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UAE(アラブ首長国連邦)の定義とは?UAEを構成する7つの国

UAE(アラブ首長国連邦)の定義とは?UAEを構成する7つの国

中東は世界でも重要な位置を占める地域ですが、中でも特に強い存在感を放つ国家が、「UAE(アラブ首長国連邦)」です。国名だけでなく、「アブダビ」や「ドバイ」などの都市名を目にする機会が多いでしょう。
しかし、UAEが具体的にどういった地域から成るかや、どのような特徴を持つかということは、それほど知られていないのが実際のところです。

そこで本記事では、UAEの定義や主要都市、構成国の特徴などについて詳しく解説していきたいと思います。

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UAE(アラブ首長国連邦)の定義とは

UAE(アラブ首長国連邦)の定義とは

UAE(アラブ首長国連邦)の定義とは

「UAE」とは、国名の英語表記である「United Arab Emirates」の頭文字を取った名称です。日本語表記は、「アラブ首長国連邦(アラブ首長国連合の場合も)」となります。西アジア・中東に位置しており、アラビア半島のペルシア湾に面した地域にあります。隣接する国は、東部にオマーン、南部および西部では、サウジアラビアとなっています。

UAEは、「首長国連邦」と名の付く通り、複数の「首長国」から成る国家です。「首長国」は、イスラム世界で「首長=アミール」と呼ばれる君主が治める国を意味します。
具体的には、アブダビ、ドバイ、シャルジャ、アジュマン、ウンム・アル・カイワイン、フジャイラ、ラス・アル・ハイマの7つの首長国から構成される連邦制国家というのが、UAEの定義になります。

「政治のアブダビ」と呼ばれるアブダビとは

「政治のアブダビ」と呼ばれるアブダビとは

「アブダビ」は、UAEの中では南部に位置する首長国および都市の名前です。「アブダビ市」はまた、UAEの連邦首都も兼ねています。合計面積は6.7万㎞2に及び、UAEの総面積の約80%を占めています。
人口や収入の面でも連邦内で突出しており、UAEのGDPの約15%を産しているのが特徴です。国内には、アブダビ証券取引所やアラブ首長国連邦中央銀行を始め、国営石油会社のANDOC、大手通信会社のエティサラートなどの本社が置かれています。また、国土に豊富な石油資源を持つことから、経済だけでなく連邦全体の政治的リーダーとしての役割も負っています。実際にUAEの大統領は、連邦が結成された1971年以来、一貫してアブダビの首長が務めています。

「経済のドバイ」と呼ばれるドバイとは

「経済のドバイ」と呼ばれるドバイとは

「ドバイ」は、UAEの中では中央部に位置する首長国および都市の名前です。ドバイの名は現在、中東屈指の金融センターとして世界的に知られています。
1980年代には、すでに中東における一大流通拠点としての地位を確立していましたが、その後も世界の主要な金融機関の進出が相次ぎました。このことから、「中東のシンガポール」と呼ばれることもあります。21世紀に入ってからは、巨大ショッピングモールや高層ビルなどの大型プロジェクトの建設が相次いだことにより、世界的な観光都市としても名をはせています。こうしたことから、ドバイはUAEにおける「経済の中心地」として語られることが多くなっていますが、実際には前述のように、アブダビの方が経済規模は大きくなっています。

UAE(アラブ首長国連邦)を構成する7つの国

UAE(アラブ首長国連邦)を構成する7つの国

UAE(アラブ首長国連邦)は、上でも述べたように7つの「首長国」と呼ばれる国から成っており、それら7つの首長国には、それぞれ異なる特徴があります。ここからは、UAEを構成する7つの首長国について、その個別の特徴などを見ていきましょう。

アブダビ

「アブダビ首長国」は、アラビア半島北東部、ペルシア湾岸に面した場所に位置しています。中心部は250mほどの水路で分離された島々から成っており、郊外の内陸部とは、橋を通じてつながっています。国土面積は6.7万㎞2、人口は約278万人(2015年時点)となっています。首都のアブダビは、同時にUAEの首都も兼ねています。国内には近代的な建築物と共に、砂漠やオアシスなどの自然が広がっているのも特徴です。

アブダビは、前述のようにUAEの中では中心的な地位を占めています。広大な国土と豊かな資源を背景に、政治・経済の両面で連邦のリーダーとしての役割を担っています。

ドバイ

「ドバイ首長国」は、アラビア半島ペルシア湾沿岸に位置しています。南はアブダビ、北はシャルジャに隣接しており、東はオマーンと国境を接しています。
首都のドバイは、アブダビに次ぐUAE第2の中心都市になります。面積は約4千㎞2で、人口は331万人ほど(2019年時点)となっています。

ドバイは20世紀中から自由貿易政策を採っており、中継貿易港として栄えてきました。21世紀にはさらなる近代化により、中東における商業中心地としての地位を確立し、2005年には経済成長率16%を達成するなどの繁栄を見せています。

シャルジャ

「シャルジャ」は、アラビア半島ペルシア湾沿岸の首長国です。ドバイに隣接した主要な地域のほかに、オマーン湾と境を接した3つの飛び地(カルバ、ホール・ファッカーン、ディッパー)があります。合計した面積は2.5千㎞2ほどで、UAE中では3番目の広さとなっています。人口は、2019年時点で約237万人ほどです。

連邦中でもっとも厳格なイスラム教国であり、国内での飲酒、酒類の販売は、一切禁止されています。また、学校も男女別で分かれており、肌の露出に関しても厳しく規制されています。

アジュマン

「アジュマン」もまた、ペルシア湾沿岸に位置する首長国です。南北と東はシャルジャ首長国に隣接しており、シャルジャの東端とオマーンの国境近くにも飛び地を持っています。首都は同名のアジュマンです。
合計面積は約260㎞2と、UAE7首長国中で最も小さい国となっています。一方、人口は約50万人(2017年時点)と面積に比して多く、人口密度はUAE中1位にあたります。

市内には歴史ある建物や伝統的な市場が並び、ペルシア湾岸には美しいビーチも広がることから、観光地としても人気を集めています。

ウンム・アル・カイワイン

「ウンム・アル・カイワイン」は、シャルジャの北、ラス・アル・ハイマの南に位置するペルシア湾沿岸の首長国です。首都は、同名のウンム・アル・カイワイン市になります。合計面積は780㎞2で、UAE中では2番目に小さい首長国となっています。人口は、2010年時点で6.5万人ほどです。

伝統的に漁業が盛んな国であり、現在もUAE内において、主な海産物の供給源となっています。日本の技術協力により建設された水産資源開発センターもあり、ここではボラやハタといった、現地で珍重される魚の養殖がおこなわれています。

フジャイラ

「フジャイラ」は、アラビア半島の北東部、オマーン湾に面した場所に位置する首長国です。首都は、同名のフジャイラ市になります。シャルジャとオマーン領などにいくつかの飛び地を擁しており、合計面積は1.6千㎞2ほどあります。人口は、2015年時点で約21万人となっています。
もともとはシャルジャの一部でしたが、1952年に独立し、現在UAEを構成するひとつ1の国となっています。

近年はアブダビ油田地域からの原油輸送パイプラインも完成するなど、エネルギー流通のハブとしての地位を築くと共に、リゾート地としても内外で名前を知られつつあります。

ラス・アル・ハイマ

「ラス・アル・ハイマ」は、UAE北東端に位置する首長国です。首都は、同名のラス・アル=ハイマ市になります。面積の合計は約1.6千㎞2で、人口は2015年時点で、34.5万人ほどとなっています。

ラス・アル・ハイマは、UAEの他の首長国と異なり、海や砂漠以外に緑の平原や山岳地帯を擁するのが特徴です。ペルシア湾岸では古くから経済的に栄えた地域で、現在でも漁業が盛んなほか、平原地帯では野菜や果物の栽培も行われています。また、近年では観光や住宅建設プロジェクトにも力が注がれています。

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