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「果汁」と「エキス」の違い
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「果汁」と「エキス」の違いとは
果実の名前が入った飲料水のパッケージを見てみると、「果汁」入りと「エキス」入りのものがあります。果汁は果物の汁液であり、その果実の味を感じられることは分ります。一方、無果汁の「エキス」入りの飲料も、リンゴやオレンジといった果実の風味や香りが感じられものが多くあります。この「エキス」とはいったい何なのでしょうか。「果汁」とはどう違うのでしょうか。
今回は「果汁」と「エキス」の意味や特徴、違いについて、詳しく解説していきましょう。
「果汁」とは
「果汁」とは、果物をしぼったり、またはすりつぶしたりした汁です。そのため果物と同じ色味や香り、味をもっています。「果汁」の甘味や旨さは、人工的な甘味料ではなく、果物本来が持つ天然の糖分である果糖です。
「果汁」はよく飲料に使われます。飲料に使う際には、しぼったものをそのまま使ったストレート果汁や濃縮還元した果汁などがあります。
この「果汁」入りの飲料をジュースと呼ぶ人も多いでしょう。ジュース(juice)は英語で、果物や野菜の汁液を意味しています。日本では、日本農林規格(JAS法)において、果汁の割合の違いにより、果汁入り飲料の表記方法を使い分けています。
ジュースと表記できるのは、「果汁」100%(わずかな糖分等などを含む場合あり)の場合のみ。「果汁」の割合が10~100%未満の場合は果汁入り飲料、10%未満の場合は清涼飲料水と表示されます。なお、5%未満の場合は無果汁と表示してもよいことになっています。
たとえば「りんごジュース」と表記している飲料は、水で薄めておらず、りんごの「果汁」がほぼ100%を占める飲み物になります。
「果汁」と「エキス」の違いについては、「果汁」は果物をしぼった汁ですが、後述するように「エキス」は果物の一部の成分を抽出したものです。
「エキス」とは
「エキス」とは、抜き取るといった意味のある「エキストラクト(extract)」の略。動物や植物などの素材に含まれる、甘味や酸味、香りなどの成分を抽出したものです。
果物でいえば、柑橘類に含まれるクエン酸、リンゴやバナナに含まれるリンゴ酸など酸味のある有機化合物などがあります。
これらの成分をアルコールまたは水を使って果物を水やアルコール浸出、フリーズドライなどの方法を使い、粉末状や水飴状などの形で抽出したものが「エキス」です。
「エキス」は果実の風味を決定づける成分です。「エキス」を香料のように飲料などに加えると、無果汁でも特定の果実の香りや風味を出すことができます。クエン酸は柑橘のような酸っぱさ、リンゴ酸は爽やかな酸味を加えます。「エキス」には果実の色はついていないため、果実エキス入りのミネラルウォーターも無色透明になります。
このように「果汁」も「エキス」も果実から取り出したものですが、前述したように、「果汁」は果実そのものの汁、「エキス」は一部成分を抽出した成分という違いがあります。したがって果実の「エキス」が入っていても、果汁入りでなければ無果汁の飲料とされます(日本農林規格(JAS法))。
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