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「押し上げる」「引き上げる」の意味と違い

「押し上げる」「引き上げる」の意味と違い

「押し上げる」「引き上げる」の意味と違い

「押し上げる」と「引き上げる」の2語は、どちらも経済関連のニュースで聞く機会の多いものです。「株価を押し上げる」「公定歩合を引き上げる」といった具合ですが、両方とも「水準が上がる」といった意味を持つことから、使い分けに迷うケースが多くなっています。一体この2つの言葉は、どのような点で区別できるのでしょうか。

今回は、「押し上げる」と「引き上げる」の意味や違いについて解説していきますので、両者を使い分ける際の参考にしてみてください。

「押し上げる」

押し上げる

「押し上げる(おしあげる)」とは、「下から押して上へあげる」という意味の言葉です。「ボートを岸へ押し上げる」のように使われます。また、「勢いがついて、物事の水準や度合を高める」の意味もあり、この場合は「思惑買いが株価を一気に押し上げた」のように使われます。さらに「高い地位につかせる」の意味もあり、こちらは「人望がA氏を会長に押し上げた」のような使い方がされます。

「引き上げる」と意味は似ていますが、細かなニュアンスには違いがあります。「押し上げる」という表現は、「物事の自然な勢いによって高い状態になる」というニュアンスがあり、人為的に何かを高める際にはあまり使われない点が特徴です。これに対し「引き上げる」は、後述するように、人為的なニュアンスの強い表現となっています。

「引き上げる」

引き上げる

「引き上げる」とは、「引っ張って上方へあげる」という意味の言葉です。「錨を引き上げる」のように使われます。また、「値段や水準などを高くする」という意味もあり、この場合は「利子を引き上げる」のように使われます。このほかに、「登用する」「差し向けた人や物などを自分のところに戻す」「その場所を去ってもとの所へもどる」などの意味もあり、それぞれ「B氏を幹部に引き上げる」「資金を引き上げる」「現場から引き上げる」のような使い方をします。

「引き上げる」と「押し上げる」は、どちらも数字などが高まる際に使われますが、上記のようにニュアンスには微妙な違いがあります。「押し上げる」が「状況の勢いによって高まる」というニュアンスを持つのに対し、「引き上げる」は「人為的な操作で高める」のニュアンスが強い点が特徴です。ですので、料金などの人為的に動かせるものについては「引き上げる」が、株価などの人為的な操作が難しいものについては、「押し上げる」の表現が適していると言えます。

「押し上げる」「引き上げる」の意味と違い

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