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「島流し」の意味とは?使い方や例文
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「島流し」の意味とは?使い方や例文
「島流し」という言葉は、時代劇などでおなじみのものですが、現代のビジネスシーンでも比較的よく聞かれます。あまり良いイメージのないこの言葉ですが、詳しくはどんな意味を表しているのでしょうか。また、具体的な使い方についても知りたいところです。
今回は、ビジネス用語としての「島流し」の意味や使い方などについて解説していきましょう。
「島流し」の意味
ビジネスにおける「島流し」
ビジネス用語としての「島流し(しまながし)」とは、「遠いところや不便なところへ転勤させること」という意味の言葉です。それまで本社や中央で働いていた者が、そこから遠く離れた小さな支社や、主流から外れた部門へ半強制的に移らされることを言います。後述するように、刑罰としての「島流し」に由来しており、無理やり辺鄙な場所へ移動させられることが重ねられた言い方になります。
「島流し」の由来
上でも触れたように、ビジネス用語としての「島流し」は、同名の昔の刑罰に由来しています。この場合の「島流し」は、罪を犯した人間を離島や辺鄙な土地に追いやることを指します。島に送ることから「島流し」と呼ばれていますが、「流罪(るざい)」などという呼び方もあります。一方「島流し」に遭う者のことを、「流人(るにん)」と呼びます。
こうした刑罰は世界中に見られますが、日本でも古代から明治時代に至るまで、長年にわたって行われていました。代表的なところでは、隠岐島に流された後醍醐天皇や後鳥羽上皇、淡路に流された早良親王(移動の途中で死亡)、沖永良部島に流された西郷隆盛などの例があります。一方世界的な例では、南大西洋のセントヘレナ島へ流されたナポレオン・ボナパルトが有名です。
「島流し」の使い方・例文
「島流し」の意味は上記のようなものですが、実際のビジネスシーンでは、どのように使われているのでしょうか。ここでは、ビジネス用語としての「島流し」の使い方について、例文によって見ていきましょう。
例文:「上司が派閥争いに敗れたあおりを食って、島流しに遭ってしまった」
例文:「島流しで飛ばされてきた土地だが、次第に愛着が湧いてきた」
例文:「島流しで長年冷遇されてきたが、ようやく本社に復帰できることになった」
「島流し」が行われる理由
ここまで「島流し」の意味や使い方について見てきましたが、一体なぜこうしたことが行われるのでしょうか。ここでは、ビジネスシーンで「島流し」が行われる理由について見てみましょう。
派閥争いなど人間関係によるもの
理由の1つとして挙げられるのが、「社内の人間関係に巻き込まれた」というものです。これはドラマなどでおなじみのものですが、例えばあるポストをめぐって対立する派閥の一方に属していて、その派閥が争いに敗れたとき、あおりを食らって上司ともども左遷されてしまうといったケースです。また、上司など上の人間の意向に逆らうなどした場合にも、「島流し」に遭ってしまうことがあります。
懲罰
会社に損害を与えたことへの懲罰も、「島流し」に遭う理由の1つです。例えば大きなミスをしてしまい、そのことで会社が少なくない不利益を被った場合や、または何らかの不正を働いた場合などは、遠方に転勤させられることが多くなっています。
退職強要
会社が社員を無理やり退職させようとして、「島流し」を行う場合もあります。いわゆるリストラの一環として行われるものです。例えば業績が悪化した会社側が、社員に無理やり退職を迫り、それを断った者を倉庫などに転属させるといったケースが、実際に起こっています。
「島流し」に遭った場合の対処法
「僻地などへの転勤」を意味する「島流し」ですが、実際にこうした目に遭った場合は、どのように対処すればよいのでしょうか。ここでは、「島流し」に遭った場合の対処法について見てみましょう。
理由を確かめる
「島流し」に遭った場合は、まず理由を確かめた方が良いでしょう。懲罰などの場合は理由が明らかですが、中にははっきりしない理由で飛ばされることもあります。人事異動の理由を聞くのは特に問題ありませんから、納得できるものかどうかをきちんと確認しておくべきです。
「島流し」を拒否できる場合
日本の企業の場合、人事異動に対しては、基本的に拒否できない風潮があります。ただ、いくつかのケースでは、人事異動を拒否できる可能性もあります。1つは入社時の契約事項に違反するケースで、2つ目は、親の介護などやむを得ない事情がある場合です。そして3つ目は、わざと不向きな部署に移らせるなど、嫌がらせであることが明白なケースです。ただし、3つ目のケースについては事実確認や立証などの必要があるため、実際はそう簡単ではありません。
最後に
以上、ビジネス用語としての「島流し」の意味などについて、例文を交えつついろいろと紹介してきました。
企業における「島流し」は、「左遷」などと同義の言葉です。大抵の場合は大人しく従うケースが多くなっていますが、理由があきらかに不当である場合は、拒否することもできます。まずは理由をきちんと確認して、じっくり考えてから従うかどうかの決断をした方が良いでしょう。
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