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日本が財政破綻しないと言われている理由6選

日本が財政破綻しないと言われている理由

日本が財政破綻しないと言われている理由

近年、日本を取り巻く状況は、ますます困難の度合いを高めています。少子高齢化やエネルギー問題などさまざまな課題がある中で、一部からとりわけ危険視されているのが、「国の借金」の問題です。
国債や借入金を合計した日本が背負う借金のことですが、2019年3月末時点での額は、1103兆3543億円に上っています。これは、2018年度末に比べて15兆円以上増えた額であり、3年連続で過去最大の数字となっています。世界的に見ても、対GDP比での政府総債務残高は、ワースト1位にあたります。

このような巨額の借金を前によく取沙汰されるのが、「財政破綻」という話題です。現実に、2010年にはギリシャが財政危機に陥ったことが世界的なニュースとなりました。日本も前述の数字を見る限り、同じ事態になることはかなり現実味がありそうですが、実際にはその可能性は低いという意見も多くなっています。一体なぜなのでしょうか。

ここでは日本の財政破綻の可能性が低い理由について、いくつかポイントを挙げて説明していきたいと思います。

保有資産が大きい

保有資産が大きい

日本が簡単に財政破綻しない理由として、「保有する資産が巨額である」という点があります。

財務省が公表しているバランスシートを見てみると、国の総資産は、2014年の3月末時点で約680兆円の金額に上っています。
細かく見ると、まず「現金・預金」が約28兆円あります。「有価証券」は約139兆円とさらに巨額ですが、これは財務省が米国債を大量に保有していることによります。また、「貸付金(特殊法人や独立行政法人への貸付)」は約138兆円、年金積立金のうち政府が運用する「運用寄託金」は104兆円に上り、これらの金融資産だけでも、総額500兆円近い金額を保有しています。これは、世界的に見ても有数の金額です。

もちろん、こうした資産をすぐに売却して、国債の返済に充てられるわけではありません。しかし、ギリシャのように実際に国の資産を売って借金に充てた国がある中、日本政府が巨額の資産を保有し続けている事実は、かなりの安心材料と見て間違いないでしょう。

対外純資産世界一

対外純資産世界一

日本が財政破綻しにくい理由として、「対外純資産が世界一である」という点もあります。

「対外純資産」とは、政府や企業、個人が外国に保有する資産から負債を差し引いたものですが、このうち資産は政府の外貨準備高、銀行の対外融資、企業の対外投資など、海外に対しさまざまな形で貸し付けている金額を合計したものです。一方、負債は海外勢の対日投資など、海外からさまざまな形で借り受けているものの合計金額となります。

実は日本は、この「対外純資産」が世界でも突出して高い国となっています。2017年末の時点で総額は328兆円あまりに上っており、27年連続世界一の座をキープしています。この額は、2位のドイツ、3位の中国と比べても抜きんでた数字です。

このことからわかるように、日本は政府、民間合わせて海外に巨額の資産を有しています。
ただ、金額自体は3年連続で減少しており、徐々に負債が増えつつある点はやや懸念材料となっています。また、資産部分は即時換金できるわけではない点も踏まえておかねばなりません。

日銀による貨幣発行という手段も

日銀による貨幣発行という手段も

日本の財政破綻が考えにくい理由として、「日銀による貨幣発行と引き換えにする」という手段の存在があります。

周知のとおり、日銀(日本銀行)は日本の中央銀行として、金融政策の実施や金融機関同士の取引の決済などを行うほか、発券銀行として日本銀行券の発行及び管理の任にも当たっています。
つまり、日銀はお金(円)を自由に作れる立場にあるわけです。

国債は円で発行されていますから、いざとなれば政府が日銀に頼んで貨幣を増刷し、それによって国債を全て償還するという手段も取ることができます。

しかし上記のような手段は、理論としては可能でも、実際には容易に行うことはできません。なぜならば、借金返済のために大量に貨幣を刷ることは、円の価値を落としてハイパーインフレを起こす危険があるためです。これにより物価が異常に高騰する上、国際的な日本の信頼度を低下させる可能性が高くなります。このような理由から、日銀による貨幣増刷で借金を返す方法は、本当に最終的な解決手段とされています。

巨額の家計金融資産

巨額の家計金融資産

日本が財政破綻しにくい理由としては、「家計の金融資産が大きい」という事実も見逃せません。これは、日本の借金を語る際によく言われることの1つでもあります。

日本に住む人が保有する資産は、非常に大きいことが知られています。2019年12月末時点での、日本の各世帯が保有する金融資産の合計額は、1903兆円に上ります。このような巨額の家計金融資産を利用すれば、国の借金をすぐに返済することも、理論的には十分可能です。家計金融資産に60%ほどの課税をすることで、1100兆円あまりの借金は楽に返せる計算になります。

ただ、こちらも手段としてはあまり現実的とは言えないでしょう。これほどの率の課税は、国民の理解を得られる可能性がきわめて低いためです。無理に行えば大きな反発を招き、最悪の場合暴動などが起こる可能性もあります。しかし、貨幣の発行と同じく理論としては可能なことから、財政破綻を回避する要素の1つには挙げられます。

投資家による国債購入

投資家による国債購入

日本の財政破綻の可能性が低い理由、5つ目は、「投資家が国債を購入するから」というものです。

冷静に考えれば、巨額の借金を抱える国の債権を買うことは、あまり合理的でないように見えます。しかし、実際には日本国債は多くの人によって購入されており、マイナス金利で活発に取引されています。
一見矛盾するような事実ですが、これは投資家にとって日本国債が、購入するだけの誘因を含んでいることによります。その誘因とは、「日本政府の財政が破綻するリスクより、日本国債の代わりに外貨を買って、ドル安円高により損をするリスクの方が高い」という心理です。反対にドルが値上がりして得をする可能性もあるわけですが、投資家は一般にリスクを嫌う傾向が強いため、損か得か五分五分の可能性ならば、ドルより国債を選びがちというわけです。

このように投資家は、少なくともすぐに日本の財政が破綻することはないと見ています。これにより、多くの投資家は当面の間日本国債の購入に傾くため、日本政府は資金繰りに困らずに済み、財政も安定するというわけです。

10年後には増税しやすくなる

10年後には増税しやすくなる

日本の財政破綻が考えにくい理由、最後に挙げるのは、「10年経つと増税も容易になる」という予想です。

2019年には消費税が増税されましたが、これは数度の延期を経た上でのものでした。また、実施にあたっては何度も議論が交わされ、事前に周到な景気対策も取られています。このように増税が容易にできないのは、景気に及ぼす影響が大きいと見られることによります。「増税→景気悪化→失業者増加」という事態に陥りかねないため、政府としては慎重にならざるをえないわけです。

しかし、今後は少子高齢化が進むため、10年後には労働力不足が恒常化する可能性が高くなります。そうすると、景気が悪くても良くても労働力不足という状況になりますから、失業率を気にして増税に反対する声も少なくなることが考えられます。これにより、政府も以前より増税のハードルが下がり、税収が増えて財政も健全化しやすくなるという予想ができます。