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まとめ

地球温暖化の影響17選

地球温暖化の影響

地球温暖化の影響

環境問題に対し本格的に警鐘が鳴らされるようになったのは、19世紀からです。産業革命によって街に工場が立ち並び、そこから排出される大量の汚染物質は、多くの公害や病気を引き起こしました。それ以降も世界各地で環境問題が多発しますが、現在もっとも深刻な問題とされているのが、「地球温暖化」です。
これは、CO2などの温室効果ガスが大気中に放出されることにより、地球全体の気温を上昇させるという現象ですが、それにより各方面にさまざまな影響を与えるとされています。近年激しくなっている台風などの被害も、その1つと見られていますが、そのほかにはどのような影響が考えられるのでしょうか。

ここでは、ますます注目度を増している地球温暖化の影響について、考えられる例を挙げて説明していきたいと思います。

海面上昇

海面上昇

地球温暖化による影響として、まず1つには「海面上昇」が挙げられます。
これは、文字通り海水面の高さが年々上昇するという現象です。この現象の直接の原因は、海面温度の上昇による膨張と、氷河の融解とされています。そして、それらを引き起こしているのは地球温暖化であるというのが通説です。

1901年から2010年までの約100年間で、海面は19cmほど上昇しており、このままいけば21世紀中に最大で82cm上昇すると言われています。
近年フィジー諸島共和国やツバル、マーシャル諸島共和国といった海抜の低い国々では、高潮による被害が拡大し、満潮で海水が住宅などに入り込むなどの事態も起きています。
また、井戸や田畑に海水が入り込むことで、飲み水が塩水になったり、作物が育たないなどの影響も見られます。

水不足

水不足

地球温暖化により、水不足の深刻化という事態も予想されています。
温暖化は、地球全体の気候に影響をもたらします。前述のように海面温度が上昇し、水蒸気の蒸発量が増加することで、世界的な降水量の増加がもたらされます。

しかし、気候システムは非常に複雑であり、すべての地域で降水量がふえるわけではありません。熱帯や高緯度では増えますが、亜熱帯では減ると見られています。また、強い雨の頻度が増える一方で弱い雨の頻度が減少し、それによって干ばつの日数が増えていきます。
その結果水不足が起こり、多くの人が生活のための水を得にくくなります。

2000年時点では、世界の約33%の人が水不足地域に住んでいますが、4℃温暖化することでそれが47~50%になると言われています。

洪水や高波などの水災害が増える

洪水や高波などの水災害が増える

地球温暖化の影響で懸念されるのが、洪水や高波などの水災害の増加です。

温暖化によって氷河の融解が進むことは前述の通りですが、それはヒマラヤなどの山岳地帯でも同様です。温暖化で急激に溶け出した氷河は、氷河湖の拡大や決壊をもたらし、大洪水を引き起こすと言われています。
洪水は高速で水、泥、岩を押し流し、沿岸地域に多大な被害を与えることになります。
実際にヒマラヤ周辺では、ここ数十年の間であちこちに氷河湖が出現する現象が起きており、洪水のリスクが高まっています。

また、上記のように強い雨が降る機会が増えることで、嵐や大雨による被害の危険も高まります。特に人口密度の高い都市部においては、極端な降水や内水洪水、沿岸洪水などのリスクが高まるとされています。

種の絶滅

種の絶滅

地球温暖化は、生物にも大きな影響を与え、地球に住む生命のうち、多くの種が絶滅したり、生態系が変化すると予測されています。

IUCN(国際自然保護連合)が2017年に発表した「レッドリスト(絶滅のおそれのある種のリスト)」によると、地球温暖化を主な原因として絶滅の危機に瀕している野生生物は、ホッキョクグマなどを含め1,750種以上にのぼるとのことです。
これは、温暖化で急激に気候や環境が変化し、多くの種がそれに対応できないことによります。

また、こうした影響を受けるのは動物だけではありません。気温や降水量が変化すれば、当然植物も影響を受けます。生育地域を変化させたり、絶滅する種も出る恐れがあります。

海洋生物の絶滅

海洋生物の絶滅

地球温暖化による影響を受けるのは、陸地の動物ばかりではありません。海に住む生物も同様です。温暖化は、気温と同時に海水温も上昇させますが、海の多くの生物は、その温度変化に大きな影響を受けます。
特に影響が大きいのがサンゴで、水温の変化に弱いことから、地域的に死滅する可能性が高いとされています。

また、増加した空気中の二酸化炭素が海に吸収されることで、海水の酸性化が進んでいきますが、これは植物プランクトンなどの海洋生態系の基盤を担う生物に、大きな打撃を与えると見られています。
これによって、さらに多くの海洋生物の成長などに影響が広がり、海洋全体の生態系を大きく狂わすことが予想されています。

森林火災

森林火災

地球温暖化の影響でもう1つ深刻化しているのが、森林火災の被害です。

森林火災自体は、太古の昔から起こっていました。枯れ葉同士の摩擦や落雷などによって自然に火が起こるもので、そうした火災が、返って森林の活性化を促していた面もあります。
しかし、温暖化によって大気の乾燥が進行している現在では、事情はすっかり変化しています。森林火災の発生件数が増えただけでなく、火災自体が長期化するようになりました。
そのために、回復できる限度を超えて被害が拡大してしまい、森林が失われる地域が増える恐れが高まっています。

また、森林火災が増えることで植物中の二酸化炭素の放出が進み、これによって温暖化がますます進行するという悪循環も懸念されています。

陸地の浸水・海没

陸地の浸水・海没

地球温暖化による影響は、湿地帯などの陸地にも及びます。海面の水位が上昇することによって沿岸部地域への浸水が増えますが、それにより沿岸部に広がる湿原や干潟において、塩分濃度の上昇や水没などの被害が広がると見られています。

その結果世界各地の湿地環境が失われると考えられていますが、実際に1970~2015年の約半世紀で、世界の湿地の約35%が消失したという報告があります。

湿地環境の消失は、健全な淡水資源の枯渇を招き、農業や工業に深刻な打撃を与えるおそれもあります。また、海面上昇は陸地への浸水をもたらし、ひいては海抜の低い土地の消失も引き起こします。

前述のように、フィジーやツバルといった国々では、国土が海没してしまうおそれが年々高まっています。

農業への影響

農業への影響

地球温暖化による影響で懸念されるのは、自然環境の変化だけではありません。人間の暮らしにも、重要な変化をもたらすおそれがあります。その1つが、農業への影響です。

気温や降雨量が変化することにより、農作物の生育環境も大きく変わってきます。それによって、今まで作られていた農作物に異常が発生したり、または成育できなくなるなどのおそれが高まります。実際に、気温の変化などが原因とみられる農作物の被害が、近年日本の各地で数多く報告されるようになっています。

こうした農業への被害は、特に経済力の弱い開発途上国において大きな影響を持つと見られ、穀物の生産量の減少に加えて人口の増加によって、飢餓の危険が高まると言われています。

漁業への影響

漁業への影響

地球温暖化の影響は農業に限らず、漁業にも及びます。
温暖化が海面温度の上昇をもたらすことは、すでに述べましたが、実際に日本近海の海面温度も、この100年で平均1.08度ほど上昇しています。世界全体の海面温度の平均上昇率が+0.51/100年ですから、この数字はかなり高いことが分かります。

こうした水温の変化は、前述のように海洋生物の生態にも大きな影響を及ぼし、魚の分布が変化するなどの現象が起きています。
例えばサワラは温暖な海を好み、従来は九州や瀬戸内海でよく獲れていましたが、現在はより北の海域での漁獲が増えています。また、海面上昇による汽水域の移動により、ノリやカキ、アサリといった沿岸養殖にも少なくない影響が出ています。

地下水位の上昇

地下水位の上昇

海や陸上だけでなく、地球温暖化の影響は地下にも及びます。

東京などの沿岸部に近い都市部の、海岸に近い地域においては、海面上昇に伴って地下水の水位も上昇します。これによって、地下水に対する地下鉄など地下に埋設された空洞部分の浮力が増加し、地下道が破壊されるなどの被害が出るおそれが高まります。
また、地下水の漏出による地下鉄工事への影響や、トンネル壁面の剥離といった既存の地下施設への影響も強まっています。
さらに、海面上昇は地下水への海水の侵入と、地下水の塩水化を招くおそれもあります。地下水に海水が混じると、工業用水としての利用ができなくなるため、淡水化事業やダム水利権といった、多くの問題が発生することになります。

病気の蔓延・伝染病の増加

病気の蔓延・伝染病の増加

地球温暖化の影響でもっとも懸念されることの1つが、病気の蔓延や伝染病の増加です。

前述のように、温暖化によって洪水や干ばつの頻度が高まりますが、それに伴い、食料の生産性が低下することが予想されます。その結果、経済基盤が整っていない地域では、栄養状態の悪化から病気の蔓延の確率が高まります。特にこの危険が高いとされるのが、アフリカ地域です。

また、気候変動が病原菌を媒介する生物の分布に影響を与え、伝染病が増加することも懸念されています。例えば蚊はマラリアやデング熱を媒介しますが、温暖化によって湿った場所や暖かい地域が拡大すれば、蚊の分布がさらに広がるという予測も出ています。蚊に限らず、同じく病気を媒介するげっ歯類や昆虫類などの繁殖も増える可能性があり、病気の蔓延・伝染病の増加へと繋がっていきます。

食糧不足

食糧不足

食料不足もまた、地球温暖化で懸念される問題の1つです。

これまで見てきたように、農作物や漁業は気候の変化に大きな影響を受けます。温暖化による降雨量の変化や干ばつの増加に伴い、食料生産は少なくないダメージを受けると見られていますし、海水温の変化が魚介類の生態や分布に影響を与え、漁獲量が減ることも懸念されています。

現在でも世界中で飢餓に苦しむ人がいる中で、温暖化による食糧問題が進めば、こうした人たちはさらに危機的な状況に陥ります。
もちろん、日本も例外ではありません。地球の平均気温が2.5℃上がった場合、食糧の供給が需要に追い付かなくなり、価格が高騰すると言われています。食料自給率の低い日本としては、深刻な問題と言えます。

異常気象

異常気象

地球温暖化による影響では、異常気象の多発も懸念されています。

近年、大型台風や巨大ハリケーンの発生がニュースでよく聞かれるようになりました。2019年には、日本でも令和元年には台風15号や19号が各地に大きな被害をもたらし、ハリケーン「ドリアン」はバハマに壊滅的な被害を与えています。また、集中豪雨や記録的な猛暑、寒波による被害も、世界中で毎年のように発生しています。

こうした数々の現象もまた、地球温暖化が関係しているとの説がありますが、これについては異論もあります。気候のメカニズムは複雑なため、個々の極端な気象現象のすべてに温暖化が影響しているかどうかは、見極めづらいのが実情です。
ただ、温暖化が進めば異常気象の頻度が高まるという意見は多く、今後も予断を許さない状況が続きます。

気候変動

気候変動

地球温暖化の影響でもっとも大きいものが、気候変動です。
現在世界の平均気温は長期的な上昇傾向にあり、1891年から100年あたり0.68℃の割合で上昇しています。特にここ50年の長期傾向にいたっては、過去100年のほぼ2倍となっています。
日本の平均気温も同様に上がっており、100あたり1.15℃の上昇となっています。この気温上昇は、今後20年間でさらに10年あたり約0.2℃の割合で上昇することが予測されています。

こうした気温上昇の影響により、海面の上昇や沿岸地域への被害などが増えることは、前述した通りです。また、降雨パターンが変わることで内陸部では乾燥化が進む一方、熱帯地域においては台風やサイクロン、ハリケーンといった熱帯性低気圧が多発し、洪水などの被害をもたらすことが予想されています。

砂漠化・干ばつ

砂漠化・干ばつ

地球温暖化による環境への影響でもう1つ懸念されるのが、砂漠化です。

砂漠化が進む要因には、さまざまなものがあります。1つは材木利用のための森林伐採や、農地利用のための開拓といった人間の生活による作用で、もう1つは塩分を含む地下水の上昇により、植物が死滅してしまう塩害によるものです。そしてもう1つ大きな要因が、地球温暖化による自然環境の変化と言われています。

温暖化が降水量を変化させることはすでに述べましたが、このせいで雨が降らない地域が増え、乾燥した大地が砂漠化してしまうわけです。
1977年の報告では、世界各地で約6万平方キロメートルにも及ぶ土地が、毎年砂漠化しているとしています。これはほぼ九州と四国を合わせた面積で、現在もその増加の割合は変わっていません。

経済格差

経済格差

地球温暖化がもたらすのは、気候の変化ばかりではありません。人間の生活にも大きな影響を与えます。これまで述べて来たように、温暖化による気候変動は多くの地域に打撃を与えますが、その多くは経済基盤の整っていない開発途上国です。
実際に、ハリケーンや洪水の被害は、多くの途上国に及んでいます。

もちろん、日本などの先進国も同様に温暖化の影響を受けますが、こうした国々は経済力によってその影響を極力とどめることができますし、環境対策によって技術革新を進めることも期待できます。
それに対し、もっとも被害を受けやすい開発途上国は、気候変動に対処する余力を持ちません。その結果、ますます経済はダメージを受け、先進国との格差が開いていくことが予想されています。

降水量の変化

降水量の変化

これまで何度か述べてきたように、地球温暖化は世界の降水量に大きな影響を及ばします。
IPCC(気候変動に関する政府間パネル)の第5次評価報告書によると、日本やアメリカなどが位置する北半球の中緯度地域の降水量は、「1951年まで増えている可能性がある」という程度の変化でした。

しかし、それ以降の降水量は、確実に増加していると考えられています。また、2081~2100年の平均降水量は、高緯度地域と太平洋赤道地域では増加し、中緯度地域や亜熱帯の乾燥地帯では減少すると見られており、地域によって降水量の差が激しくなることが予想されています。これにより、豪雨による洪水などの被害が増えると同時に、日照りによる水不足の問題も深刻化することが懸念されています。