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ビジネス知識

電車の遅延による遅刻は遅延証明書があっても遅刻扱いになる!?

電車の遅延による遅刻は遅延証明書があっても遅刻扱いにできる!?

会社は法律上、電車の遅延証明書があっても遅刻扱いにできる

日本は電車がダイヤ通り運転される国として有名ですが、朝の通勤の時間帯は多くの方が利用するため遅延することもしばしばあります。

人身事故や緊急点検などによって電車が遅れたために出社時間に間に合わず遅刻した経験をしたことがある方も多いと思います。また、その遅刻を遅延証明書の提出で免れた人もいれば、遅延証明書を提出しても免れなかった人もいると思います。

ここでは電車の遅れが原因による遅刻が遅刻扱いになるかどうかについてご紹介していきます。

結論から言えば遅刻は遅刻

結論から言えば遅刻は遅刻

結論から言ってしまえば会社のルールによって異なります。そのため、電車の遅延など理由しだいで考慮することも可能ですし、遅延などの理由があったとしても会社が遅刻と決めれば遅刻扱いにできてしまいます。
社員側からしてみれば「自分の責任ではない」「不可抗力だ」と考える方もいるとは思いますが、会社側からしても遅延の責任は会社にありませんし、遅刻を容認する義務もありません。そのため電車の遅延に限らずどんな理由があるにせよ働いていない分の賃金を支払う義務や責任はありません。

ノーワーク・ノーペイの原則

ノーワーク・ノーペイの原則

労働契約法第6条に「労働契約は、労働者が使用者に使用されて労働し、使用者がこれに対して賃金を支払うことについて、労働者及び使用者が合意することによって成立する。」との記載があります。

また、「労働の提供がない場合には賃金を支払わなくてよい」と言ったノーワーク・ノーペイの原則があります。
ノーワーク・ノーペイの原則によって今回題材に上がっている電車の遅延による遅刻はもちろん、病気や怪我などが理由で遅刻した場合も会社は労働者である社員に対して賃金(給与)を支払う義務は法律的にもありません。

遅延証明書があっても遅刻扱いされる可能性はある

遅延証明書があっても遅刻扱いされる可能性はある

上記に反して会社によっては遅延証明書の提出によって遅刻が免れることもあると思います。
しかし、遅延証明書とはあくまでも電車が遅延したことを証明するための書類であって遅刻を免除されると言った書類ではありません。
そのため、遅刻によって労務提供義務を果たしていないことから遅延証明書の有無に関係なく会社が遅刻と扱えば遅刻となり、それにより会社側は正当に給与をカットすることが可能性になります。

就業規則をチェックする

就業規則をチェックする

基本的に遅延による遅刻がどういった扱いになるのかは就業規則に書いてあるのが一般的です。
就業規則とは簡単に言えばその会社のルールブックと言ったものになります。つまり労働者である社員は就業規則に従って働かなければなりません。
そのため、「遅延が発生した場合でも遅刻扱いとする」「ネットで発行された遅延証明書は認めない」など記載されていることもあります。また、遅刻による給与カットのルールや計算方法などが記載されていることもありますので必ず確認するようにしましょう。

ただし、反対に言えば就業規則に記載されている内容は会社側も守る必要があります。
そのため「遅延が発生した場合、遅延証明書を提出すれば遅刻扱いしない」と記載がある場合には遅延証明書を提出すれば遅刻扱いすることはできません

大幅な賃金カットは違法

大幅な賃金カットは違法

遅延などの理由に関係なく遅刻した場合には半休扱いになったり、丸一日欠勤扱いにする会社もあると思います。
しかし労働基準法第91条では「就業規則で、労働者に対して減給の制裁を定める場合においては、その減給は、一回の額が平均賃金の一日分の半額を超え、総額が一賃金支払期における賃金の総額の十分の一を超えてはならない。」との記載があります。

平均賃金は会社が指定した土日などの休みである公休日を含めず計算するため、遅刻により半休扱いはもちろん一日分が欠勤扱いになると言ったことは労働基準法第91条に違反することとなります。
違法となる行為は就業規則にかかれていても従う義務はありませんので注意しましょう。

反対に「遅刻3回で1日欠勤」と言ったような扱いをする会社も多く見られますが、この場合には労働基準法第91条に反しません。つまり遅延に限らず遅刻による賃金カットは労働基準法第91条などに反しない範囲であれば正当に行うことができます。

会社側から30分前の出社を義務付けられた場合

会社側から30分前の出社を義務付けられた場合

遅刻したことによって上司から注意を受けたことがある方もいると思います。
単に「次から気をつけろよ」や「明日から遅刻しないように」と注意を受けることもありますが、「社会人なら30分前に出社しろ」と言われた場合には定時よりも30分前の出社を指示されたと受け取ることができます。

遅延などを考慮し遅刻しないように何時に家を出るか判断するのは社員の自己責任の範囲となりますが、上記の後者は9時出社の場合には8時30分に出社する(8時出社の場合には7時30分に出社)ように会社から義務付けられたと捉えることができます。
そういった場合には通常の労働時間に加え30分の労働が義務付けられるため残業代を請求できる可能性が出てきます。
また、会社が側も上記の後者の言い方では30分の残業代を支払う責任が出てくる可能性があります。

法律的には遅刻が理由で労働していない場合には給与をカットすることが可能ですが、遅刻を防ぐために定刻よりも早い出社を義務付けることはできず、義務付けた場合にはその時間も労働時間として扱われる可能性が高くなります。