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「国立公園」「国定公園」「国営公園」「国民公園」の意味と違い

「国立公園」「国定公園」「国営公園」「国民公園」の意味と違い

「国立公園」「国定公園」「国営公園」「国民公園」の意味と違い

公園というと、街中にある比較的小さなものが真っ先に思い浮かびますが、世の中にはもっと規模の大きなものもたくさんあります。「国立公園」と呼ばれるものがその典型ですが、ほかにも「国定公園」や「国営公園」、「国民公園」といった公園が存在しています。これらは名前は何となく知っていても、その内容や違いなどについては、あまりよく知らないという人も多いでしょう。

そこで今回は、「国立公園」「国定公園」「国営公園」「国民公園」の意味や違いについて、詳しく解説していきたいと思います。

「国立公園」とは

国立公園

一般的な意味での「国立公園」とは、「国民の公園」もしくは「国の設定する公園」のことですが、日本においては、「国を代表するに足りる傑出した自然の風景地で、自然公園法に基づいて環境大臣が指定し、国が直接管理するもの」といった定義がされています。

世界初の「国立公園」は、1872年指定のアメリカ「イエローストーン国立公園」です。一方日本では、昭和9年に瀬戸内海、雲仙、霧島が指定されたのが最初になります。2021年現在、日本の「国立公園」は全部で34ヵ所あり、もっとも新しいのは、2017年指定の奄美群島となっています。

「国定公園」との違いは、管理する主体にあります。「国立公園」の場合は、国(環境省)が管理・保護している点が特徴です。

「国定公園」とは

国定公園

「国定公園」とは、「国立公園に準ずるものとして、環境庁長官が指定し、所在の都道府県が管理する公園」を意味します。昭和25年に琵琶湖、佐渡弥彦(現佐渡弥彦米山)、耶馬日田英彦山の3ヵ所が指定されたのが最初で、その後65ヵ所が指定されてきましたが、「国立公園」に昇格・編入されたものもあるため、2021年時点では全部で58ヵ所となっています。今のところ最も新しいのは、2021年3月30日指定の厚岸霧多布昆布森になります。

このように、「国定公園」と「国立公園」は、どちらも自然公園法に基づいて環境大臣が指定するという点で違いはありません。しかし、上でも述べたように、管理する主体は異なります。「国定公園」の場合は国ではなく、各都道府県によって管理・保護されるようになっています。一方、具体的な指定基準の違いはあいまいで、特に変化がないのに「国定公園」から「国立公園」に昇格・編入されることも珍しくありません。

「国営公園」とは

国営公園

「国営公園」とは、「都市公園法に基づいて国が設置する、都市計画施設としての公園または緑地」を意味しています。2021年現在で、全国に17ヵ所存在します。

「イ号国営公園」と「ロ号国営公園」の2つに大別されますが、前者は1つの都府県の区域を超えるような広域の見地から設置されるものを指し、後者は国家的な記念事業、もしくは優れた文化資産の保存・活用を図るために閣議の決定を経て設置されるものを指します。「イ号国営公園」には、北海道の滝野すずらん丘陵公園や、東京の東京臨海広域防災公園などが含まれ、「ロ号国営公園」には、埼玉の武蔵丘陵森林公園や、奈良の飛鳥・平城宮跡歴史公園などが含まれます。

このように「国営公園」は、「都市公園法に基づく都市計画施設としての公園または緑地」という点で、「国立公園」や「国定公園」とは大きく違います。管理を行うのも、環境省ではなく国土交通省です。

「国民公園」とは

国民公園

「国民公園」とは、「旧皇室苑地のうち、国が直接管理し、一般国民に開放されている公園」を意味します。昭和22年12月の閣議決定により設置されたもので、具体的には、皇居外苑(北の丸公園を含む)、新宿御苑、京都御苑がこれにあたります。これに千鳥ケ淵戦没者墓苑と戦後強制抑留及び引揚死没者慰霊碑苑地を合わせて、「国民公園等」と言います。維持・管理については、環境省自然環境局に置かれる国民公園管理事務所及び千鳥ケ淵戦没者墓苑管理事務所が行っています。

「国民公園」は、環境省が管理する公園という点で、「国営公園」とは明確に違います。一方「国立公園」や「国定公園」とは、自然公園ではなく営造物公園である点で区別されます。

「国立公園」「国定公園」「国営公園」「国民公園」の意味と違い

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