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コミュニケーション

上手な人・下手な人の叱り方10選

上手な人・下手な人の叱り方10選

上手な人・下手な人の叱り方

管理職やリーダーなどの立場になると、周囲とのコミュニケーションの取り方が一層難しくなります。とりわけ「叱る」という行為には、それまでにない難しさがつきまといますが、世の中には叱るのがひどく下手な人もいれば、上手に後腐れなく叱れる人というも一定数います。一体、この差はどこから来るのでしょうか。

本記事では、部下や後輩を叱るのに苦労しているという人のために、叱り方の「下手な人」と「上手な人」の具体的な違いについて、いろいろ解説していきたいと思います。

下手な人は怒りをあらわにし、上手な人は怒りを表に出さない

叱り方が下手な人は、怒りの感情をあらわにしてしまうことが多くなっています。たとえば大声で怒鳴る、罵るなどの行為ですが、これでは相手を萎縮させたり嫌悪感を抱かせるだけで、心からの反省を促すことはできません。

これに対し、叱り方が上手な人は、決して怒りに任せた言動は取らないようになっています。よく誤解されがちですが、「叱る」ことと単に「怒る」ことは全く違います。「叱る」とは、あくまで相手の将来を思いやり、成長を促すためにするものです。相手本位で考えるのが「叱る」ことですが、「怒りを出す」のは感情にながされているだけで、自分本位の行動でしかありません。

叱るのが上手い人は、この点をはっきりとわきまえているので、相手としてもいやな気持にはならないようになっています。

下手な人は過去を蒸し返し、上手な人は今回に限って話す

叱り方の下手な人は、過去の件を繰り返し持ちだしたり、同じことを何度も指摘することが多くなっています。叱っている最中に「この前の件もそうだけどさ」「この間もおなじこと言ったよね?」などと口から出てしまう人がいますが、これは良くありません。話の焦点がズレてしまいますし、相手としても「何でいまさら」と戸惑うだけです。

一方、叱り方の上手い人は、今回の件だけを取り上げて叱るようになっています。焦点を絞ったほうが相手に話が伝わりやすいということを、きちんと把握しているからです。また、過去ではなく、「これからどうすべきか」をしっかり諭すことも忘れません。将来に目を向けさせることで、相手も前向きな気持ちで反省することができます。

下手な人は始終ガミガミ言い、上手な人は普段は期待の言葉をかける

叱り方の下手な人は、「アメとムチ」の使い分けができていないことが多くなっています。具体的には、始終小言ばかり言うといったパターンですが、これはあまり効果的な方法とは言えません。顔を合わせれば怒られると思うと、相手としてもうんざりですし、やる気も失せていくでしょう。

一方、叱り方の上手な人は、これとは違います。むやみに怒ったりはしませんし、むしろ普段は期待の言葉を多く口にします。「これからもっと良くなる」「こういうところを伸ばせばなおいい」など、ポジティブな言葉をかけられることで、相手も発奮しやすくなります。仕事の場だけでなく、飲みの席などでもこうした言葉をかければ、より「本音感」が伝わって効果的です。

下手な人はダラダラ叱り、上手な人は集中して叱る

叱り方の下手な人には、「際限なくダラダラ叱る」という傾向も見られます。中には1時間以上平気でお説教をしている人もいますが、こうしたやり方はあまり意味がありません。相手の集中力には限界がありますし、話している方でも、途中で論点がずれることが多いからです。結局、何を怒られたのかピンと来ないということになりがちです。

これに対し、叱り方の上手な人は、時間を区切って叱ることを心がけます。人の集中力の持続時間は、15分が限界と言われていますが、このことを経験で知っているからです。ですから、要点だけを適確に指摘し、無関係な話は決してしません。そもそもビジネスでは、時間も大事なコストですから、無駄にしないよう意識することが重要になります。

下手な人は配慮せず叱り、上手な人は場所とタイミングを気遣う

「相手に対する配慮がない」というのも、叱り方の下手な人に見られる特徴の1つです。こうした人は大抵、叱られる側の気持ちなどはまったく考えていません。そのため、ささいなことでも平気で大勢の人の前で説教したり、大声で間違いを指摘するといったことをします。しかし、こんなことをされれば相手のプライドは傷つきますし、話自体耳に入らないでしょう。最悪、余計な恨みを買ってしまうことになります。

一方、叱り方の上手い人は、適切な場所やタイミングをしっかり見きわめてから叱ります。人前であからさまに怒ったりはせず、ワンクッション置いて目立たない場所で本人にのみ伝える配慮がありますし、その場で注意せざるを得ない状況でも、必要最低限の指導を心がけます。

下手な人は理由を言わずに怒り、上手な人はきちんと理由を告げる

叱り方の下手な人には、「はっきりした理由を言わずに怒ってしまう」という傾向も見られます。「ダメじゃないか」「何を考えてるんだ」といったことばかり言うというケースですが、これでは怒っていることは伝わっても、なぜ怒られているかはまるで分かりません。特に現代の若い世代は、論理的な整合性がないと納得しにくい性質がありますから、こうした叱り方は無意味でしょう。むしろ、仕事で同じ失敗を繰り返す可能性の方が高くなります。

これに対し、叱り方の上手な人は、「注意すべき理由」をしっかり告げるのが通常です。「なぜそうしてはいけないのか」「どういう行動を取るべきなのか」を明確に説明するので、相手としても叱られるのに納得がいきやすいという特徴があります。

下手な人は一方的に怒り、上手な人は事情を聞く

叱り方が下手な人は、ただ一方的に怒ることが多くなっています。主導権は叱る側にあるので、つい頭ごなしにまくしたてるだけになりがちですが、これでは事は解決しません。なぜならば、ミスや失敗の陰には、何か事情があることが多いからです。何回も同様の事態が続く場合は、特にそうです。例えば遅刻が連続しているようであれば、その裏にはメンタルの問題があったり、介護などの事情があるかもしれません。

叱るのが上手な人は、この点をしっかり把握しています。ですので、決して頭ごなしに怒って終わりということはなく、必ず事情を聞くようになっています。こうした事情は、相手側からは言い出しにくいものなので、叱る側がフォローすることが大切になります。

下手な人はキャラクターに触れ、上手な人はミスや行動だけを指摘する

叱り方の下手な人は、「相手のキャラクターを攻撃する」というミスも犯しがちです。この場合のキャラクターとは、性格や人格のことですが、たとえば「そんなだらしのない性格だからミスするんだ」とか、「いつもボーっとしているから大事なことに気付かないんだ」といった叱り方を指します。こうした発言は、相手にとっては自分を全否定されたのも同じで、ショックや反発を感じさせるだけです。

一方、叱り方の上手な人は、ミスや誤った行動のみを指摘するようになっています。決して相手の性格や、人格の部分にまで踏み込むことはありません。ですから、叱られる側もいたずらに傷ついたり落ちこんだりすることがなく、指摘されたことを納得して受け入れやすくなります。

下手な人は誰に対してもお構いなしで、上手な人は関係や立場を考えて叱る

叱り方の下手な人は、相手の立場などをまったく考えないという特徴も見られます。仕事において叱られる側になるのは、年下や同性、勤務歴の短い者ばかりとは限りません。異性の新入社員を叱ることもあれば、自分より年上で勤務歴も長い人を叱る場合もあるでしょう。これらの人々に対し、ひとくくりに同じように叱っていては、あまり効果はありません。それどころか、人によっては関係をこじらせてしまう結果にもなってしまいます。

これに対し、叱り方が上手な人は、常に相手の立場や自分との関係を念頭に置いて叱ることを心がけています。年上なら十分敬意を持って、新入社員なら、混乱しないよう具体性のある指示を出すといった具合です。その一方で、話し方については、誰に対しても敬語を通します。その方が、ビジネスとしてのけじめがはっきりするからです。

下手な人は信頼関係の有無を気にせず、上手な人は信頼関係のある者のみ叱る

叱り方の下手な人は、相手との信頼関係を気にしないことが多くなっています。たとえば入社間もない社員に対して、古い部下と同じ調子で叱ってしまうといった具合ですが、これも良くありません。なぜならば、こうした社員とはまだ十分な信頼関係が築けていないので、自分としてはそこまで強い調子のつもりはなくても、相手にすれば「理不尽にひどく怒られた」と捉えがちだからです。

これに対し、叱るのが上手な人は、きちんと信頼関係が築けている者のみを叱るようになっています。しっかりした信頼関係があることで、少々強めに注意したとしても、感情任せで怒られているのではないと相手も理解することができます。信頼関係の築き方も、自然なコミュニケーションを少しずつ積み重ねるといったやり方ですから、なおさら相手も反発を感じにくくなります。

上手な人・下手な人の叱り方10選

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