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ノマドワーカーとは?リモートワークやフリーランスとの違いなど

ノマドワーカーとは?リモートワークやフリーランスとの違いなど

近年は「働き方改革」があちこちで叫ばれていますが、それに関連して、「ノマドワーカー」という言葉を聞く機会も増えました。ただ、この「ノマドワーカー」という言葉、何となくのイメージはあるものの、詳しい意味合いや「テレワーク」などとの違いがよく分からないという人も少なくないようです。果たして「ノマドワーカー」とはどんなもので、どういった職種が当てはまるのでしょうか。

本記事では、「ノマドワーカー」の意味や似た言葉との違い、代表的な職種、メリット・デメリットについて解説していきたいと思います。

ノマドワーカーの意味とは?リモートワーク・テレワーク・フリーランスとの違い

ノマドワーカーの意味とは

「ノマドワーカー」の「ノマド(nomad)」とは、本来「遊牧民」や「放浪者」を意味する言葉ですが、この場合は「決まった場所に落ち着かない人」といったほどの意味になります。一方「ワーカー(worker)」は、「労働者」を指します。

つまり「ノマドワーカー」とは、「仕事場を一ヵ所に定めず、あちこち移動しながら働く人」を意味すると言うことができます。一般的な労働者はオフィスや店舗などを仕事場としますが、「ノマドワーカー」はそれとは違い、特定の場所に縛られない点が特徴です。

後述するように、パソコンやインターネット環境があれば実行可能な職種で多く見られます。

リモートワークやテレワークとの違い

「ノマドワーカー」とイメージが重なりやすいのが、「リモートワーク」や「テレワーク」といった用語ですが、これらとの違いはどこにあるのでしょうか。

まず、「リモートワーク」と「テレワーク」は、基本的に同じ言葉です。「リモート(remote)」とは「遠隔」の意味で、「テレ(tele)」も「離れた)」を指します。つまりこの2つの言葉は、「普段の仕事場から離れた場所で働くこと」を指していると言えます。

「ノマドワーカー」も、オフィス以外で働く点では同様ですが、厳密に見ると意味が異なり、区別することができます。「リモートワーク」「テレワーク」は、通常「拠点となるオフィスがあること」を前提としますが、「ノマドワーカー」では、「拠点の有無」は必ずしも前提とはなりません。

フリーランスとの違い

「フリーランス(freelance)」とは、「自由契約者」を意味する言葉です。企業や団体に雇用されるのではなく、個別の仕事において都度契約を結ぶ個人事業主を指します。

「フリーランス」と「ノマドワーカー」の2語は、同じ場面で持ち出されることが多いため、混同されるケースも少なくありません。しかし、実際には両者の意味は、明確に違います。
「フリーランス」が上記のように、個人で働くという「契約形態」を表す言葉なのに対し、「ノマドワーカー」は決まった拠点を持たないという、「労働のスタイル」を表す言葉になります。

実際に、決まった拠点を持つ「フリーランス」も大勢いますし、企業に所属する「ノマドワーカー」も存在します。

代表的な職種

上でも触れた通り、「ノマドワーカー」はパソコンなどのデバイスや、インターネット環境があれば可能な職業でよく見られる働き方です。では、具体的にはどういった職種が当てはまるのでしょうか。
ここでは、代表的な「ノマドワーカー」の職種をいくつかピックアップして紹介していきましょう。

Webデザイナー

Webサイトのデザインを手掛ける「Webデザイナー」は、典型的な「ノマドワーカー」向きの職種と言えます。使用するのはPhotoshopやillustratorといったソフトなので、ノートパソコンさえあれば、場所を問わずに働くことができます。

Webマーケター

「Webマーケター」は、Web広告出稿やSNS運用、オウンドメディア運営といった企業のマーケティング全般に関わる仕事です。データの解析と改善施策の立案が仕事の中心で、他のセクションとのコミュニケーションも必要となりますが、ほとんどはオンライン上で行うことが可能です。

エンジニア

「エンジニア」はもともと「工学の専門知識・技術を有する人」のことですが、現在はアプリ開発やシステム開発などを手掛けるIT関連の技術者を指してそう呼ぶことが多くなっています。こちらも基本的に「ノマドワーカー」向きの職種ですが、セキュリティなどの都合上、企業内で働くことを求められるケースもあります。

ライター

Webサイトへの記事執筆を仕事の中心とする「ライター」も、「ノマドワーカー」の代表的な職種の1つです。もともとインタビューや取材などで移動が多い仕事ですが、現在はどこからでもすぐに記事が送れることもあり、ますます場所に縛られる必要性は少なくなっています。

メリット・デメリット

ここまで「ノマドワーカー」の意味や代表的な職種などについて見てきましたが、「ノマドワーカー」として働くことには、一体どのような利点や難点があるのでしょうか。ここからは、「ノマドワーカー」のメリットとデメリットの双方について見ていきましょう。

メリット

制約が少ない

「ノマドワーカー」の大きなメリットとして、「時間や場所、服装などに関する制約が少ない」ということが挙げられます。

基本的に出社の必要がないことから、任意の場所で働けるのはもちろん、仕事の開始時間も好きに選べます。当然退社時間もないので、自由なペースで働くことが可能です。服装も、規定などに縛られる必要はありません。

評価基準は結果のみなので、成果物さえ期限通りに品質を保って提出すれば、原則としてどこからも文句は出ません。

時間を有効に使える

メリットの2点目は、「時間を有効活用できる」ということです。

一般的なスタイルの労働では、オフィスや店など特定の場所を拠点とすることから、出勤や帰宅の必要性が生じます。仕事場所が自宅から遠いほど、移動にかかる時間は延び、その分無駄が増えることとなります。

一方、「ノマドワーカー」は拠点に縛られないため、こうした時間的なロスを最小限にすることができます。自宅を仕事場にすれば、起床から仕事までの時間を趣味に当てることもできますし、あるいは起きてすぐに仕事にかかることも可能です。時間的な効率という点では、かなり利点の多い働き方と言えるでしょう。

人間関係のストレスを減らせる

多くの人にとって、仕事をする上でもっとも厄介なのは、職場の人間関係に対するストレスでしょう。オフィスにはさまざまな人がおり、その中には気の合わない人物も、大抵1人や2人は混じっています。また、周囲の対立に巻き込まれたり、弱い立場に追いやられて理不尽な目に遭わされるといったケースも珍しくありません。

これに対し「ノマドワーカー」は、毎日決まった人と付き合う必要がないため、こうしたストレスにさらされずに済みます。職場内の空気を気にせずに、比較的のびのびと働けるというメリットがあります。

視野が広がる

「ノマドワーカー」のメリットとしては、「視野が広がって発見が多くなる」ということも挙げられます。

場所や時間について一定の範囲で活動していると、どうしても視野が限られてしまう傾向があります。思考が固定的になり、行動もパターン化されがちです。反対に、好きな場所で好きな時間に働けるようになれば、こうしたパターン化の罠から抜け出しやすくなります。毎日の仕事に変化が加わるので、発想の転換や新しいアイデアなどもひらめきやすくなります。

デメリット

仕事場所の確保が必要

一方、「ノマドワーカー」のデメリットとしては、「仕事場所を自費で確保する必要がある」ということが挙げられます。

一般的なオフィスワークであれば、従業員が仕事場を探したりする必要はありません。会社が用意したスペースを、無料で使えるのが通常です。

しかし、「ノマドワーカー」はオフィスに出向く必要がない代わりに、自身でワーキングスペースを確保する必要が生じます。集中して仕事できる場所を探すのは、必ずしも簡単ではありません。もちろんそのための費用も、自腹で負担しなくてはならないという問題もあります。

セキュリティの責任も負う

「ノマドワーカー」は、働き方の自由度が高い反面、気を付けるべき点が増えます。特にセキュリティ面に関しては、十分な注意を払う必要があります。

オフィスワークの場合ですら、情報漏洩の危険はつきまといますが、部外者に囲まれて仕事をする機会の多い「ノマドワーカー」の場合、そのリスクはより高まります。特に機密情報を扱う場合は、のぞき見やデータの盗難などを防げる場所で仕事をすることが必須になります。

もしも情報漏洩などが発生した場合は、当然すべて本人の責任となります。こうした点は、小さくないデメリットと言えます。

自己管理能力が問われる

「ノマドワーカー」は他人の干渉を受けず、自由に働けるのが魅力ですが、その分働き方の管理が難しいというデメリットがあります。

好きな場所、好きな時間に活動できるため、却って仕事のリズムを作りにくい面があります。またノマドワークと言えば、カフェやレストランでパソコンを開いて…といったイメージですが、こうした場所にはプライベートとの境界を曖昧にさせる危険も付きまといます。

結果として、オフィスワークの場合より生産性が落ちてしまう可能性もあります。ですので、「ノマドワーカー」には一定の自己管理能力を持つことが必須になります。

コミュニケーションに問題が生じやすい

「ノマドワーカー」のデメリット、4点目は、「コミュニケーションの取り方に苦労する場合がある」ということです。

ノマドワークの連絡手段は、メールやチャットツール、ビデオ会議システムといったものが中心になります。こうした手段は、大まかな意思疎通においては問題ないものの、細かいニュアンスは伝わりにくいという難点があります。そのため、場合によっては、大事な部分で認識のズレを生んでしまうこともあります。

また他メンバーと直に接触する機会が無くなることで、チーム内の目的意識が薄らいだり、日常会話から新たな着想を得るといったチャンスが消えてしまうというデメリットもあります。

ノマドワーカーとは?リモートワークやフリーランスとの違いなど

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