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会社員でもできる節税対策11選

会社員でもできる節税対策

会社員でもできる節税対策

会社員の給与明細を見ると、毎月引かれる所得税や住民税といった税金をはじめ、天引きされている社会保険料の金額を見て、ため息しか出ない時もあるでしょう。昇給して給与を上げるにも、時間や確実性の観点から、どうしても長期的な取り組みになってしまいます。

そこで、少しでも手元に現金を残す方法として、国や地方自治体が定める税控除制度を利用した節税対策はご存知でしょうか?
会社員ならすでに、年末調整でおなじみの配偶者控除や扶養控除、生命保険控除など自動的に適用される控除も含めて、これまで知らなかった会社員が活用できる節税対策をご紹介します。

2000円の負担で各地の豪華な特産物がもらえる「ふるさと納税」

2000円の負担で各地の豪華な特産物がもらえる「ふるさと納税」

ふるさと納税は、2008年から登場した、全国各地の自治体に寄付する代わりに、各自治体の特産物や商品券などの豪華な返礼品がもらえる人気の制度です。

このふるさと納税のメリットは、納税した額から負担額2000円を差し引いた額が、所得税・住民税の税金から控除されることになり、節税対策というより、納税先の自治体から、負担額以上の豪華な返礼品を受け取れることにあります。

返礼品の目的以外に、純粋に自分の故郷や応援する自治体に寄付がしたい方のために寄付金をこの目的で使ってほしいと指定できる自治体もあります。

このふるさと納税は、豪華な返礼品で一躍人気になりましたが、返礼品の豪華さを競う自治体の競争が過熱しすぎたため、2019年6月からは、還元率が3割以下、地場産品に限るなど規制が厳しくなり、お得感が少なくなりました。

ふるさと納税の手続きは、確定申告不要の「ワンストップ特例制度」が選べるようになりましたが、それでも手続きは面倒であり、6か所以上の自治体にふるさと納税する場合は、会社員にとって不慣れな確定申告が必要になります。

ふるさと納税は、給与収入や家族構成で控除される納税の上限が設定されており、この上限を超えての利用になると、負担額が増えお得感が少なくなることがあります。しっかりと確認の上で申請しましょう。

将来のお金を貯めながら節税もできる「iDeCo」

将来のお金を貯めながら節税もできる「iDeCo」

iDeCo(イデコ)は、個人型確定拠出年金ともいわれ、個人の老後資金として資産運用ポートフォリオを自ら組んで運用する制度です。この制度は証券会社と契約して自分で申し込みを行います。

iDeCoには大きく3つの節税メリットがあります。1つ目は、iDeCoで積立てた金額分が毎年、所得税や住民税の税金から控除されることです。貯蓄しながら節税できるメリットはかなり大きいでしょう。
2つ目に、iDeCoでは、運用で利益が出ても、すべて非課税になります。一般的に投資信託や預貯金の運用で出た利益には、20.315%(所得税15%、住民税5%、復興特別所得税0.315%)が課税されるので、ここでも大きな節税効果があります。
そして、3つめの節税は、60歳を超え受け取る場合の「退職所得控除」や年金として受け取る場合の「公的年金等控除」が適用されます。

一方でデメリットもあります。iDeCoは資金運用のため資産が目減りするリスクがあることです。預貯金だけでは大きく資産が増やせないため、どうしても元本保証のない「投資信託」がメインとなるためです。また、運用には、委託先や口座管理、事務手数料などのそれぞれで手数料もかかってきます。

そして、いざという時にお金が必要になっても、老後の資金目的の制度であるため、60歳まで引き出すことができません。また、専業主婦など課税所得に達していない方でも利用できますが、節税効果はありません。

iDeCoは、人生100年といわれる高齢化社会が進む上で、将来の老後資金を貯める目的と節税対策として活用できる制度です。長期的なメリットを見据えた上で、会社員として働きながらコツコツ貯めたい人に向いているでしょう。

NISAとつみたてNISAで非課税枠を利用して投資に挑戦しよう

NISAとつみたてNISAで非課税枠を利用して投資に挑戦しよう

NISA(ニーサ)と、つみたてNISAは、資産運用益を一定額まで非課税にできる制度です。どちらも節税効果が見込める制度ですが、金融商品や年間の非課税の投資枠、非課税年数に違いがあります。

NISAの特徴は、証券会社がNISA用に取り扱う金融商品なら、株から投資信託、ETF(上場投資信託)やREIT(不動産投資信託)まで幅広く投資ができ、短期から中期の資産運用に適しています。年間の非課税枠が120万円と大きい反面、期間が5年までとなっています。

一方、つみたてNISAは、金融庁が指定した初心者にもやさしく、販売手数料が無料もしくは割安で長期投資に向いていています。非課税投資期間は、最大20年間となっています。ただし、年間の積立投資は40万までと少額で、月間3万3千円程度しか利用できません。

NISAとつみたてNISAは併用ができないため、どちらか一方を選ぶ必要がありますが、投資経験がある方はNISA、初心者でコツコツと積立てていきたい方は、つみたてNISAが適しているといえます。1年単位で変更することもできるため、会社員として働きながら、金融商品の運用に興味があるなら、非課税枠を賢く使いながら挑戦してみましょう。

住宅を購入したら10年以上の控除が期待できる「住宅ローン控除」

住宅を購入したら10年以上の控除が期待できる「住宅ローン控除」

住宅ローン控除は、借り入れた住宅ローン残高に応じて、10年間に渡り所得税が減税される制度です。毎年末の住宅ローン残高が上限4000万まで(長期優良住宅や低炭素住宅はローン残高上限5000万円まで)を対象に所得税から減税される制度です。

この住宅ローン控除の適用には、借り入れした人の所得金額が3000万円以下であること、金融機関からの返済期間が10年以上あること、敷地が50㎡以上で、床面積の1/2以上が住居用であることが条件です。また、条件を満たしていれば、新築に限らず、中古物件の購入やリフォームにもローン控除は適用できます。

控除額は、毎年12月末時点での「住宅ローン残高×1%」が控除額となります。例えば、年末にローン残高が3000万円なら、1%の30万円が控除額となり、もし所得税が控除額を下回れば、住民税から控除されることになります。

住宅ローン控除の申請は、初年度は会社員でも確定申告が必要です。2年目以降は、年末調整時に「住宅借入金等特別控除申告書」に記入して、会社に提出するだけで適用されます。

住宅購入に際しては、その他にも購入してから新築戸建なら3年間、新築マンションなら5年間は固定資産税が軽減される制度もあり、これらを節税対策として利用して、人生で最も高い買い物といわれる住宅の購入を検討してみましょう。

家計負担が大きい保険料を控除できる「生命保険料控除」と「地震保険料控除」

家計負担が大きい保険料を控除できる「生命保険料控除」と「地震保険料控除」

加入している生命保険料控除や地震保険料控除があれば、所得税や住民税から一定額が控除される制度です。会社員の方なら年末調整の書類提出の際に、毎年記入するため、広く知られている制度でしょう。

生命保険控除には、2012年の改正から新制度が導入され、「一般生命保険控除」「介護医療保険控除」「個人年金保険控除」の3種類となりました。所得税と住民税の控除を受けることができます。種類ごとの所得税の控除額は減りましたが、3つ合わせた総額は12万円と旧制度より2万円増額されています。
地震保険控除については、地震が多い日本で保険加入を促す制度でもあり、こちらも年間で支払った額の5万円まで上限として、所得税や住民税が減税されます。

毎年、秋頃に生命保険会社から「生命保険料控除証明書」が郵送され、会社員は、年末調整で「給与所得者の保険料控除申告書」に上記の証明書を提出するだけで、控除を受けることができます。

生命保険や地震保険の控除は、世帯主には非常にありがたい制度ですが、節税できるからといって、必要以上に保険に入らないよう注意しましょう。

ハードルは高いが会社員でも経費計上ができる「特定支出控除」

ハードルは高いが会社員でも経費計上ができる「特定支出控除」

会社員が、仕事で必要な書籍の購入や資格取得費用、スーツ代などは、経費として税金から控除できないかと思った方も多いでしょう。実は、これらも税務署に認められれば、「特定支出控除」として申請ができる場合があります。

この特定支出控除の対象となっているのは、交通費、転居費、研究費、資格取得費、帰宅旅費、勤務必要経費などが対象となっていますが、会社員は所得に応じて、給与所得控除が自動的に適用されており、領収書の添付が必要な自営業と比べてかなり優遇されているため、残念ながら、特定支出控除を受けるのは簡単ではありません。

適用条件として、申請する経費は、交通費など、すでに会社が負担している内容が多く、スーツ代にしても本当に業務に必要であるものかを会社側から証明してもらう必要があります。また、申請したい経費も「所得控除の1/2」以上の額でないといけません。例えば、年収500万なら給与所得控除が154万となり、1/2の77万円以上を超えた分しか、特定支出控除として認められません。

一般的な会社員の節税対策としては、ハードルの高さから適用は難しいですが、弁護士や会計士など資格取得のため、多額の費用がかかった場合は、適用の可能性はあるかもしれません。

上手に使って節税できる「医療費控除」と「セルフメディケーション税制」

上手に使って節税できる「医療費控除」と「セルフメディケーション税制」

医療に関する控除は、「医療費控除」と「セルフメディケーション税制」があります。医療控除は、年間10万円以上支払った医療費の控除が適用できる制度であり、また、2017年から始まった「セルフメディケーション税制」は、市販のスイッチOTC医薬品を年間1万2000円分以上の購入した場合にその費用を控除できる制度です。

医療費控除の適用条件は、窓口で支払った医療費の合計から保険で補填された金額を引いた額から、さらに10万円を引いた額が医療控除額(上限は200万)となります。総所得額が200万円未満なら、その所得額の5%以上が条件となります。

一方でセルフメディケーション税制は、対象の医薬品を1世帯で年間1万2000円以上を購入が控除対象となり、最大8万8000円まで控除される制度です。
市販の医薬品でケアしている方が優遇される目的のため、病院の医療費や処方薬の費用は対象外です。家族全員分の薬代が対象になるため、購入したレシートは取っておきましょう。

また医療費控除とセルフメディケーション税制のどちらかを選択する必要があるので、負担が大きかった方を選択して確定申告をしましょう。病気になると、医療費や薬代も決して安くはありません。普段から医療に関する支出をしっかりと管理していれば、会社員でも節税ができるありがたい制度です。

扶養している家族がいるとありがたい「配偶者控除」「扶養控除」

扶養している家族がいるとありがたい「配偶者控除」「扶養控除」

配偶者控除と扶養控除は、配偶者や子供がいる世帯主の会社員にとっては、年末調整で控除が受けられるありがたい制度です。

配偶者控除は、配偶者の所得額に応じて、年間38万円以下(2020年からは48万円以下)なら配偶者控除が適用され、年間38万円以上(2020年からは48万円以上)、123万円以下(2020年からは133万円以下)なら配偶者特別控除が適用されます。配偶者の収入により、配偶者控除が受けられない世帯が、配偶者特別控除を適用することで、段階的に税金の負担が緩和される仕組みとなっています。

扶養控除は、配偶者を除く、6親等以内の親族や配偶者側の3親等以内の親族などが主な対象となります。別居をしていても生計が一緒、または生活費などの仕送りをしていれば、扶養控除が適用できます。こちらも配偶者控除と同様に38万円以下(2020年からは48万円以下)となります。

この制度は、会社員であれば年末調整で申請できる節税対策ですので、配偶者の収入や扶養人数の把握をしておきましょう。

株式運用や不動産での赤字を穴埋めできる「損益通算」

株式運用や不動産での赤字を穴埋めできる「損益通算」

会社員でも株式運用や不動産投資をしている方も多いですが、損失が出た場合は、他の所得と合算して控除できる「損益通算」を利用することができます。

この損益通算は、不動産投資や株式投資で損失を出した場合、利益と損益を相殺した金額に課税されます。会社勤めでアパート経営を兼業している方は、不動産所得で損失が出た場合に、給与所得から不動産所得の損失分を差し引くことができます。その結果、課税額が減少し節税対策が可能となります。

株式運用の損失は、残念ながら給与所得などほかの所得との損益通算はできませんが、複数の証券会社の口座で、損益を相殺することができたり、損失を出した翌年から最長3年間の繰越が可能な「損失の繰越控除」も適用できます。ただし、毎年確定申告をする必要があります。

会社員の副業のほとんどが「雑所得」にあたるため、「事業所得」として認めなければ、損益通算の適用ができないことは覚えておきましょう。

突然の災難に見舞われた時に助かる「雑損控除」

突然の災難に見舞われた時に助かる「雑損控除」

近年では、予期できない地震や台風被害など自然災害も多く、また、空き巣や盗難被害など思いがけない災難に見舞われることもあるでしょう。そんな時に「雑損控除」の適用を検討できます。この雑損控除とは、本人を含めた家族が生活に必要な住宅や家財、現金などの財産に損害が出た場合に税金から控除を受けられる制度です。

受けられる控除は、損失金額(損失金額から保険料で補填される金額を引いた額)-総所得金額×10%、または、損失額に占める災害関連支出額-5万円の多い方が適用されます。

控除が受けられる具体的な内容として、主なものは自然現象の異変による災害、火災、害虫などの生物による災害、盗難、横領などが該当します。ただし、贅沢品に含まれる高価な貴金属や美術品、別荘や、事業資産などは対象にはならず、詐欺や恐喝も被害者側にも非があるため、雑損控除を受けることができません。

災難にいつ見舞われるかわかりません。そんな時に少しでも会社員でもできる節税対策を知っておけば、いざという時に役立つでしょう。

クレジットカードの納税でお得にポイントを貯めよう

クレジットカードの納税でお得にポイントを貯めよう

固定資産税や自動車税などの税金は、会社員であっても特別徴収されず、毎年自分で支払う必要がありますが、2017年から納税の利便性を上げるため、クレジットカード支払いが可能になりました。クレジットカードで支払うこと自体に節税効果はありませんが、納税額分がクレジットカードのポイント還元されるメリットがあります。

対象となる税金は、国税から地方税まで幅広く対応しており、自動車税、固定資産税(東京都23区)、不動産取得税、個人事業税や法人向けに法人税や事業税、たばこ税などにもクレジットカード支払いに対応している各市区町村もあります。

ただし、クレジットカード払いが便利とはいえ、納付額に応じて決済手数料が発生することに注意が必要です。例えば、東京都なら排気量1500㏄までの自動車税は、3万4500円です。この場合のクレジットカード支払手数料は税込315円ですが、還元率が0.5%のクレジットカードで支払うと、172円分しか還元されず、損をしてしまいます。還元率が1%のクレジットカードなら、345円となり損はしません。

このように手数料に気をつけながら、クレジットカード支払いを賢く使って納税しましょう。