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OPEC(石油輸出国機構)とは?目的や歴史、13の加盟国

OPEC(石油輸出国機構)とは?目的や歴史、13の加盟国

ニュースを見ていると、さまざまな経済用語を目にしますが、その1つに「OPEC」というものがあります。石油関連の話題でよく出てくる用語ですが、一体どのような意味を持つのかご存知でしょうか。産油国の集まりであることは何となく分かっても、詳しくはよく知らないという人も多いでしょう。しかし、OPECについて知ることは、世界の政治・経済の動向を知ることにもつながります。

そこで本記事では、OPECの意味や目的、歴史、加盟国などについて、詳しく解説していきたいと思います。

OPEC(石油輸出国機構)とは?目的や歴史

OPEC(石油輸出国機構)とは?目的や歴史

OPECは世界の経済や政治に大きな影響力を持ちますが、そもそもどういった組織で、どのような目的があるのでしょうか。また、設立の経緯や歴史も知りたいところです。ここでは、それらの点について解説していきましょう。

OPECの意味とは

まずは、「OPEC」の意味について見ておきましょう。「OPEC」とは、英語の「Organization of the Petroleum Exporting Countries」の頭文字を取った略称で、日本語では「石油輸出国機構」と呼ばれます。読み方は、「オペック」です。

1960年に設立された団体で、名前の通り石油を輸出する国が集まって出来ており、これらの国々の利益を守ることを主な目的としています。当初はイランやイラクなど5ヵ国の加盟のみでしたが、2020年1月時点では、13ヵ国が加盟しています。本部は、オーストリアの首都ウィーンにあります。

毎年6月と12月に全加盟国による総会が開かれ、原油生産量や、価格の調整が話し合われます。現実に原油価格に及ぼす影響力は強く、過去には2度のオイルショックも引き起こしていますが、現在の価格決定力は、相対的に弱まりつつあります。

目的

OPEC設立の主な目的は、前述のように石油輸出国の利益を守ることですが、具体的な目的は3つに分けられます。

1つは、「生産割当量を決めて加盟国の原油生産量を調整し、原油価格を安定させる」ということです。供給量を管理することで、世界市場の原油価格への影響力を強めようという狙いがあります。

もう1つの目的は、「原油の生産と供給がなるべく加盟国の利益となるよう、原油価格の乱高下を抑える」というものです。これは、OPECに加盟しない石油輸出国との競争を避けるなどの意味合いがあります。

そして3つ目の目的は、「原油の供給しすぎや不足に対処するため、供給量を調整する」というものです。このことにより、世界市場での原油価格の変動を抑える狙いがあります。

歴史

OPECは、どういった歴史を持っているのでしょうか。

OPEC設立の背景には、「国際石油資本(メジャーズ)」と呼ばれる欧米勢力の存在があります。メジャーズは、OPEC設立前の世界の石油資源や石油市場を独占していましたが、1959年と1960年の2度にわたり、勝手に中東の原油価格を引き下げるという事件を起こします。これに対し産油国であるイランやイラクなどは、メジャーズに対抗するため、1960年9月にOPECを起こしました。

OPECはその後、国際石油市場において徐々に存在感を強めていきます。そして1973年の第4次中東戦争勃発時には、停戦を優位に進める目的で原油価格を大幅に引き上げたことで、世界中に大きな影響を与えました(オイルショック)。その結果、OPECは世界の石油市場における地位を確立することとなりましたが、現在は価格決定権が市場メカニズムに移ったことなどにより、その相対的な影響力は低下しています。

現在の加盟国

ここまでは、経済用語としてのOPECの意味や目的などについて見て来ましたが、具体的にどのような国が加盟しているのでしょうか。
OPECの加盟国13ヵ国について紹介していきましょう。

イラク

イラク

イラクは、OPECの初期加盟国のうちの一国です。原油埋蔵量は、世界3位を誇っています。一時期はサウジアラビアに次ぐ世界2位の石油輸出国でしたが、イラン・イラク戦争などを経て生産量は減少しており、現在の輸出は、イラン・イラク戦争前の3/4にとどまっています。

イラン

イラン

イランもまた、OPECの初期加盟国にあたります。OPEC中2位の石油生産国で、石油埋蔵量は世界の10%を占めています。経済は石油に依存していますが、近年は収益を自動車産業や航空宇宙産業などに振り分けて投資しており、経済の多角化を進めています。

クウェート

クウェート

クウェートも、OPECの最初の加盟国の1つです。主要産業はやはり石油で、世界4位の埋蔵量を誇り、2016年の生産量は1日300万バレルを超えています。豊富なオイルマネーのおかげで、国民のほとんどが国家公務員または国営企業の社員となっています。

サウジアラビア

サウジアラビア

サウジアラビアもやはり、OPEC最初の加盟国の1つです。石油埋蔵量は世界2位と膨大で、世界中に原油の輸出を行っています。またOPECのリーダー的な存在として、原油生産量の決定などに大きな影響力を持つことでも知られています。

ベネズエラ

ベネズエラ

ベネズエラは南米の国家ですが、OPECには設立当時から加盟していました。推測される石油埋蔵量は3008億バレルで、世界最大と言われています。しかし、近年は急速に生産量が下がっており、また石油の他に主要産業がないことから、国内経済は著しく混乱しています。

リビア

リビア

リビアは北アフリカの国家で、OPECには1999年に加盟しました。アフリカ最大と言われる石油埋蔵量を誇り、輸出の大部分を石油に依存しています。豊富な石油資源を持つ上に人口が少ないことから、1人あたりGDPは12,000ドル超と、先進国レベルとなっています。

アラブ首長国連邦

アラブ首長国連邦

アラブ首長国連邦は、「UAE」の名前でも呼ばれる中東の国家です。1967年にOPECに加盟しました。原油埋蔵量は世界5位で、1人あたりの国民所得は世界でもトップクラスに位置します。石油と天然ガスの輸出がGDPの40%を占めますが、その最大の輸出先は、日本となっています。

アルジェリア

アルジェリア

アルジェリアは北アフリカの共和制国家で、1969年からOPECに加盟しています。原油資源に恵まれているほか、天然ガスや石炭も豊富となっています。経済の多くを石油・天然ガスの輸出に頼っていますが、膨大な対外債務と高い失業率など、経済状況は決して良くありません。

ナイジェリア

ナイジェリア

ナイジェリアは西アフリカに位置する国家で、OPEC加盟は1971年になります。石油生産量世界12位、輸出量は8位という屈指の産油国で、アフリカ経済の1/4を占める経済力を誇ります。ただ、国内の失業率は高く、国民の大多数は貧困状態に置かれています。

アンゴラ

アンゴラ

アンゴラはアフリカ南西部の共和制国家で、OPECには2007年に加わりました。長年にわたる内戦の影響もあり、国内経済はダメージを受けていますが、沿岸部には80億バレルという石油資源が眠っており、今後の成長が期待されています。

ガボン

ガボン

ガボンは中部アフリカの国家で、やはりOPEC加盟国の1つです。1975年に加盟し、1995年に一度離脱していますが、2016年に再加盟しました。石油産出国かつ人口が少ないという条件のために、アフリカ諸国の中で国民所得は高い部類に位置しています。

赤道ギニア

赤道ギニア

赤道ギニアは、アフリカギニア湾に浮かぶ複数の島などから成る国家で、OPECには2017年に加盟しました。経済は伝統的に農業を基盤としていましたが、1992年に油田が発見されて以降は、多くを石油を中心とした鉱業生産に依存するようになっています。1人あたりGDPはアフリカ諸国中最高で、先進国レベルとなっています。

コンゴ共和国

コンゴ共和国

コンゴ共和国は、中部アフリカに位置する共和制国家で、OPECには2018年に加盟しました。石油の生産はGDPの5割以上に上り、輸出額の61.2%を占めています。国土には天然ガスやカリ鉱石などの資源もあるものの、開発はあまり進んでいません。

主な非加盟国

上に挙げたようなOPECに加盟する13ヵ国以外にも、主要な産油国は存在します。そうした国々も、石油市場においては大きな影響力を持っています。以下の項目では、主なOPEC非加盟国について紹介していきましょう。

アメリカ合衆国

アメリカ合衆国

アメリカはOPECに加盟していませんが、以前から世界的な産油国として知られていました。しかし、その一方で消費量も大きいため、輸入量も莫大な量に上ります。ただ、近年はシェールオイルと呼ばれる石油の開発で世界一の産油国となったため、2019年には70年ぶりに純輸出国に転じています。

カナダ

カナダ

カナダもまた、OPEC非加盟国の1つです。カナダは世界でも屈指のエネルギー生産国で、原油埋蔵量は世界3位、原油生産量は世界4位(2018年)となっています。また、カナダ産の石油は、そのほとんどがアメリカへ輸出されることも特徴です。

ロシア

ロシア

ロシアもまた、世界的な石油産出国の1つで、1日あたりの原油生産量は、サウジアラビアに次ぐ3位(2018年)となっています。ロシアはOPEC非加盟国ですが、OPECプラスには加わっています。OPECプラスとは、OPEC加盟国に主要非加盟国を加えた20ヵ国を意味します。

中華人民共和国

中華人民共和国

中国もOPEC非加盟国ですが、石油生産は多く、2018年の原油生産量(1日あたり)のランキングでは、世界8位となっています。ただ、国内の石油消費量が膨大なために輸入量も多く、2018年現在では、アメリカをしのぐ世界一の石油輸入国となっています。