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漁獲量が減少している魚6選

漁獲量が減少している魚6選

漁獲量が減少している魚6選

日本人にとって魚介類は、最も身近な食材の1つであるだけでなく、畜産などの分野でも欠かせない資源となっています。毎年膨大な数の魚が消費されていますが、近年はさまざまな要因により、多くの種類で漁獲量を減らしている現状が見られます。ニュースなどでも話題になることが多い漁獲量の減少ですが、具体的にどのような魚が当てはまるのでしょうか。

本記事では、昔に比べて漁獲量が減っている代表的な魚をいくつか紹介していきたいと思います。

サンマ

サンマ

漁獲量が劇的に減少している魚に、サンマがあります。

サンマ漁業者の業界団体である「全国さんま棒受網漁業協同組合」の発表では、2022年の日本におけるサンマの水揚げ量は、1万7910トンとのことでした。これは記録が残る1961年以降で最も低い数字であり、2008年の34万3225トンという豊漁の数字と比べると、たった5%ほどにまで落ち込んでいます。

かつては水揚げ全国1位の地位を誇った千葉県の兆子漁港では、1950年以降ではじめてゼロを記録しました。この不漁により、サンマの卸売価格の平均も、2006年は1kgあたり70円だったのが、2021年では627円にまで跳ね上がる結果となっています。

スルメイカ

スルメイカ

スルメイカ(真イカ)は日本人にとって最もなじみのあるイカの1つですが、近年は漁獲量が目に見えて減少する傾向にあります。

スルメイカの漁獲量は、2013年には17万トンありましたが、2018年には5万トンを下回るまでに落ち込んでいます。わずか5年で、1/3ほどにまで減ってしまった計算です。2022年もこうした傾向は続いており、同年9月の全国主要漁港水揚量(速報値)は2563トンと、前年同月比18%減という結果となりました。

不漁の原因はさだかではありませんが、一説には「日本近海の水温が低い状態が続き、環境がイカの生育に適さなくなってきている」ためと言われています。

サケ

サケ

サケの漁獲量は、2014年ごろから急速に減少する傾向にあります。

サケの漁獲量のピークは2002年で、この年は23万1480トンを記録しました。その後は徐々に減り続けますが、2015年までは年間10万トンを維持できていました。しかし、2016年には8万2000トン強と、大台を割ってしまいます。2022年の漁獲量は5万1000トンで、最盛期に比べると、22%程度という水準にまで落ち込んでいます。

この背景にあるのは、川で産卵するサケの比率の減少という事態です。年々川で自然産卵するサケの個体数は減っており、それが漁獲高の減少につながっていると考えられます。

うなぎ

うなぎ

近年ようやく生態の一部が解明された二ホンウナギですが、漁獲量に関しては減少の一途をたどっています。

日本におけるウナギの漁獲量は、第二次大戦により落ち込みを経験しますが、1960年代に一時戦前レベルの3000トン台にまで回復します。しかし、その後は減少傾向に歯止めがかからず、2018年には過去最低の68トンを記録しました。

戦後はウナギの養殖技術が進んだことで、養殖ウナギの比率が高まっていますが、稚魚となるシラスウナギの漁獲量はやはり減少し続けています。シラスウナギが減っている主な原因は、「乱獲」「海流の変化」「人工物による環境変化」であると言われています。

スケトウダラ

スケトウダラ

タラ科タラ目に属するスケトウダラは、卵巣はたらこや明太子などの、身は魚肉ソーセージなどの原料として利用されます。こちらもまた、近年漁獲量が減少している魚の一種です。

スケトウダラの漁獲量は、1980年代には年間40万~70万トンほどで推移していました。しかし、90年代に入ると30万トン前後にまで落ち込みます。さらに2000年代には20万トン前後と、減少傾向には歯止めがかからず、2019年には15.6万トンを記録するまでに至りました。全盛期の数字と比較すると、8割ほど減少した計算になります。

マイワシ

マイワシ

食用や畜産飼料など幅広い分野で利用されるマイワシも、日本周辺海域での漁獲量が昔に比べ減少している魚の一種です。

マイワシは1960年代に漁獲量が戦後最低となりますが、その後増加に転じ、1988年には1340万トンとピークを迎えます。しかし、80年代後半からは一気に激減し、1995年には100万トンを割り込みました。さらに2001年になると、1万トンを下回るまで落ち込んでいます。

ただ、その後はやや持ち直している傾向が見られます。2009年~2011年および2014年~2017年に特に顕著な増加傾向が見られ、2018年の資源量は、およそ36万トンと推計されています。

漁獲量が減少している魚6選

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