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ビジネスモデル

OEMの意味とは?OEMのメリット・デメリット11選

OEMの意味とは?OEMのメリット・デメリット

OEMとは

ビジネスシーンで頻繁に登場するOEM。現在は様々な商品がOEMにて生産されていることから社会人として知っておくべきビジネス用語の1つとなっています。

ここではOEMの意味に加えて、OEMのメリットとデメリットについても紹介していきます。

OEMの意味とは

OEMとは「他社のブランド製品の生産委託を受けて製品を生産すること」を意味するビジネス用語で、基本的にはA社が生産した製品をB社のブランドとしてB社が販売するのがOEMとなります。

スマートフォンや自動車、化粧品、食品など様々な分野でOEMによって製品が生産されています。例えば、B社、C社、D社がそれぞれ販売しているスマートフォンは価格やデザインなどに違いはあるものの、中身は全てOEMとしてA社に生産してもらったスマートフォンといったこともあります。

また、OEMは必ずしも完成品のみ限定されず、部品などをOEMで生産依頼する会社も多数存在してます。

OEMと言った言葉

元々OEMとはIBMによって作られた造語と言われており、Original Equipment Manufacturing(オリジナル・イクイップメント・マニュファクチャリング)の頭文字を取った略語です。

日本では下記で紹介する独自の使われ方をする場合があります。もちろん、明確に定義された言葉ではありませんので人によって解釈に違いがあることもありますが、一般的に使われている意味についてご紹介していきます。

OEMメーカー

OEMによって他社から生産の依頼を受けて製品や部品を生産する企業のことは一般的にOEMメーカーと言われています。
また、OEMメーカーのことを単にOEMと言うこともあります。そのため、広義に解釈するとOEMとは冒頭でも紹介した意味に加えて生産する会社自体を指す意味でも使われることもあります。

OEM生産・OEM供給

上記でも触れたようにOEMは生産する企業を含めて使用されることからOEMによって製品などが生産されることを「OEM生産」と言い、できた製品を提供することを「OEM供給」と言うことあります。
当然のことですが、OEM生産やOEM供給と言った場合にはOEMメーカー自身のことを指しません。

OEM販売

OEM販売とはOEMによって生産された製品を販売することを意味する言葉です。また、OEMによって生産された製品を販売する企業はOEM販売企業と言うこともあります。

OEM契約

OEM契約とはOEMによって生産を依頼する場合や供給された製品を販売する場合に交わす契約のことを意味します。

OEM商品・OEM製品

OEM商品とはOEMによって生産された商品のことを言います。

OEM版

OEM版とはOEM商品の一部で一般的にはパソコンに最初から入っているソフトウェアのことを意味します。言うなれば「OEM供給されたソフトウェア」のことです。

パソコンを購入した際に、OSと呼ばれるWindowsXPやWindows10と言ったソフトウェアが最初から入っています。また、仕事など使用されることが多いWordやExcel、PowerPointと言ったソフトウェアが入っていることもあります。しかし、これらのソフトはパソコンメーカーが生産しているソフトウェアではなくマイクロソフト社が生産しています。
そのためマイクロソフト社が生産したソフトウェアをOEM版としてパソコンメーカーに提供され、パソコンにインストールし本体とセットで販売されています。

OEM元・OEM先

OEM元とは生産の依頼を受けて製品や部品を生産する企業のことで、OEMメーカーと同じ意味の言葉です。また、その反対にOEM先とは生産委託をする企業のことです。

OEMのメリット

OEMには製品などを生産するOEMメーカーはもちろん、製品などを供給してもらう企業にも多くのメリットがあります。

OEMを依頼する企業側のメリット

小資本でも自社ブランドの商品を販売できる

独自のブランドを生産するとなれば生産するための工場を持つ必要があります。しかし、それには多額の費用がかかるため、立ち上げたばかりの会社や中小企業等には非常にハードルが高くなってしまいます。
しかし、外部の企業にOEM生産してもらうことで、工場を自社で持たなくとも自社ブランドの商品を生産し販売できると言ったメリットがあります。

コストを削減できる

工場を自社で持つとなれば、初期投資だけでなく多額のランニングコストもかかってきます。工場自体の維持費や設備などのメンテンス費用、人材費、さらには人材の採用や研修などにも費用がかかります。
OEMによって工場などを持たないと言ったことが可能になれば、そういった費用をかけずに製品を生産・販売することが可能となるといったメリットがあります。

需要に対して柔軟に生産量を調整できる

生産量を調整しやすいのもOEMのメリットです。
商品を生産し販売する場合には市場の需要に合わせて供給量を調整することでロスを減らすことができます。
しかし自社工場で商品を生産するとなると工場の生産量超えて生産することはできませんし、需要が減ったからと言って簡単に生産量を減らすこともできません。
一方、OEMであれば柔軟に生産量を調整できると言ったメリットがあります。

販売や開発に専念できる

OEMによって生産を外部に委託することができれば、生産にリソース(資金や人材など)を割く必要がなくなるため販売や開発に注力することができます。
また、余ったリソースをサポートに回せば、顧客満足の向上などにも繋げることが可能になるなどのメリットもあります。

異業種への新規参入も容易になる

家電メーカーのソニーが介護業界に、紳士服の青山が飲食業界に、と言ったように多くの企業が異業種へ参入していますが、異業種への参入は経営戦略の1つでもあります。
しかし、それまでと全く異なる業界への参入は例え大企業であっても容易なことではありません。特に製品を生産する場合にはノウハウに加えて技術が必要となるため単に設備などがあればいいと言うわけでもありません。

一方、OEMであれば、OEMメーカーが持つノウハウや技術を生かして生産をすることができるため、まったく脈略のない異業種への参入も容易になると言ったメリットがあります。

OEMメーカーのメリット

OEMはメーカー側にも多くのメリットがあります

他社の販売力やブランド力を生かして生産量アップさせることができる

自社で商品を生産し販売するとなれば、生産量は販売力に大きく影響を受けます。そのため販売力がなければ生産量を増やし売上や利益を拡大することは困難です。

一方、OEMであれば、他社が持つ販売力やブランド力を使い他社が販売を行ってくれるため生産量を拡大させることができると言ったメリットがあります。

生産コストを削減することができる

生産量が増えれば比例して工場の稼働率も向上しますので、製品の一つ一つの生産単価を下げることができます。製造単価が安くなることはOEMメーカーはもちろん、供給してもらう企業にもメリットとなります。

技術力や生産力のアップが期待できる

委託企業から依頼される際に、委託企業から製品を製造するにあたり技術や製造ノウハウ、生産管理などの必要な情報を支援してもらうことが多々あります。
そのため、製造と言った依頼を受けつつも自社にない技術などを蓄積していくことが可能となります。

また、OEMを依頼する企業が販売に専念できるのとは反対にOEMメーカーはOEMの依頼を受けることで生産に専念することができますので、生産に対する技術力のアップを期待できると言ったメリットが生まれます。

OEMのデメリット

様々なメリットがあるOEMですが、デメリットも存在しています。ここからはOEM生産を依頼する側のデメリットはもちろん、OEMメーカー側のデメリットについてもご紹介していきます。

OEMを依頼する企業側のデメリット

生産や開発に対する技術力が育たない

OEMを依頼する場合、生産を外部に委託するため自社の生産力が育たなくなると言ったデメリットがあります。
また、OEMメーカーの技術を元に生産を依頼した場合には開発力も育ちにくくなると言ったデメリットもあります。

OEMメーカーのデメリット

自社ブランドや販売力が育たない

OEMで製造受託がメインになってくると生産力のアップが期待できると言ったメリットがある反面、自社ブランドが育ちにくいと言ったデメリットがあります。それと同時に自社で商品を販売しなくなるため販売力が低下したり、育たないと言ったデメリットが発生しやすくなります。

生産量は委託企業が決定する

OEMメーカーが製造する製品はあくまでも委託者からの依頼に対して生産を行います。そのため、依頼される量が減れば当然生産量も減少します。さらに委託企業が商品の取扱を中止すれば、生産がストップしてしまうこともあります。

OEMの意味とは?OEMのメリット・デメリット

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