ビジネス知識
最低限知っておきたい!給与明細の見方
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自分の給与明細の見方、ちゃんと把握していますか?
自分が税金をいくら支払っているかご存じですか?基本給以外にどんな手当がいくら支給されているのかを把握できていますか?
給料がいくら支払われて、何がどれだけ差し引かれているのか、把握できていないのであればこれを機会に給与明細の見方をもう一度確認してみましょう。
ここでは給与明細の見方についてご説明していきたいと思います。
給与明細の記載は大きく分けて3つの大項目から成り立っています。
それでは給与明細の項目の見方について確認して行きます。
今回はサンプルの給与明細を元に説明しますが、ご自分の給与明細があればそちらも見ながら確認していくと、しっかりと把握することができるはずです。
※会社ごとにフォーマットが異なるため見方は若干異なります。
まずは給与明細が、各種の合計部分を除くと大きく分けて3つの大項目から成り立っていることを理解しておいてください。
①給与明細の「勤怠」に関する項目の見方
「日数」の見方
出勤日数や欠勤日数などの日数の見方に関する部分です。
出勤日数
出勤した日数のこと。
半日や短時間の勤務であっても出勤したら1日と記録されることが一般的です。
欠勤日数
欠勤した日数のこと。
有給を欠勤に含むかどうかなど欠勤日数の数え方は会社により異なる場合がありますので会社の就業規則を確認しましょう。
休出(休日出勤)日数
休日出勤の日数のこと。
「時間」の見方
給与明細の時間の見方に関する部分です。
勤務時間
勤務した総時間数のこと。
遅刻早退時間
遅刻や早退による調整時間分のこと。
普通残業時間
休日や深夜を除く残業時間のこと。
深夜稼働時間
会社で深夜勤務と規定されている時間帯の勤務時間のこと。
割増賃金が適用されます。
深夜残業時間
深夜における残業時間数のこと。
深夜分と残業分の割増賃金が適用されます。
休日勤務時間
休日出勤の勤務時間数のこと。
割増賃金が適用されます。
休日深夜時間(休日深夜勤務時間)
休日の深夜分の勤務時間数のこと。
休日分と深夜分の割増賃金が適用されます。
60時間超時間(月当たり60時間を超えた勤務時間)
月当たり60時間を超える時間外労働のこと。
②給与明細の「支給」に関する項目の見方
「基本給」の見方
最も基本となる支給です。
基本給
言葉の通り給与の基本となる部分のことを言います。
「ボーナス◯ヶ月分」などという言い方をしますが、この「◯ヶ月分」の基準となるのが基本給です。
「支給」には基本給に加え手当が含まれますが、基本給は全然変わらず、毎月手当が増えたり減ったりしている、と感じる方も多いでしょう。
基本給は容易に変更することが難しいため、比較的増減の融通の利く「手当」で支給額を補う会社が多くみられます。
春闘の時期によく耳にする「ベア(ベースアップ)」とは基本給の水準を底上げすることです。
「各種手当」の見方
給与明細の基本給以外の各種手当に関する部分です。
役職手当
店長、主任、係長、課長、部長などの役職に対して付与される手当のこと。
皆勤手当
無欠勤の場合に支給される手当のこと。
会社により異なりますが皆勤手当が出る会社もあります。
条件も様々ですので就業規則を確認しましょう。
会社によっては給与明細に「精勤手当」として記載される場合もあります。
有給手当
有給休暇を使用したことによる支給のこと。
住居手当
労働者の住居の家賃の一部を会社が負担する場合や、持ち家の住宅ローンの返済の補助などとして支給される手当のこと。
前月調整
前月の給与の計算ミスがあったり、前月の給与から昇給があったが締日に間に合わず前月の昇給分の一部が当月支給される場合などに使用される手当のこと。
扶養手当
扶養する家族がいる場合に支給される手当のこと。
支給の際には扶養家族がいるという証明書類を会社に提出する必要があります。
通勤手当
通勤するための手当のこと。
最大◯◯円まで支給、最寄り駅から自宅まで◯◯km以上の場合はバス代支給、など、会社により規定は様々です。通勤手当は10万円までは非課税となります。
資格手当
会社が指定する資格を所持して該当の業務に当たっている場合に支給される手当のこと。
対象となる資格は電気主任技術者や建築士などの建築関連や情報処理技術者検定などのIT関連、医療報酬請求事務能力認定試験などの医療関連など会社により様々です。
地域手当
地域における物価などを考慮して、会社の定めた地域で勤務する場合に支給される手当のこと。「都市手当」と呼ばれることもあります。
その他手当
その他の手当がある場合に支給されます。
残業手当
残業した勤務時間分にかかる支給額のこと。
時間外、休日の労働に対して割増賃金の支払いが義務づけられ、「残業手当」として支給されます。
③給与明細の「控除」に関する項目の見方
「保険支払」の見方
年金や健康保険など保険に対して支払った額が記載される項目です。
意識しないうちに引かれる部分ですが、見方を覚えると同時に、どの保険にどのくらい払っているのか把握しておくようにしましょう。
健康保険(介護保険)
健康保険料に支払った分のこと。
健康保険料は病気やけがなどの医療負担を軽くするためのものです。
厚生年金保険
厚生年金に支払った分のこと。
厚生年金保険は老齢による退職や障害、死亡時に、本人や家族が年金を受給するための保険です。
雇用保険
雇用保険に支払った分のこと。
雇用保険は失業した際に一定期間の間失業手当を受け取ることのできる保険です。
「税金」の見方
給料から天引きされる税金が給与明細に記載されます。
こちらも保険料と同様に気を付けて見ないとどれくらい引かれているか気付かないこともあるでしょう。
所得税
所得税の支払い分のこと。
本人が得た収入に対して課せられる税金のことです。
しかし給与明細に記載されている所得税は仮の金額です。
生命保険料などの控除や、途中で扶養家族が増える場合などがありますので、毎月一定の金額を会社が個人から預かり、12月の給与支払いの際に「年末調整」として計算され、多い場合には給与として返金され、不足があれば徴収されます。そして1年間の最終的な金額を会社が税務署に支払います。
住民税
住民税の支払い分のこと。
住民税は「前年の所得金額」で決まります。
そのため、前年の所得がない1年目の新人社員には住民税はかかりません。
「その他の控除」の見方
給与明細のその他の控除の例です。
会社や職種により様々です。
食事代
食事代を会社が立替えた場合の給与からの天引き分です。
制服代
制服代を会社が立替えた場合の給与からの天引き分です。
他控除
その他の控除がある場合の天引き分です。
④総支給金額、控除合計額など
「合計」の見方
給与明細の各種合計です。
総支給金額
支給額の合計のこと。
控除合計額
控除額の合計のこと。
差引支給額(手取支給額)
「総支給金額」?「控除合計額」のこと。
いわゆる「手取」のことです。
銀行振込額
銀行に振り込まれる金額です。
会社によっては複数の銀行に分けて振込を行うことも可能で、その場合は給与明細上で別々に記載されます。
「その他」
給与明細のその他金額の記載部分です。
現物支給額
現物支給がある場合、給与明細にその支給額が記載されます。
翌月繰越額
給与のうち翌月に繰り越す支給や控除がある場合に給与明細に記載されます。
前月繰越額
給与のうち翌月に繰り越す支給や控除がある場合に給与明細に記載されます。
給与明細の見方を覚えることで社会との関わりを認識するきっかけにしよう
仕事を始めてしばらくのうちは、一生懸命働いた分の給料が振り込まれることに喜びを感じるでしょう。
しかし給与明細の見方を理解すると、「健康保険料」や「厚生年金」、「所得税」や「住民税」など公共の福祉に関する支払いが行われた上で給与が支払われていることに気付きます。
給与明細の見方を知ることは社会人としての最低限のマナーであり、給与明細の見方を覚えることは社会への入り口のひとつです。
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