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まとめ

長寿の祝いの意味と由来とは?長寿祝いの種類15選

長寿の祝いの意味と由来とは?長寿祝いの種類15選

今や日本は、世界でもトップクラスの長寿国です。80歳や90歳の方も珍しくありませんが、それでもたくさん年齢を重ねることがおめでたいのは、昔から変わりません。そうした気分を反映したイベントに、「長寿の祝い」と呼ばれるものがあります。「還暦祝い」が代表的ですが、他にも節目節目でさまざまなお祝いが行われます。しかし、具体的にどういったものがあるかについては、あまりよく知らないという方も多いでしょう。

本記事では、そうした方のために、「長寿の祝い」の意味や由来、具体的な種類について紹介していきたいと思います。

長寿の祝いとは?由来とは?

「長寿の祝い」とは、「長寿を祝福し、周囲の者がそれにあやかるための儀礼」を意味する言葉です。「算賀(さんが)」や「賀(が)の祝い」、「賀寿(がじゅ)」などとも呼ばれます。

発祥は、中国の古い風習にあります。40歳以降10年ごとにお祝いをする習慣が、奈良時代に伝わったというのが由来です。日本では、聖武天皇の40歳のお祝いに行ったものが最初と言われています。

庶民の間で行われるようになったのは江戸時代からで、その後は現在に至るまで、一般的な風習として根付いています。かつては正月にお祝いしていましたが、現在では誕生日か、または敬老の日に行うケースが多くなっています。

長寿祝いの種類

上記のように、「長寿の祝い」はもともと40歳以降10年ごとに行われるものでしたが、現在では61歳から決まった年齢ごとにお祝いするのが通常です。ここからは、「長寿のお祝い」の種類について、個別に紹介していきましょう。

主な祝い

還暦(かんれき:61歳)

長寿の祝いの種類、1つ目は「還暦」です。こちらは61歳のお祝いになります。「還暦」の名称は、「生まれた年の干支に還る」の意味でつけられたものです。

もともと長寿の祝いは数え年に基づくものでしたが、現在は満年齢で祝うのが通常です。ただ、還暦の場合は数え年の61歳(満年齢60歳)で祝うケースが多くなっています。

よく知られるように、「赤」がお祝いの色で、これには魔除けや「赤ちゃんに還る」の意味があるとされます。赤色のちゃんちゃんこを贈るのが一般的ですが、現在は赤い花や、旅行をプレゼントするケースも増えています。

古希(こき:70歳)

続いての長寿の祝いの種類は、「古希」です。こちらは70歳の時に行われます。

名称の由来は、中国唐代の詩人・杜甫の「人生七十古来稀なり(70歳まで生きる者は昔から少ない)」という詩の一節にあります。現代においては、還暦以上に本格的な長寿の祝いとみなされる傾向があります。

古希におけるお祝いの色は、「紫」となっています。これは、聖徳太子の定めた冠位十二階制度において、紫がもっとも高貴な色とされたことに拠っています。贈り物については、特にこれといった決まりなどはありません。

喜寿(きじゅ:77歳)

77歳の時に行われる長寿の祝いは、「喜寿」と呼ばれます。この名称は、「喜」という字の草書体が「㐂」と書かれ、これが「七十七」と読めることに由来しています。

前述のように、「長寿の祝い」は中国発祥の風習を基礎としますが、「喜寿」に関しては、室町時代の終盤から行われるようになった、日本独自のお祝いになります。

喜寿のテーマカラーは、古希同様「紫」とされます。こちらも日程や贈り物に特段の決まりはないので、好きなタイミングでそれぞれのプレゼントを贈ってOKです。

傘寿(さんじゅ:80歳)

長寿の祝い、4つ目に挙げるのは、「傘寿」です。80歳の時のお祝いで、「八十寿(やそじゅ)」とも呼ばれます。「傘」の字が付けられているのは、その俗字(仐)が「八」と「十」を重ねたように見えるためです。

傘寿のお祝いの色には、「紫」とする説と、「黄色」とする説の2つがあります。一般的には黄色でお祝いすることが多くなっていますが、どちらを選ぶかは、本人の好みなどによって決めて構いません。

贈り物の決まりもありませんが、名称にちなんで傘を贈るケースが多くなっています。

米寿(べいじゅ:88歳)

「米寿」は、88歳の時の長寿の祝いになります。

名前の由来は、「米」の字を分解すると、「八十八」と並べられることにあります。末広がりの「八」の字は、日本では昔から縁起の良い数字とされており、それが2つ重なる米寿は大変おめでたいとして、盛大にお祝いするケースが多くなっています。

テーマカラーとしては、「黄色」や「金色(金茶色)」を使うのが一般的です。これは、「米」の字から黄金に輝く稲穂がイメージされることによります。金色のちゃんちゃんこなどを贈ることが多くなっていますが、黄色い小物や花のプレゼントもよくされています。

卒寿(そつじゅ:90歳)

「卒寿」は、90歳の時に行う長寿の祝いです。この名称は、「卒」の字の略字である「卆」が、「九十」と読めることに由来しています。

卒寿の色は、「紫」かあるいは「白」のどちらかから選ぶことができます。前述のように、紫には「高貴」というイメージがあることから、一般的には紫のちゃんちゃんこなどを贈るケースが多くなっています。

ちゃんちゃんこに限らず、こちらも最近では、紫色の花やセーターなどの衣類、湯飲みなどを贈るケースが増えています。

白寿(はくじゅ:99歳)

長寿の祝い、7つ目は「白寿」です。こちらは、99歳の時のお祝いとなっています。

99歳を白寿と称するのは、次のような理由によります。すなわち、99は100から1つ引いた数字であることから、漢字の「百」から「一」を取り去った「白」の字が当てられたというわけです。こちらも「喜寿」同様、日本独自のお祝いになります。

白寿のテーマカラーは、「白」です。白のちゃんちゃんこや花束、湯飲み・グラスなどをプレゼントするほか、誕生日の新聞を贈る場合もあります。

百寿・紀寿(ひゃくじゅ・きじゅ:100歳)

長寿の祝い、続いての種類は、「百寿」または「紀寿」です。100歳のお祝いで、「百寿」は「ももじゅ」と読む場合もあります。「上寿(じょうじゅ)」や「百賀(ももが)」とも呼ばれます。

百寿の「百」は、文字通り「100歳」のことですが、「紀寿」の「紀」は、「100年」を表す「一世紀」に由来するとされます。かつては100歳のような長寿はめったに見られなかったことから、日本独自の現代的なお祝いにあたります。

こちらもテーマカラーは「白」で、ホワイトをあしらったさまざまなプレゼントが贈られます。また、「百(もも)」が「桃」に通じるとして、ピンク色のプレゼントを贈る場合もあります。

一般的にはマイナーな祝い

緑寿(ろくじゅ:66歳)

耳慣れない名称ですが、「緑寿」と呼ばれる長寿の祝いは、66歳(数え年65歳)の時に行われます。

こちらは比較的最近できたばかりのお祝いで、2002年に日本百貨店協会が、満66歳を「緑々寿(ろくろくじゅ)」と呼ぶようになったのが始まりになります。「緑々」はもちろん「66」の語呂合わせで、「緑寿」はその略称です。

一般的な定年年齢に重なることから、退職祝いも兼ねる意味合いが込められています。名前の通り「緑」がテーマカラーで、観葉植物などが贈られるケースが多くなっています。

半寿(はんじゅ:81歳)

続いてもあまり耳慣れない長寿の祝いで、「半寿」と呼ばれるものです。こちらは、81歳の時に行われます。

「半」の字が付けられているのは、これを分解して並べると、「八十一」になるためです。また、将棋盤のマスの数が「9×9=81」であることになぞらえて、「盤寿(ばんじゅ)」という呼び方をされる場合もあります。

半寿のテーマカラーは、傘寿や米寿と同じ「黄色」や「金茶」になります。ですので、これにちなんだ贈り物をするのもOKですが、必ずしも色にこだわる必要はありません。

茶寿(ちゃじゅ:108歳)

「茶寿」と呼ばれる長寿の祝いは、108歳の時に行われます。

茶寿の名の由来は、「茶」という字を分解した際、「十」「十」「八十八」に分けられることにあります。「10+10+88」で、108歳を表すというわけです。

茶寿に関しては、テーマとなる色が特に決まっていません。名称から茶色が連想されますが、むしろ本人の好みの色に合わせた方が喜ばれるでしょう。プレゼントについては、花束や手書きのメッセージ、家族の写真などがよく贈られる傾向があります。

皇寿(こうじゅ:111歳)

こちらもマイナーな種類の長寿の祝いで、「皇寿」と呼ばれるものです。111歳の時に行われます。

「皇」という字は、真ん中で区切ると、「白」と「王」に分けられます。このうち「王」は、さらに「一」と「十」と「一」に分解できます。「白」は前述のように、「99」を指すと考えられますから、「99+1+10+1」で「111」になるというわけです。

また、「111」が「川」の字に見えるということで、「川寿(せんじゅ)」と呼ばれることもあります。

大還暦(だいかんれき:120歳)

「大還暦」と呼ばれる長寿の祝いは、120歳を記念して行われます。還暦(60歳)の2倍の歳にあたることから、この名前が付いています。

ここまでの長寿となると、めったに当てはまるケースはありません。実際に、戸籍など信頼できる記録によって証明でき、ギネス世界記録に認定された大還暦の事例は、これまでただ1人となっています。

ちなみにその1人とは、フランスの女性で、1997年に122歳で亡くなりました。2022年4月時点の世界最高齢は、日本人の田中カ子さんで、119歳となっています。

珍寿(ちんじゅ:95歳)

これもまたかなりマイナーな長寿の祝いで、「珍寿」と呼ばれるものです。数え年の95歳を表します。

名称の由来は、やはり漢字のパーツの数字化にあります。「珍」の部首の「王」は、「1+10+1」で「22」と解釈できます。一方、つくりの部分は「八」と「三」に分けられるので、「83」と考えられます。「22+83」で、「95」を表すというわけです。

またこの言葉は、「とても珍しい長寿」という意味で、112歳以上や120歳以上の人を指して使われる場合もあります。

頑寿(がんじゅ:119歳)

マイナーな種類の長寿の祝い、最後は「頑寿」です。こちらは、119歳のお祝いになります。

こちらもまた、漢字のパーツを数字に見立てたのが名称の由来です。「頑」の字は、「二」「八」「百」「一」「八」に分解できることから、「2+8+100+1+8=119」で、119歳を表すというわけです。

大還暦同様、この年齢に達する人自体が少ないので、めったに行われることはありません。2022年4月現在で119歳以上の年齢に達したと確認できる例は、世界でわずか3人のみとなっています。

長寿の祝いの意味と由来とは?長寿祝いの種類15選

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