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マナー

接待のマナーとコツ18選

接待のマナーとコツ18選

接待のマナーとコツ

ビジネスでは、顧客や取引先との関係が重要になりますが、これを円滑に保つ上でよく使われるのが、「接待」と呼ばれる手法です。接待にもいくつかの種類がある中で、特に多いのが会食形式のものですが、これにはホスト側の入念な準備や気づかいが欠かせません。
しかし、接待の経験が浅い人にとっては、どうすればうまくおもてなしできるのか分からない部分も多いでしょう。

本記事では、接待を成功させるコツやマナーについていろいろと解説していきますので、ぜひ参考にしてみてください。

適宜役割分担する

適宜役割分担する

接待など会食の場でありがちなのが、幹事役が1人で仕事を抱え込んでしまうということです。しかしこれだと、あれこれ考えているうちに段取りを誤って失礼を働き、ゲストの機嫌を損ねるといった危険も高くなります。

こうしたことのないよう、チームとしての役割を複数人で分担しておくのが、接待のコツになります。例えば、飲み物や食べもののオーダー係、手土産の準備係、会計係といった具合です。こうすることで準備も遺漏なく行うことができ、場をスムーズにコントロールしやすくなります。

お店のスタッフを引き込む

お店のスタッフを引き込む

接待においては、お店のスタッフを味方につけることが基本のコツとなります。

まずは、事前に接待での利用であることをお店側に伝えておきましょう。その上で、上座・下座の位置やおすすめの料理、お酒などについて相談します。こうしてお店側とのコミュニケーションを密に取っておくことで、メニューの部分変更やNG食材などの頼み事にも柔軟に対応してもらいやすくなります。
また、料理について説明してもらい、それを会話の糸口として使うことも可能です。反対に、横柄な態度であれこれ注文をつけるなどは、くれぐれも慎みましょう。

トイレの場所は事前にチェック

トイレの場所は事前にチェック

続いて紹介する接待のコツは、「トイレの場所を事前にチェックしておく」ということです。

食事中トイレに立ちたくなることは、誰でもあることです。お酒が入るとなおさらですが、話のタイミングによっては立ちにくい場合もあります。やっと中座できても、トイレの場所がわかりづらく、焦ってしまうことは珍しくありません。事前にトイレの場所を確認しておくことは、自分が迷わないためだけでなく、ゲストをスムーズに誘導するためという部分が大きくなっています。男女でトイレの位置が違うなどの場合もあるので、スタッフにきちんと確認しておきましょう。

身だしなみに気を付ける

身だしなみに気を付ける

当然ではありますが、接待では身だしなみも重要なポイントとなります。特に高級なお店だと、ドレスコードがある場合が多いので、服装には十分な注意が必要です。

まず、基本は男女ともにスーツ(ダーク系)で、シャツは清潔感が出るよう、白を選ぶのがおすすめです。女性はジャケットのボタンをすべてとめておき、スカートの場合は膝下の丈にしましょう。また、「ゲストより高級なものを身につけない」こともマナーで、アクセサリーは小振りで控え目なものを選ぶのが無難です。

匂いに注意

匂いに注意

見落としがちな部分ですが、「強い匂いをふりまかない」ということも、接待のマナーに入ります。特に日本料理やお寿司などの場合、繊細な味付けの料理がメインとなるため、きつい「匂い」は、せっかくの料理の味を壊しかねません。ですので、香水はもちろんのこと、香り付きの制汗スプレーなどの使用も避けましょう。また、最近では強い香りが付いた柔軟剤も多く出回っているので、その点も要注意です。

ふだん使い慣れた匂いは自分で気付きにくいので、事前に家族などにチェックしてもらうのが無難でしょう。

上座・下座

上座・下座

接待の際のマナーとして、「上座・下座に気を付ける」ということもポイントになります。

日本社会では「序列」が重んじられますが、複数の人間が集まる場合、それぞれの座る(立つ)位置にもその序列が反映されます。この際、目上の人間が収まる場所が「上座」と呼ばれ、目下の人間が収まる場所が「下座」と呼ばれます。「上座」には、そのスペースで最も安全で居心地の良い場所が割り振られます。接待の場であれば、もちろんゲストを上座に案内するのが常識です。

上座の位置

上座の位置

上記のような図が入ります。

接待の際は、上記のようにゲストが上座、接待する側が下座に座るのが基本マナーです。上座は原則として、入口から最も遠い方の席で、和室の場合は床の間の前が一番の席次になります。円卓の場合も同様に、入口から最も遠い席が上座にあたります。
しかし、お店によってはどこが上座か分かりにくい場合もあります。その場合は、事前にお店の人に尋ねておきましょう。
また、席次通りに案内できないこともありますが、この場合は無理に座りなおしたりせず、お店の人に給仕の順番を変えてもらうよう伝えるのが良いでしょう。

着席のタイミングも要注意

着席のタイミングも要注意

座る位置だけでなく、タイミングについても気を付けなくてはなりません。

「お客様を優先する」というのは、ビジネスの基本です。たとえば営業で得意先を訪れた際、通常は応接室などに案内され「こちらで少々お待ちください」などと言われますが、そこですぐに座ってしまうのはNGとなっています。座るのは、お客様の入室を待ってからでないといけません。接待も同様で、ゲストがまず先に座ったのを確認して、それから接待する側が着席するように心がけましょう。

上着を脱ぐタイミングにも注意

上着を脱ぐタイミングにも注意

上では座るタイミングについて述べましたが、これは上着を脱ぐ場合にも当てはまります。

会食などの人が集まる場では、室内の温度が上がって上着を脱ぎたくなることがありますが、勝手なタイミングで脱いでしまうのは、ビジネスマナー上よくありません。職場によっては、飲み会の席でも目下の者は勝手に上着を脱いではいけないというところもあります。まして接待の場であれば、礼を失しないよう、ゲストが上着を脱ぐのを待ってから脱ぐのが無難でしょう。

会話の内容

会話の内容

会話については、接待で最も気を使う部分かもしれません。メインとなる話の内容は、接待の目的など場合によって変わりますが、まずは雑談から入るのが、スムーズに会話を進めるためのコツになります。

雑談で最も取り上げやすい話題と言えば、やはり天気でしょう。また最近注目を集めているニュースも、会話の糸口になります。ほかにも、料理や相手の趣味・嗜好についてなど、使える話題は豊富にあります。さらに、事前に調べたゲストの会社の近況や、SNSの内容などについて話を振ると、相手にとっても悪い気分はしないはずです。

油分の多い料理には注意

油分の多い料理には注意

続いて紹介するのは、食事の面のマナーです。こうした場でメインとなるのは、ほとんどの場合肉か魚料理ですが、それが揚げ物など油分の多いものだと気を付けなくてはなりません。こうした料理は、程度の差はあれ、手や箸が汚れやすくなっています。ですので、ゲストが料理を食べ終わったら、店員さんにおしぼりと箸を追加で頼むようにしましょう。

また、糖分の多い日本酒を飲む際にも気遣いが必要となります。とっくりなどがべとつきやすいので、おしぼりを追加で頼んでおくと、手元をきれいに保てて便利です。

お冷とお茶のタイミングに気を付ける

お冷とお茶のタイミングに気を付ける

接待が進み、ゲストの食事のペースが落ちる頃合いになったら、すぐに人数分のお茶を注文しておくのもコツです。これは食事だけでなく、会話にも区切りをつけて、場の空気を整える意味合いがあります。

また、日本酒などの度数の高い飲み物を飲む際は、お冷を一緒に持ってきてもらうようにしましょう。日本酒の世界では、お酒の合間に飲む水のことを「和らぎ水」と呼びますが、これには深酔いを防ぐ効果があります。お酒の場での気づかいとしては、とても合理的なものです。

ゲストのグラスに注意

ゲストのグラスに注意

接待が進むにつれ、最初の緊張もほぐれて会話もスムーズに運び出します。しかし、話にばかり気を取られているのはNGです。ゲストのグラスには常に注意を払い、空いたままだったり残りが少なくなっていれば、すぐにドリンクメニューを渡す気づかいが求められます。

ゲストとしても、自分から飲み物を注文するのは気が引けるケースが多いので、そこはお店のスタッフにおすすめを紹介してもらうなどして、注文しやすい雰囲気を作るよう心がけましょう。ただ、あくまで無理強いにならない範囲でというのが基本のマナーです。

食事マナー

食事マナー

準備や周辺のことばかりに気を取られて、食事の仕方がおろそかになるのは危険です。接待では、食事のマナーについても十分な注意が必要になります。

箸の上げ下ろしやお椀の持ち方、料理の取り方などは、相手の目にもしっかり映っています。きちんとしたビジネスマンほど、食事のマナーにはこだわるものですから、これらに問題があると、心理的に見下されることにもつながります。こまかい作法は料理のジャンルによっても異なるので、きちんと対応できるよう、普段から一通りは学んでおきましょう。

帰り方を聞いておく

帰り方を聞いておく

接待の後半では、ゲストに帰り方についてそれとなく尋ねておきましょう。タクシーを利用する場合は、お店側にタクシーの手配を頼むことができます。

その場合は、早めにお店側に伝えておくのが大事です。またタクシー代やタクシーチケットは封筒に入れて、乗車時に渡すのがマナーとなっています。もしも事前にタクシーを使うことが分かっていれば、お店側に台数や指定のタクシー会社(あれば)について連絡し、チケットも最初に渡しておくと、段取りがスムーズに運びます。

手土産は帰り際に渡す

手土産は帰り際に渡す

接待においては、ゲストに手土産を渡すことも多くなっていますが、これは帰り際にさりげなく手渡すのがマナーです。会食前に渡されるのは、相手にとって荷物となってしまうので、あまりスマートではありません。ですので、接待が終わり、ゲストを見送る段になって手渡すのが、最も良いタイミングです。

品物については、お店で販売しているものを準備してもらうか、こちらで用意したものを接待が終わるまでお店側に預けておきましょう。できれば、相手の好みや家族の状況などを調べてから購入するのがベストです。

会計は見えないところで

会計は見えないところで

接待の終わりの段になって、後は会計という時には、ゲストに見えないところで済ませるのが基本のマナーです。ゲストはもてなされる側とはいえ、目の前でお金を払ってもらうのは、やはり気詰まりなものだからです。

ですから、お店からの伝票が届く前に、トイレに立つ振りをして支払いをしておきましょう。テーブル会計のお店の場合でも、事前にお願いして見えないところで支払えるようにしておくのがおすすめです。その際はなるべくカードを使った方が、スマートに会計を済ませることができます。

見送りまで気を抜かない

見送りまで気を抜かない

最後に見送りの際のマナーですが、ここで気を抜くのは厳禁です。高級店の場合はお見送りの対応もしっかりしている分、任せっきりになりがちですが、接待する側としてもいろいろ気を配らなくてはなりません。

座敷の席の場合は、帰る前に靴をきちんと並べておきましょう。ゲストの履いていた靴はしっかり覚えておき、一番履きやすい場所に並べるのが基本です。また、部屋を出る際は忘れもののチェックも怠らず、ゲストに続いて退室・退店するのがマナーとなっています。

接待のマナーとコツ18選

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