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韓国の十大財閥とは?十大財閥一覧

韓国の十大財閥とは?十大財閥一覧

最近の日韓関係の悪化に伴い、韓国への注目度は急上昇しています。政治状況が逐次報道されるだけではなく、経済の動向についても詳しいニュースが伝えられるようになりました。韓国経済の動きは、日韓関係にも大きな影響を及ぼすと見られています。その韓国経済において、重要な役割を果たしているのが「財閥」です。特に「十大財閥」と呼ばれる企業群は、韓国経済の行方を大きく左右する存在として語られることが多くなっています。

このような韓国の財閥については、日本でもたびたび話題になるものの、その実態などについてはよくわからないという人も多いでしょう。そこでここでは、韓国における十大財閥について、その歴史や個々のグループの概容などを解説していきたいと思います。

韓国の財閥

韓国で「財閥」と呼ばれる企業が形成されはじめたのは、第二次世界大戦後です。植民地支配から解放され、日本人の遺留資産が民間に払い下げられるなどした結果、一部の企業が台頭する素地を作りました。
1960年代に入ると、当時の朴正熙(パク・チョンヒ)大統領は、日本からの支援などを元に社会インフラ整備などを進めると同時に、政権に近い財閥を優遇する政策を打ち出していきます。財閥はこれにより、他の中小企業などを吸収し力をつけると共に、政権との癒着を深めていきました。
結果として韓国は、「漢江の奇跡」と呼ばれた成長を達成し、さらに現在へと続く財閥依存型の経済を形作ることになります。

その後、韓国は90年代に通貨危機を経験しますが、生き残った財閥は企業体質を強化し、グローバル市場への積極的展開を志向するようになります。その結果、サムスンなどが世界的ブランドの仲間入りを果たすこととなりました。

このように、現在はグローバル企業として韓国経済を牽引している財閥ですが、わずかな数の財閥が国の経済を左右することへの懸念も少なくありません。事実、十大財閥の売上だけで韓国のGDP(国内総生産)の半数近くを占めるとも言われています。また、財閥系企業への入社をめぐる過当競争や政権との癒着、創業者一族によるパワハラなどの問題を指摘する声も強くなっています。

韓国の十大財閥一覧

前述のように、現在の韓国経済は、「十大財閥」と呼ばれるグループが牽引しています。その中で代表的なのは、世界的企業として知られる「サムスン」や「ヒュンダイ」などですが、そのほかにもさまざまな財閥が存在します。しかし実際には、日本ではそれほど名前を知られていないものも少なくありません。ですが、そのような財閥について知っておくことも、韓国経済を理解する上では重要になります。

そこでここからは、「十大財閥」の個々の概容について見ていきたいと思います。

三星財閥(サムスングループ)

韓国の十大財閥、まず1つ目に紹介するのは、「三星財閥(サムスングループ)」です。「サムスン」は韓国を代表する財閥として、国内だけでなく世界的にもその名を知られています。特に「サムスン電子」は、スマートフォン、薄型テレビ、NAND型フラッシュメモリなどのシェアにおいて世界1位を誇るなど、韓国が誇る世界的企業の筆頭となっています。

「サムスン」の創立は、1938年にさかのぼります。早稲田大学を中退した李秉喆(イ・ビョンチョル)が、大邱で始めた「三星商会」を皮切りに、時代ごとに需要の大きい製糖や繊維、電子といった事業を展開し、成長を遂げていきました。現在では、GDPの18%を占めるほど韓国経済に強い影響を与える存在となっています。

現代自動車(ヒュンダイ)

韓国の十大財閥、2つ目にご紹介するのは、「現代自動車(ヒュンダイ)」です。「ヒュンダイ」もまた、世界的に名を知られたグループの1つとなっています。

「ヒュンダイ」の創業者である鄭周永(チョン・ジュヨン)は、1946年にソウルで自動車修理業の「現代自動車工業社」を創立します。その後67年に「現代自動車」を設立すると、72年には造船業に進出、「現代重工業」を設立しました。さらに83年には「現代電子産業」を作るなど事業を拡大していきますが、97年の経済危機などを経て、グループは分裂・再編の道を辿ることとなります。現在の「現代自動車」は、2000年にグループから分離して誕生しました。現在ヒュンダイ-起亜自動車グループの販売台数は、アジアの自動車メーカーとしては、トヨタに次ぐ規模を誇っています。

LGグループ

続いてご紹介する韓国の財閥は、「LGグループ」です。中核である「LG電子」は、「サムスン」と並ぶ有数の家電メーカーとなっています。

「LG」の創業は1958年で、当時は「ラッキー金星グループ」という名称でした。1995年に現在の「LGグループ」と名称を改め、同時に「LG電子」も「GoldStar」から改名されます。さらに2008年6月からは、韓国や中国、台湾以外の社名を「LGエレクトロニクス」へと改めています。グループとしては、電機事業のほかにも化学、通信サービスや自動車部品などの分野へ積極的に進出していきました。

また「LGグループ」は、政界との癒着が問題となりがちな韓国経済界にあって、常に政治と一定の距離を取ることでも知られています。

SKグループ

韓国の十大財閥、4つ目は「SKグループ」です。「SK」は、石油精製業や通信事業を柱とするグループで、「サムスン」「ヒュンダイ」「LG」とともに、「4大財閥」の一角をなしています。

「SKグループ」のルーツは、日本統治時代にまでさかのぼります。当時日本と合弁で作られた「鮮京織物株式会社」は、戦後に工場設備の払い下げを受け、1956年に法人化しました。当初は紡績・繊維業に主軸を置いていましたが、その後石油精製業に進出し、94年には国営の「韓国移動通信」の払い下げを受けています。同社は「SKテレコム」に改称したのち、現在では韓国の携帯電話業界最大手にまで成長を遂げました。さらに2012年には、半導体製造会社「ハイニックス」を買収し、「SKハイニックス」を立ち上げています。

ロッテグループ

次に紹介する韓国の財閥は、「ロッテグループ」です。「ロッテ」は、在日韓国人の重光武雄が設立したグループになります。

重光武雄は日本名で、本名は辛格浩(シン・キョクホまたはキョッコ)です。1948年に日本で「株式会社ロッテ」を設立した重光は、ガムの販売などで同社を成長させていきます。その後日韓の国交が回復されると、66年に韓国に進出し、「ロッテ製菓」を設立しました。韓国における「ロッテグループ」は、ソウル特別市にある「ロッテ百貨店」「ロッテホテル」そしてテーマパークの「ロッテワールド」を中核としたサービス業が主軸で、ほかにもさまざまな事業を展開しています。

「ロッテグループ」全体の売上は、9割を韓国でのものが占めますが、グループの頂点である「ロッテホールディングス」は、日本法人となっています。

韓進グループ

6つ目にご紹介する韓国の財閥は、「韓進グループ」です。「韓進」は、持株会社の下に航空会社の「大韓航空」や、陸運会社の「韓進交通」などを擁し、物流中心の事業を展開しています。

「韓進グループ」は、1945年に趙重勲(チョン・ジュンフン)が仁川で「韓進商事」を立ち上げたことで始まりました。米軍とのパイプを利用して、66年にはベトナムで戦う陸・海・空の米軍に対し、物資輸送を行う契約を得ます。これによって、「韓進」は急成長を遂げていきました。その後も国営の「大韓航空公社」を傘下に収めたり、「韓国造船公社」を買収するなど、順調に事業を拡大していきます。

このような成長の一方で、現在では創業者一族による横暴な行為(ナッツ・リターン事件など)が話題となることも多くなっています。また2016年には、中核企業の1つであった「韓進海運」が破たん・消滅するといった事態も起きています。

斗山グループ

韓国十大財閥の7つ目は、「斗山グループ」です。「斗山」の日本での読み方は、「とさん」になります。

「斗山」のはじまりは古く、1896年にソウルで、繊維貿易商の朴承稷(パク・スンジク)が商店を開いたことにさかのぼります。当初は繊維品の貿易や販売が主軸でしたが、その後化粧品の製造や、焼酎の醸造にも手を広げていきました。戦後はビールの製造を手掛けるようになり、さらに60年代に入ると、建築や機械、食品などさまざまな分野へ進出していきます。

アジア通貨危機以降は、「韓国重工業」や「高麗産業開発」を買収するなどし、重工業・建築関連の拡充を図るようになりました。その一方で、かつてグループの中核を担っていた酒類事業は、2009年にロッテへ売却されています。

コーロングループ

8つ目の韓国財閥は、「コーロングループ」です。「コーロングループ」は、産業素材、化学、フィルム/電子材料、ファッションの4大部門を柱とする財閥になります。

グループの前身となったのは、1954年に李源万、李源千兄弟によって設立された繊維貿易商「開明商事」です。「開明商事」は、その後57年に「韓国ナイロン」へと改称されます。「韓国ナイロン」は、日本から輸入したナイロン糸の布地加工から、やがてナイロン原糸の製造、さらにポリエステルなど化学繊維全般へと進出していきました。そうした利益を元に事業を拡大し、現在では子会社30社を擁する財閥へ成長しています。なお、「コーロン」の名は、「韓国(Korea)」の「Ko」、「ナイロン(Nylon)」の「lon」から取られています。

ハンファグループ

韓国十大財閥、9つ目に紹介するのは、「ハンファグループ」です。「ハンファ」は、「株式会社ハンファ」を中心とする財閥になります。

グループは、1952年に設立された「韓国火薬株式会社」を母体としています。「ハンファ」の名は、「韓国火薬」の「韓」と「火」を、韓国語の発音で表したものです。60年代に入ると、「ハンファ」は国の経済政策に乗って事業拡大を図るようになります。65年には、現在の「ハンファケミカルおよびハンファ先端素材」を設立し、石油化学産業へ進出しました。その後も事業の多角化を進め、金融サービスなどの分野で大きな存在感を発揮していきます。またエネルギー分野においても、ソーラーパネルの販売を世界中で進めるなど、現在も積極的に事業を展開しています。

錦湖アシアナグループ

韓国の十大財閥、最後にご紹介するのは、「錦湖アシアナグループ」です。「錦湖」は、「クムホ」と読みます。

「錦湖」は、1946年に設立された「光州タクシー」が母体になります。その後、朝鮮戦争が終結してからは、バス事業など旅客運送業全般へ進出していきました。60年に「クムホタイヤ」を設立し、88年には民主化に伴い、「アシアナ航空」を設立しています。その一方で、2006年に買収した「大宇建設」の売却交渉決裂に伴い、2009年には事業再生法を申請して経営破たんを経験しています。2010年から経営再建が図られましたが、2019年には資金繰りの悪化に伴い、「アシアナ航空」「エアプサン」「エアソウル」の売却を発表しています。