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産休の基本15選(条件や期間、給与、退職など)

条件や期間、給与、退職など産休の基本

産休の基本

出産のために休暇を取得することができる産休。産休と言った言葉を知らない方はいないと思いますが、産休がどういったものなのか把握している方は少ないと思います。

ここでは産休を取得する条件や給与は会社から支払われるのか、いつからいつまで取得できるのか、さらには退職を勧められた場合には辞めなければならないのか、と言ったような産休の基本について紹介していきます。

産休とは

産休とは産前産後休業の略称のことで、冒頭でも記載したように妊娠した働く女性が出産のために取得できる休暇制度のことです。働く女性が安全に安心して出産できるように労働基準法で定められています。

詳しくは後述しますが、産前産後休業と言った名前の通り、産休は出産する前と出産した後の両方に取得することができます。

産休を取得できる期間

産休を取得できる期間

産休には「出産前の産休:産前休業」と「出産後の産休:産後休業」の2種類があり、産前休業は6週間、産後休業は8週間、計14週間取得することが可能です。
また、多胎妊娠と呼ばれる双子や三つ子などの姙娠の場合には産前休業が14週間前から取得することが可能です。

ただし、出産する前の産前休業は本人が希望した場合に限り、必ずしも休む必要はありませんので「もっと仕事をしていたい」「お給料をしっかりともらいたい」などの理由があり会社に伝えれば出産のギリギリまで仕事を続けることが可能です。

反対に会社から「産前休業を遅くして欲しい」と言った期間の短縮や「取得しないで欲しい」と言った産前休業の取得放棄の強要をすることはできません。あくまでも本人の希望で働きたい場合のみ産前休業を取得せずに働くことが可能となります。

一方、産後休業は本人の希望はもちろん、会社が希望した場合も含め働くことが禁止されているため必ず取得しなければなりません。
ただし、8週間の内の6週間が過ぎ、妊娠した本人希望と医師の診断があれば、産後休業の残りの2週間を取得せずに仕事に戻ることが可能となります。

産休を取得できない会社はない・会社は産休を拒否できない

産休を取得できない会社はない・会社は産休を拒否できない

上記の内容は労働基準法第65条に記載されており、社員は産休を取得する権利があります。
また、社員から産休を希望された場合には「人手が不足するから」や「業務が滞るから」といった理由を含めいかなる理由があっても拒否することはできません。

さらに交通費や住宅手当と言った会社が独自に作る福利厚生とは違い産休が存在しない会社はありません。そのため例え社員が1人しかいない場合でもその女性が産休を希望した場合には会社は産休を与える義務が存在し、社員には受けられる権利があります。

正社員だけでなく契約社員やアルバイトも取得できる

正社員だけでなく契約社員やアルバイトも取得できる

産休は正社員だけしか取得できないと思っている方も多いと思いますが、雇用形態に関係なく取得することができます。
そのため契約社員やアルバイトと言った雇用形態の女性でも取得することが可能となります。

ただし、育休は男性でも取得できますが、産休は女性のみに限定されているため男性は産休を取得することができません。

産休中の給与が出ないかわりに産休手当を受け取ることができる

産休中の給与が出ないかわりに産休手当を受け取ることができる

産休中の女性社員に対して会社は給与を支払う義務がありません。
そのため会社は産休中の社員に給与を支払ってもいいですし、支払わなくても問題ありません。一般的に給与を支給しない会社の方が多い傾向にあります。

給与が支給されないかわりに産休手当が健康保険から支給されます。

無給になるかわりにもらえる産休手当

上記でも触れたように産休中は一般的に給与が支給されなくなるかわりに産休手当が支給されます。また産休手当は会社からではなく健康保険から支給されます。

産休手当は実際に支給されている給与ではなく、実際に支給されている給与をもとに計算された標準報酬日額の2/3が支給されます。

標準報酬日額の計算は残業や手当など様々な要素が絡み複雑になるためここでは詳しく説明しませんが、おおよその目安となる早見表は下記の通りです。

産休手当早見表

仮に標準報酬日額を6,667円(標準報酬月額を280,000円~300,000円と想定)として、産前休業6週間と産後休業の8週間を全て産休として取得した場合、「98日(計14週)×6,667円」で「約653,366円」となります。

ただし、会社から給与が支給されている場合には給与分が差し引かれて支給されます。
また、会社から支給される給与には所得税など税金がかかるため税金額を差し引いた残りが支給されますが、出産手当は非課税のため税金が差し引かれることはありません。

さらに産休手当以外にも出産に関する制度を利用することで給付を受け取ることができます。

出産育児一時金

出産育児一時金

出産育児一時金とは出産する子供1人につき42万円が支給される制度です。そのため双子であれば84万円、三つ子であれば126万円が支給されます。
また、会社勤めの方であれば健康保険から支給され、専業主婦やアルバイトでご主人の扶養となっている場合には国民健康保険から支給されます。
さらに健康保険によっては42万円に上乗せされていることもあるためそれ以上の出産育児一時金を受け取れる可能性もあります。

※出産する医療機関が「産科医療保障制度」に加入していな場合には出産育児一時金は40.4万円に減額されます。
※妊娠22週目未満で出産した場合にも40.4万円に減額されます。

産休手当の申請と給付のタイミング

産休手当は出産前の42日から出産後の56日の範囲内で会社を休んだ期間が対象となります。そのため申請も産後8週間(56日)が経過した後に申請することができます。

基本的に申請は会社側で行ってくれる場合が多く見られ、出産し8週間が過ぎると自動的に行なってくれます。
ただし、必ずしも会社が行ってくれるとは限りませんし、8週間が過ぎてすぐに手続きしてくれるとも限りませんので必ず確認するようにしましょう。
手続きが完了するとおおよそ3ヶ月前後(2ヶ月~4ヶ月)で入金されます。

また、健康保険法第193条により産休にも時効が存在し2年を過ぎると請求することができなくなりますので注意が必要です。

社会保険料の支払いが免除される

社会保険料の支払いが免除される

産休中は年金保険料や健康保険料と言った社会保険料の支払いが免除されます。
もちろん支払いが免除と言った扱いですので、その分の年金も支払ったことになるため将来受け取る年金が減額されたり、病気や怪我で病院を利用した際に負担料が増えると言ったこともありません。

免除は自動的にされる訳ではなく申請してはじめて免除されます。そのため「産前産後休業取得者申出書」を提出する必要がありますが、こちらも基本的には会社が行ってくれます。

また、失業した際などに給付を受けられる雇用保険や所得がある人であれば必ず引かれる所得税も会社から給与が支払われなくなるため支払う必要がなくなります。

住民税の支払いは免除されない

出産によって産休や産休手当、出産育児一時金、さらには社会保険料の免除と様々なメリットを受け取ることができますが、住民税の支払いは免除されません。

住民税は前年の所得に対して課税され翌年である今年に支払いを行います。会社に勤めている女性であれば毎月の給与から天引きされていますので給与明細をご確認いただくことでいくら引かれているかを把握することができます。
しかし、産休によってはほとんどの方が会社から給与が支払われなくなるため、天引きできなくなります。
そのため場合によっては直接家に支払い通知書が届くこともあります。

ただし、産休に入る前、または産休後の給与から産休中の住民税を含めて天引きしてくれるのが一般的です。

出勤してしまうと効力を失う

産休中に仕事の都合上出勤しなければならないこともあるかと思いますが、この場合、社会保険料の支払いが免除されなくなる可能性がありますので注意が必要です。

出産予定日を過ぎると産休の期間が長くなる

すでにお気づきの方もいると思いますが、出産予定日より遅れて出産した場合には産前休業が延長されます。そのため通常は6週間ですが、1日遅れれば、産前休業は6週間プラス1日となります。また、その期間含め手当も支給されますし、社会保険料の免除も遅れた分だけ延長されます。

国民健康保険加入者は産休手当を受け取れない

会社に勤めている方であれば基本的には社会保険に加入していますので産休手当を受け取ることができます。
しかし国民健康保険には産休手当がないうえに社会保険料の免除制度もありません。
そのため社会保険ではなく国民健康保険に加入している個人事業主などの方は産休手当が給付されません。

産休取得を理由に解雇(クビ)にはできない

近年は妊婦に対する嫌がらせはハラスメントの一種としてマタハラ(マタニティハラスメント)と呼ばれ問題になっていますが、妊娠したことや産休を取得することを理由に解雇(クビ)を行う経営者も決して多くはないものの存在しています。しかし労働基準法ではそういった妊娠を理由に社員を解雇することはできませんし違法行為となります。

妊婦健康診断を受ける権利がある

妊婦健康診断を受ける権利がある

妊娠すると定期的に妊婦健康診断を受ける必要が出てきます。また、会社は妊婦健康診断を受けられるように妊婦である社員のために時間を確保する義務が生じます。

経過日数に応じて会社が確保しなければならない妊婦健康診断は下記の通りです。

・妊娠23週まで……4週間に1回
・妊娠24週から35週まで……2週間に1回
・妊娠36週から出産まで……1週間に1回

ただし、上記の妊婦健康診断の日程を確保する義務がありますが、欠勤扱いとなるか半休扱いとなるかは会社の就業規則によって異なります。
また、その分の給与が支給されるかどうかも会社によって異なります。

妊娠中の残業を制限できる

妊娠によって体に負担がかかるようになると残業時間の制限を設けるよう会社にお願いできるようになります。
また、出社時間の調整行ってもらうことや軽易業務などへ担当業務を変更するなどの請求を行うことができます。
特に妊婦健康診断などで医師から指導を受けた場合には会社は医師の指導に従って適切に対処する義務が発生します。
例えば上記以外にも「適度に休憩が必要」と指示されればお昼の休憩以外にも適度に休憩をとらせる義務があります。