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「タラコ」「明太子」「辛子明太子」の違い

「タラコ」「明太子」「辛子明太子」の違い

「タラコ」「明太子」「辛子明太子」の違いとは

ご飯のお供やお酒のあてに最適な「辛子明太子」。あの辛さが何ともいえないという人も多いでしょう。ただし辛子とつかない「明太子」や似たものに「タラコ」もあります。この3種類は同じ物、それとも別の物なのでしょうか?
じつはこの3種類はいずれもスケトウダラの卵巣を加工したものです。ただし味付けや地域での呼び名が異なります。

今回はこの「タラコ」「明太子」「辛子明太子」の違いについてご紹介していきます。

「タラコ」とは

タラコ

「タラコ」とは、鱈(主にスケトウダラ)の卵巣を塩漬けにして加工した製品です。

江戸時代にはすでに食され、明治時代に広まりました。その名前はそのまま「タラの子」と呼ばれていましたが、昭和の半ばに略して「タラコ」と呼ばれるようになりました。東北や北海道では「紅葉子(もみじこ)」とも呼ばれています。

詳しくは後述しますが、「タラコ」と「明太子」は、同じタラの卵巣を塩漬けにし、加工したものを指します。ただし「タラコ」は日本語、「明太子」は朝鮮語と語源が違い、今では地域で呼び方も異なります。「タラコ」は東日本を中心に広く使われ、「明太子」は福岡県を中心に西日本で一般的な名称です。ただし「明太子」は、「辛子明太子」の略として使われる場合もあります。

「明太子」とは

明太子

「明太子」とは、「タラコ」と同じくタラを塩漬け加工したものです。もともとは「明太子」で有名な福岡県で使われていた言葉でした。
この語源は朝鮮半島です。朝鮮半島ではスケトウダラは「明太(ミョンテ)」と呼ばれており、それが伝わって「明太の子」という意味から「明太子」となりました。ただし「明太子」は日本特有の呼び名のため、朝鮮半島では通じません。

つまり、「タラコ」と「明太子」は同じ物であり、呼び方が違うだけです。ただし「タラコ」より「明太子」のほうが辛いというイメージを持つ人がいるかもしれません。
この違いは「辛子明太子」との関りから生まれました。こちらも詳しくは後述しますが、本来「明太子」と「辛子明太子」は別の物です。ただし東日本では「辛子明太子」を略して「明太子」がよく使われています。

「辛子明太子」とは

辛子明太子

「辛子明太子」とは、スケトウダラの卵巣に唐辛子などの調味液で味付けしたものです。つまり「タラコ」や「明太子」との違いは、塩漬け加工か唐辛子などで辛くした物かという味付けに違いがあります。
なお、「辛子明太子」は、「タラコ」とは違い、規約でスケトウダラと定められており、マダラなど他のタラを使うと、「辛子明太子」と呼ばれません。

「辛子明太子」は、朝鮮半島のミョンテの加工食品がルーツと言われています。昭和初期には唐辛子などをまぶした辛子の明太子が福岡や下関に伝わっていましたが、戦後、博多「ふくや」の創業者が、唐辛子など調味液に漬けて日本風の味付けにした「辛子明太子」を開発しました。そのおいしさが広まり、日本全国に「辛子明太子」が浸透しました。

そのため西日本では、塩漬け加工した物を「明太子」、調味液で辛くした物を「辛子明太子」と呼びました。しかし東日本ではすでに「タラコ」の名前が定着していたため、塩漬けのものはそのまま「タラコ」、辛い物を「辛子明太子」と使い分けます。東日本では「辛子明太子」を縮めて「明太子」とも呼ぶようになりました。
したがって、本来「タラコ」と「明太子」が同じ物ですが、東日本の人は「辛子明太子」と「明太子」を同じ物とみなす人も多いようです。

「タラコ」「明太子」「辛子明太子」の違い

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