社会人のためのビジネス情報マガジン

  • フェイスブック
  • ツイッター
  • RSS

違い

「セメント」「コンクリート」「モルタル」「アスファルト」の意味と違い

「セメント」「コンクリート」「モルタル」「アスファルト」の意味と違い

「セメント」「コンクリート」「モルタル」「アスファルト」の意味と違い

私たちの身の周りの住宅やビル、道路といった構造物には、さまざまな材料が使われています。それらの中でよく耳にするものに、「セメント」「コンクリート」「モルタル」「アスファルト」の4つがありますが、これらは名前は知っているものの、詳しい内容については実はよく知らないという人もたくさんいるでしょう。果たしてこの4つは、それぞれどのような違いがあるのでしょうか。

今回は、「セメント」「コンクリート」「モルタル」「アスファルト」の意味や違いについて解説していきますので、これらを使い分ける際の参考にしてみてください。

「セメント」とは

セメント

「セメント」とは、本来は「無機質接着剤の総称」を意味する言葉ですが、一般的には土木建築用の「ポルトランドセメント」を指します。これは1824年に発明された水硬性(水と反応して硬化する性質)セメントで、石灰石と粘土を主原料としており、セメント生産量の約90%を占めます。

「ポルトランドセメント」は、原材料を適当な割合で混ぜて焼成し、塊になったところへ石膏などを加え、それを粉砕・粉末化することで作られます。「普通ポルトランドセメント」や「早強ポルトランドセメント」、「超早強ポルトランドセメント」などの種類があります。

「コンクリート」や「モルタル」との違いは、それらの主原料にあたる点にあります。後述するように、「セメント」に砂などを加えて作られるのが、「コンクリート」や「モルタル」などの材料です。

「コンクリート」とは

コンクリート

「コンクリート」とは、土木建築用材料の1つで、一般的には水硬性のセメントと水、砂利(砕石)を混ぜて凝固させて作られるもの(セメントコンクリート)を指します。「混凝土」とも書かれますが、これは「混ぜて固める」の意味をもじった当て字になります。

「セメント」を用いた「セメントコンクリート」は、圧縮性に強く、耐火・耐水性にも優れるという性質を持ちます。その反面、引張力(ひっぱりりょく)には弱くなっているため、通常は引張力に強い鋼材と組み合わせることで、建設・道路舗装の材料として用いられるようになっています。

このように、一般に言う「コンクリート」は、「セメントを結合材として作られた土木建築用材料」を指す点が、「セメント」との違いとなっています。

「モルタル」とは

モルタル

「モルタル」とは、広義には「細粒の骨材を結合材に混ぜて作った建築材料」を意味しますが、一般的には砂と「セメント」を水で練った「セメントモルタル」を指します。砂には川砂や色砂などが使用され、容積比でセメント1に対し、砂2~3の割合で調合されます。「普通モルタル」のほかに、骨材としてパーライト(黒曜石などを粉砕し、高熱で急速に焼成した人工発泡体)を混入した「パーライトモルタル」などの種類もあります。

「モルタル」はペースト状で施工性が良いという特性から、仕上げ材や目地材、躯体の調整など幅広い用途で使われるようになっています。

このように、「モルタル」は「セメントから作られる建築材料」という点では「コンクリート」と同様ですが、含まれる原材料は違います。「コンクリート」には粗骨材として砂利が加えられていますが、「モルタル」には入っていません。

「アスファルト」とは

アスファルト

「アスファルト」とは、「瀝青(れきせい)と呼ばれる物質の一種で、黒褐色ないし黒色の固体、あるいは半固体の可塑性物質」を意味する言葉です。天然に産するもの(天然アスファルト)と石油の精製に伴って得られるもの(石油アスファルト)の2種類がありますが、日本では後者を主に「アスファルト」と呼びます。主成分は複雑な炭化水素で、アスファルテンという固体成分が、マルテンという油状成分中に分散して出来上がっています。

「アスファルト」は、粘着力や防水性、電気絶縁性に優れており、道路舗装や建築材料、電気絶縁などの用途に用いられます。

このように「アスファルト」は、「セメント」や「コンクリート」などとは組成や作られ方が全く違います。「セメント」は石灰石や粘土を主原料として作られるものですが、「アスファルト」は原油の蒸留に伴ってできる、炭化水素を主成分とした固体または半固体を指すようになっています。

「セメント」「コンクリート」「モルタル」「アスファルト」の意味と違い

この記事が気に入ったら いいね!しよう

最新の情報をお届けします