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まとめ

浸透していない・しなかった名称10選

浸透していない・しなかった名称10選

浸透していない・しなかった名称

私たちの身の回りにある大抵のものには、名前が付けられており、日常的な呼び方が決まっているのが通常です。しかし、中にはいろいろな事情から、それらとは違う新しい名称が付けられるケースもよくあります。とは言え、そうした新名称がすべて思惑通りに使われるかというと、そうとは限りません。せっかく付けたものの、一般には浸透しないままというケースも多くなっています。

本記事では、そうしたいまだに浸透していない、あるいは浸透しなかったさまざまな名称について、いくつか紹介していきたいと思います。

東武アーバンパークライン

「東武アーバンパークライン」というのは、東武鉄道野田線に付けられた愛称です。都心へ向かう路線への乗換駅がいくつかあるのに加え、自然豊かな公園も多いエリアを走る路線であることから、「アーバン(都市)パーク(公園)」の名が付けられました。

しかし、2014年にイメージアップを狙って付けられたこの名称は、現在でもあまり浸透しておらず、一般ではいまだに「野田線」と呼ぶ人が多くなっています。ただ、20代の若い世代では少しずつ浸透しつつあるとの見方もあります。

バスケットボールストリート(バスケ通り)

「バスケットボールストリート(バスケ通り)」は、渋谷センター街のメインストリートに付けられた名称です。2011年の9月、スポーツ振興と青少年の健全育成を基本理念として、「センター街」からこの名前に変更されました。「バスケットボール」の名が付けられているのは、「センター街が、日本のバスケの聖地である国立代々木競技場第二体育館に通じる道だから」という理由によります。

ただ、実際には「バスケットボールストリート」や「バスケ通り」という呼び名は、一般にはほとんど浸透しておらず、現在も「センター街」と呼ばれることの方が多いのが実情です。

リレーション

リレーション

「リレーション」とは、2人制と3人制のゲートボールに対して付けられた名称です。もともとゲートボールは、1チーム5人同士で対戦するゲームですが、フットサルやビーチバレーのようなスタイルで楽しんでもらえるようにと、2人制と3人制の試合形式に限って「リレーション」の名称を採用しました。

「ゲートボール=老人のスポーツ」というイメージを払拭して、若者世代にも普及したいとの狙いによる改称ですが、実際のところいまだ定着するには至っていません。

母さん助けて詐欺

偽の電話などで相手をだまし、お金を引き出させるという詐欺は、当初「オレオレ詐欺」と呼ばれていました。手口が多様化したことで、2004年12月に「振り込め詐欺」に変更されますが、これも実態に合わなくなったとの理由で、2013年の5月、公募で選ばれた「母さん助けて詐欺」が新名称となります。

ただ、こちらも「実態には合わない部分がある」「本来の詐欺行為の定義を狭める」との批判が出たこともあり、結局あまり浸透していません。現在警察では、「特殊詐欺」などの名称を主に使用しています。

珍走団

「珍走団」は、「暴走族」に代わる名称として新しく付けられたものです。最初に使われたのは、2001年ごろのラジオの深夜番組で、同様のお題で募集した中から選ばれました。これがネットを通じて一部で話題となった結果、2017年には福岡県警により、暴走族絶滅ポスターの文句に採用されています。

「珍走」と言い換えることで、カッコ悪さを全面に押し出して暴走行為を恥ずかしいものにしようという狙いですが、残念ながら一般に定着することはありませんでした。

ジョージア

ジョージア

2015年の4月、それまで「グルジア」とされていた国名を、「ジョージア」と改める法律が日本で成立しました。「グルジア」の表記はロシア語由来のものですが、同国は2008年にロシアと武力衝突して以後、この呼称を使う国に対して、英語読みの「ジョージア」へ変更するよう再三要求を続けていました。この要請に対し、日本政府は慎重に検討を重ねた結果、2015年になって正式に改称を決定したというわけです。

ただ、改称からまだそれほど日が経っていないこともあり、「ジョージア」の呼称は、現在のところあまり一般には浸透していません。

アンパーサンド

アンパーサンド

「&」の記号はあちこちで頻繁に見かけますが、一般には「アンド」と読まれるようになっています。しかし、この記号の正式な名称は、「アンパーサンド(ampersand)」というものです。これは「それ自体で“and”の意味」を指す「and per se and」という語から来た呼び名になります。

ただ、この正式名称は一般には浸透しておらず、前述のように「アンド」と読まれるのが通常です。ちなみに「&」の記号の形は、ラテン語で「and」と同じ意味を表す「et」という単語を混ぜ合わせて作られています。

ディスペンパック・パキッテ

ホットドッグなどを食べる際、真ん中から割ることで、マスタードやケチャップといった複数の調味料を同時にかけられる容器を使う機会も多いでしょう。ほとんどの人がこの容器に名前があることを知らないと思いますが、「パキッテ」というのがその正式名称になります。以前は「ディスペンパック」と呼ばれていましたが、2019年の9月からこの名称に改められました。

家庭用の需要が広がったことを受けた変更で、親しみやすさを打ち出したとのことですが、いまのところ一般に浸透しているとは言えない状態です。

レイブル

レイブル

「レイブル」は、「レイトブルーマー」の略語で、「ニート」の言い換え表現になります。「late bloomer」すなわち「遅咲き」「大器晩成」の意味で、就労意欲はあるが今のところ職には就いていない人を指す言葉として、大阪府が2011年から使用し始めました。ネガティブなイメージの強い「ニート」では、採用担当者が二の足を踏みやすい状況への対策とのことです。

若者を応援する意味が込められた名称ですが、こちらも残念ながら、一般に浸透するには至っていません。

アーティスティックスイミング

アーティスティックスイミング

「アーティスティックスイミング」は、「シンクロナイズドスイミング」から変更された競技名称になります。この変更は、2017年の7月22日、ブダペストで開かれた国際水泳連盟(FINA)の総会で決定されました。変更の理由は、「“同調”を意味するシンクロナイズド(synchronized)より、アーティスティック(artistic)の方が芸術性を求める競技内容にふさわしいから」というものだそうです。

しかし、日本では「シンクロ」という呼び名がすでに一般に浸透していたので、新しい名称にはまだ耳慣れないという人も多いのが実情です。

浸透していない・しなかった名称10選

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