う選挙制度を採用しています。
すべての衆議院議員をひとつの選挙方式でいっぺんに決めずに、「小選挙区制」と「比例代表制」に分けて選挙を行うことで、より広い民意を反映できます。

「小選挙区制」

全国を小さな選挙区(295区)に分けて、その選挙区ごとに選挙を行う方式です。
私たちは自分が住んでいる選挙区で立候補した候補者の中から、自分の代わりに国会に出るのに相応しいと思う人に投票します。
以前の衆議院議員選挙で採用されていた「中選挙区制」よりも狭く分けられており、候補者は選挙区が狭いので、じっくり遊説でき、活動費用も抑えられます。
国民は候補者それぞれの主張が良く分かり、自分の意見に近い候補者を選びやすいというメリットがあります。

「比例代表制」

国会議員は、その政治的主義主張により「政党」を結成しますが、「比例代表制」では、その「政党」に投票します。
私たちは、自分の考え方に近い政党に投票し、各政党の得票率に応じて、政党が獲得できる議席数が決まります。
衆議院議員選挙の場合、各政党が議席を獲得したら誰を当選とするか、名簿上の順位をあらかじめ決めておく、「拘束名簿式比例代表制」を採用しています。
衆議院議員選挙の比例代表制は、全国を11区に分けて行われます。

「小選挙区比例代表並立制」

衆議院議員選挙では、上記の「小選挙区制」と「比例代表制」の両方に、「重複立候補」することができます。
小選挙区制で落選した議員が、比例代表制で当選することがあり、そのため、「小選挙区比例代表『並立制』」と呼ばれます。

参議院「選挙区制/比例代表制」

参議院議員選挙では、「選挙区制」と「比例代表制」で選挙が行われます。

「選挙区制」

原則都道府県単位の45区(鳥取県・島根県、徳島県・高知県はそれぞれ2県の区域で1選挙区)に選挙区を分けて、選挙を行います。
選挙区ごとに当選できる人数が決まっており、投票は候補者の名前を記入して得票の多い順に当選します。

「比例代表制」

全国を1区として、政党に対して投票する「比例代表制」が採用されています。
しかし、参議院議員選挙の場合は衆議院議員選挙と異なり、「非拘束名簿式比例代表制」になっています。
「非拘束名簿式」では、国民は、「政党名」か「候補者名」で投票を行います。
「候補者名」が書かれた票は、その者が所属する政党の得票となります。
最終的に票を多く獲得した政党から議席数が割り当てられますが、「拘束名簿式」のように政党の方で当選者の順位を決めることはできません。
議席を得た政党内での当選者は、「候補者名」での得票数に応じて決められます。

また、参議院議員選挙は「選挙区制」と「比例代表制」に重複して立候補することはできません。

まとめ

選挙に行って投票を行うことは、私たちの国の将来を決めることです。
「選挙に行かない人は政治に文句を言う資格はない」と言われますが、まさにその通りです。
ですが、選挙に行って投票したからといって、今すぐ直接自分の生活に関わりがあることをなかなか感じられないのも事実かもしれません。
そのため、まずは「選挙がどのような意味を持っているのか」、そして、「選挙がどのような方法で行われるのか」を知ってみましょう。

漠然と「国会議員を決める選挙」と思っているのでは、なかなか身近に感じられません。
国会議員選挙は、「自分の代わりに、国会で政治を行ってもらう代理人を選ぶ」ものなのです。
そして、投票した票ができるだけ無駄にならないように、幅広い国民の意見を反映できるような選挙制度が採用され、今も様々な方法が検討され続けていることが分かれば、次の選挙はこれまでよりもっと積極的に参加できるかもしれません。