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「テロ」「ゲリラ」「クーデター」の意味と違い
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「テロ」「ゲリラ」「クーデター」の意味と違い
戦後の日本は比較的安定した社会が続いていますが、世界では各種の破壊行為が日常化している国や地域も少なくありません。そうした行為に関連してよく聞かれるのが、「テロ」や「ゲリラ」、「クーデター」といった言葉ですが、これらは具体的にどういったことを指しているのでしょうか。改めて考えてみると、違いなどが分かりにくいことに気付きます。
そこで今回は、「テロ」「ゲリラ」「クーデター」の3語の意味や違いについて、詳しく解説していきたいと思います。
「テロ」とは
「テロ」とは、英語の「テロリズム(terrorism)」またはドイツ語の「テロル(Terror)」を略した言葉で、「政治目的を達成するために、暗殺・暴行・粛清・破壊活動といった直接的な暴力や、その脅威に訴える主義」を意味します。また、そうした行為についても言います。「テロが頻発する国」「爆弾テロで犠牲者が多数出た」「テロを未然に防ぐ名目で、警察の権限が強化された」のように使われます。なお、こうしたテロリズムを奉ずる人物については、「テロリスト」と呼ばれます。
「テロ」と「ゲリラ」の違いは、大まかに言えば、「政治用語か戦法用語かの違い」と表現できます。「テロ」の場合は、暴力を手段として政治目的を達しようとする主義や行為を指す、政治用語である点が特徴です。
「ゲリラ」とは
「ゲリラ」とは、一般的には「不正規兵による遊撃的な戦闘、またはそうした戦闘を行う部隊」という意味を表します。「この国では、政府軍と反政府ゲリラとの戦闘がずっと続いている」「ゲリラ戦を得意とする民兵に手を焼いている」などのように使われます。ちなみに「ゲリラ戦」とは、臨機応変な奇襲や待ち伏せで敵を攪乱する戦法を指します。
「ゲリラ」は、英語では「guerrilla」と書かれますが、これはもともとスペイン語で、「小戦闘」を意味する単語にあたります。1808年のスペイン独立戦争において、スペイン人がナポレオン軍に対して取った作戦にちなみ、同様の戦術やそれを行う部隊をこう呼ぶようになりました。
「ゲリラ」と「テロ」の違いは、上で述べたように、「どういった分野の用語か」という点にあります。「ゲリラ」の場合は、奇襲などで敵を攪乱させる戦術を指す、戦法用語である点が特徴となっています。
「クーデター」とは
「クーデター」とは、一般的には「武力による奇襲攻撃で政権を奪取すること」の意味で使われる言葉です。通常の政権交代方式によらず、非合法である点に特徴があります。支配階級内部の権力移動というのが実態で、体制そのものの変革を目指す「革命」とは区別されます。「軍によるクーデターで、一夜にして民主政権が崩壊した」「一部の勢力がクーデターを企てたが、計画の漏洩で未遂に終わった」のように使われます。
「クーデター」の語は、「国家に対する一撃」を意味するフランス語「coup d’Etat」に由来しています。
「クーデター」は、前述のように「支配階級内部の権力移動」である点で、「テロ」と区別されます。ですので、「テロ」では権力者も一般市民も関係なく攻撃対象となるのに対し、「クーデター」では通常権力者のみが攻撃対象となります。また、「テロ」の目的は必ずしも政権奪取とは限らない点も、両者の違いです。
一方、「ゲリラ」はあくまで「正規軍に対する攪乱戦法」を指す点で、「クーデター」とは明確に異なります。
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