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合同会社(LLC)のメリットとデメリット17選

合同会社(LLC)のメリットとデメリット

これから起業しようと考えている人の中には、会社の形態として何を選ぶべきか迷っているというケースも少なくないでしょう。知名度が高いのは「株式会社」ですが、最近設立する例が急増しているのが、「合同会社」です。「合同会社」は「LLC」とも呼ばれる会社形態ですが、一体どのような特徴を持っているのでしょうか。その利点や難点が知りたいところです。

そこで本記事では、合同会社の持つメリットとデメリットの双方について、それぞれ詳しく紹介していきたいと思います。

メリット

上記のように、合同会社(LLC)は近年設立されるケースが相次いでいます。それは、合同会社という形態にさまざまな利点があるためです。ではその利点とは、具体的にどのようなものなのでしょうか。まずは、合同会社設立で得られるメリットについて紹介していきましょう。

設立にかかる費用が安い

設立にかかる費用が安い

会社を起業する際には、「登録免許税」という費用が発生します。これは登記にかかる税金で、会社設立のほかに不動産の登記、著作権の登録などの際にも必要になります。
株式会社の場合、登録免許税にかかる費用は最低でも15万円ですが、合同会社の場合は、最低で1件6万円しかかかりません。また、株式会社の設立には定款の認証が必要で、これに5万円の手数料がかかるのに対し、合同会社では定款の認証がいらないため、この費用が必要ないというメリットもあります。

手続きが簡素である

手続きが簡素である

上の項目で述べたように、株式会社の設立には定款の認証が必要になりますが、合同会社ではその必要がありません。そのため、公証人との打ち合わせなど、定款認証に関する手続きの手間が省けます。また、合同会社は株式会社のように所有と経営が分離しているわけではないため、役員の選任などの手続きも必要ありません。こうしたように合同会社は、総じて設立に関する手間が少ないというメリットがあります。

有限責任

有限責任

合同会社の社員(出資者)の責任範囲は、「有限責任」です。有限責任とは、会社の債務に対し、各出資者が出資した範囲を上限として責任を負うことを指します。これに対し、無限責任は、出資の範囲を超えて責任を負うことを意味します。無限責任を負うのは合資会社や合名会社などですが、この場合会社が倒産したり、トラブルを起こして誰かに損害を与えたりなどした際には、個人の財産を費やしても返済しなくてはなりません。その点合同会社は有限責任となりますので出資者としては、リスクが限られる有限責任は、メリットがあると言えるでしょう。

柔軟な組織運営ができる

柔軟な組織運営ができる

株式会社の場合、組織の運営に関しては、法律上さまざまな細かいルールが存在します。
例えば取締役を設置する際には、必ず監査役を置かねばならないといったことです。これに対し、合同会社には、こうしたルールは基本的にありません。定款によって自由に職務内容を決めることができるので、柔軟な組織運営が可能になるというメリットがあります。

利益の配分を自由に決められる

利益の配分を自由に決められる

株式会社では、出資者は出資した額に応じて株式を受け取り、株主となります。会社が利益を出せば、株主は株式数に応じた利益の配分を受けるという仕組みです。つまり、出資者が受けられる利益は、出資比率に即して決まることになります。
これに対し合同会社では、利益の配分率は、定款により自由に決めることができます。そのため、出資額に縛られず、全員が平等に配当を受けられるなどのメリットがあります。

決算公告の義務がない

決算公告の義務がない

「決算を公表する義務がない」ということも、合同会社設立のメリットの1つでしょう。
株式会社の場合、財務情報について開示する「決算公告」を行わなくてはならない決まりがあります。この公告に際しては費用が必要になりますが、合同会社はそもそも決算の広告義務がないため、この費用がかかりません。

平等な議決権

平等な議決権

合同会社の意思決定は、社員(出資者)全員の合議によって行われる仕組みです。その際の議決権割合は、原則として「社員1人につき1議決権」となっています。株式会社のように持株比率に応じて議決権が割り当てられる場合、意思決定に際し一部の出資者への過度な働きかけが求められるなどの問題がありますが、合同会社ではそうした必要がないというメリットがあります。

役員の任期の定めがない

役員の任期の定めがない

株式会社においては、役員の任期は原則として取締役が2年、監査役が4年と決められています(非公開会社は10年まで伸長可能)。同じ人が役員を継続する場合も、一度退任してから役員変更登記をしなくてはなりません。これに対し、合同会社ではそもそも役員の任期の定めがないため、役員変更登記の手間や費用を省けるというメリットがあります。

状況により株式会社へ移行できる

状況により株式会社へ移行できる

合同会社は、どちらかというと小規模な事業向きの形態で、業績が拡大してくると、株式会社の方がメリットが大きくなる側面があります。そうした場合、組織変更の手続きを取ることで、合同会社から株式会社に移行することも可能です。ただしその際は、組織変更の公告を官報に掲載する費用、登録免許状の収入印紙代、司法書士への手数料などが必要になります。

株式会社と同等の節税効果が期待できる

株式会社と同等の節税効果が期待できる

合同会社は法人のため、個人の場合とは課税の形態が大きく異なります。法人は、個人の場合より必要経費の範囲が広いのが特徴です。そのため、個人事業から合同会社を起業する場合は、株式会社と同等の節税効果が見込めるというメリットがあります。

デメリット

上では合同会社のメリットについて紹介しましたが、当然良いことばかりがあるわけではありません。合同会社にも、信用面などいくつかの部分で難点が存在します。続いては、そうした合同会社のデメリットについて見ていきましょう。

信用を低く見られがち

信用を低く見られがち

会社にとって信用は大きな財産ですが、合同会社の場合、株式会社に比べて取引先の信用を得にくい傾向があります。これは、合同会社が比較的新しい形態であることから、それほど認知度が高くないことに起因しています。将来的にこうしたデメリットは解消されると予測されますが、現在のところ、株式会社より信用性の点でやや劣るとみなされがちなのが実情です。

役員の肩書が分かりにくい

役員の肩書が分かりにくい

会社の信頼性において意外に重要なのが、「役員の肩書」です。株式会社では、会社を代表する役員を通常「代表取締役」と呼びますが、この肩書は社外から見て責任の所在が明確になるという特徴を持ちます。一方合同会社の場合、会社を代表する社員を「代表社員」と呼ぶことになりますが、対外的に見ると、この名称はやや曖昧で役割が分かりづらい部分があります。そのため、場合によっては個人事業の延長に見られかねないというデメリットがあります。

業務執行権が分散するリスク

業務執行権が分散するリスク

合同会社の大きな特徴として、「出資者が業務執行権を持つ」という点があります。株式会社では、出資者と経営者が分離し、業務執行権を持つ者が一部に限られるケースが多くなっていますが、合同会社では社員(出資者)と経営者が同一です。そのため、権限を持つ者が多すぎて、経営に混乱をきたしかねないというデメリットがあります。

権利譲渡などに伴い対立を招くリスク

権利譲渡などに伴い対立を招くリスク

合同会社の特徴として、「重要事項の意思決定には、原則として社員全員の同意が必要になる」ということも挙げられます。このことにより、事業の継承や社員の地位の譲渡などをめぐり、社内で対立が起こりかねないというデメリットもあります。

株式上場ができない

株式上場ができない

株式会社のメリットに、「株式上場による大規模な資金調達が可能」ということがあります。これは、事業の規模を拡大したい場合などには便利な仕組みです。しかし、合同会社にはそもそも「株式」の概念が存在しないため、上場することもできません。こうしたデメリットを解消したい場合は、前述のような株式会社への形態変更が必要になります。

資金調達の選択肢が限られる

資金調達の選択肢が限られる

上のデメリットとつながりますが、合同会社は資金調達の手段の点で、選択肢が限られるという側面があります。株式会社の場合、株式公開や、投資対象となることで株価を上げるなど、株式を利用したさまざまな資金調達法が考えられます。一方、合同会社では株式の概念がないため、融資など限られた方法でしか資金を調達できないというデメリットがあります。

意見がまとまらないことも

意見がまとまらないことも

合同会社では、前述のように社員1人につき1つの議決権が与えられます。また、意思決定については社員全員または過半数の同意が必要となるため、社員が複数いる場合は、最悪意見がまとまらずに対立が起きるというリスクもあります。こうしたデメリットを回避するためには、起業の際定款で代表者を1人に絞っておくなどの方策も重要になります。