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白銀比の意味とは?第2貴金属比とヤマト比の違いと実例13選

白銀比の意味とは?第2貴金属比とヤマト比の違いと実例

有名な建物や絵画などは、多くの場合私たちに、「心地よさ」や「安心感」、「美しさ」を感じさせるようになっています。その要因は個々によって異なる部分もあるものの、いくつかの点では共通しています。その1つが、全体の長さや構図の「比率」です。人間が見て「安定感」や「美感」を感じるものには、ある共通した「比率」があると言われています。「黄金比」はその代表的な例ですが、「美しい比率」はそれだけではありません。「黄金比」と並んで有名なのが、「白銀比」と呼ばれる比率です。

とは言え、「白銀比」はデザインの世界では比較的知られていても、一般にはあまり浸透していないのが実状です。しかし、実は私たちの身の回りには、意外なほど「白銀比」が隠れたものが数多く存在します。そこでここでは、「白銀比」とは何かや、「白銀比」の具体例などについて、詳しく解説したいと思います。

白銀比とは(第2貴金属比とは・大和比とは)

白銀比とは(第2貴金属比とは・大和比とは)

「白銀比」には、大きく分けて「第2貴金属比」と「大和比(やまとひ)」の2種類があります。そのうち「第2貴金属比」は、文字通り「貴金属比」の2番目に当たる比率を意味します。「貴金属比」とは一定の数式で表される比率のことで、他には「黄金比(第1貴金属比)」「青銅比(第3貴金属比)」などがあります。
「白銀比(第2貴金属比)」を数式で表すと、1:1+√2となります。近似値は、1:2.414です。「第2貴金属比」が隠れた図形の例としては、「正八角形」が挙げられます。

もう1つの「白銀比」である「大和比」は、1:√2の数式で表されるものを言います。近似値は、1:1.414になります。
「大和比」の名前が付いているのは、「日本でよく使われる比率」という意味からです。実際にこちらの比率は、古来から日本のさまざまな建築などに利用されており、現在でもそれは変わりません。「黄金比」が主に西洋で好まれる比率であるのに対し、「白銀比(大和比)」は日本人好みの比率であるとも言われています。

「白銀比」は、「白銀長方形」と呼ばれる長方形で表せます。「第2貴金属比」と「大和比」のそれぞれの白銀長方形は、どちらもそこから最大の正方形を切り取ると、お互いの比率の長方形になるという相関性があります。

白銀比の実例

上でも述べたように、「白銀比」は日本人にとってなじみ深い比率です。特に「大和比」については、古くからさまざまな建築物などに利用されてきましたし、現代でも身の回りの品々からおなじみのキャラクターに至るまで、方々にその効果を見ることができます。

しかし、残念ながらそうした事実は、意外に知られていないのが実情です。そこでここでは、実際に「白銀比」を見つけられるものについて、いろいろな具体例を挙げて説明していきましょう。

平安京の碁盤の目状の都市

平安京の碁盤の目状の都市

出典:wikipedia

「白銀比」の実例の1つ目は、「平安京」です。「平安京」は、日本史の授業で習ったように、西暦794年に建設されたかつての日本の首都になります。現在の京都市街にあたり、平安時代から明治初期に至るまでの間、皇居が置かれた都市ともなっています。

「平安京」の特徴と言えば、「碁盤目状」と形容されるその街並みですが、実はこの街並みに「白銀比」が隠れています。碁盤の目の最小単位は「町」と呼ばれていますが、この「町」は正方形から成ります。そして正方形の辺と対角線の比は1:√2と、「大和比」と同じとなっています。

法隆寺

法隆寺

「法隆寺」は、現在の奈良県生駒郡斑鳩町にあるお寺です。聖徳太子ゆかりの寺として知られ、別名「斑鳩寺(いかるがでら)」とも呼ばれます。創建は7世紀と古く、世界最古の木造建造物となっており、世界遺産に登録されるなど、日本が誇る名所として有名です。

その「法隆寺」も、「白銀比」が使われている例の1つになります。「法隆寺」の中でも特に有名なのが「金堂」ですが、その2階と1階(礎石部分)の幅の比は、1:1.41の「大和比」になっています。

五重塔

「五重塔(ごじゅうのとう)」とは、「仏塔(仏舎利を安置した建物)」の形式の1つです。文字通り五つに重なった屋根を持つのが特徴で、下から地、水、火、風、空の五つの世界を示しており、仏教的な宇宙観を表した塔となっています。

このように、「五重塔」は仏塔の形式を指す言葉ですが、単に「五重塔」と言う場合は、前述の「法隆寺」のものを指すことが多くなっています。その「法隆寺の五重塔」も「白銀比」の例の1つで、こちらは最上層の屋根と最下層の屋根の比が、「白銀比」に等しくなっています。

コピー用紙

コピー用紙

先にも述べた通り、「白銀比」が使われているのは、歴史的建造物だけとは限りません。現代のさまざまな身の回りのものにも、「白銀比」が使用されています。その代表例が、「コピー用紙」です。

「コピー用紙」は、主にA判とB判の2種類に分けられますが、このA判とB判は、実はどちらも「ルート長方形」と呼ばれる比率から成っています。「ルート長方形」とは、短辺と長辺の比が1:√2となる長方形のことで、つまり「大和比」と同様の比率にあたります。

風呂敷

風呂敷

「風呂敷」と言えば、日本人が古くから愛用してきたアイテムとして知られています。起源は奈良時代にまでさかのぼると言われ、いろいろな物を持ち運ぶ上で活用されてきました。「風呂敷」の名は、江戸時代に銭湯が一般化した際に広まったと言われています。

そんな「風呂敷」もまた、「白銀比」が隠れた例の1つです。「風呂敷」はほぼ正方形の形をしていますが、正方形と「白銀比」の関係は、上で説明した通りです。すなわち、1辺と対角線の比が1:√2と、「大和比」の比率となっています。

銀閣

銀閣

「銀閣」もまた、「白銀比」が隠された例の1つです。「銀閣」と呼ばれるのは通称で、正式な名称は「慈照寺(じしょうじ)観音殿(かんのんどう)」になります。慈照寺は京都市左京区にある臨済宗相国寺派のお寺で、室町時代、将軍足利義政が鹿苑寺の舎利殿「金閣」を模して作ったことから、「銀閣」の通称で呼ばれるようになりました。世界遺産にも登録されており、「金閣」「飛雲閣」と合わせて「京の三閣」と呼ばれています。

「銀閣」の「白銀比」は、2階と1階の横幅に表れています。その長さを比率にすると、1:1.41となります。

見返り美人図

見返り美人図

出典:wikipedia

「見返り美人図」は、江戸元禄年間の絵師菱川師宣の手による作品です。その名の通り、こちらに背中を向けた女性が、顔だけ横に振り向いている様を描いています。Sの字を描いた体の線や、画面内の人物の配置、微妙な見え方をした表情など、不思議な魅力を持つ絵として現代でも人気があります。

「見返り美人」もまた、「白銀比」を持った例の1つですが、その比率は上半身と下半身の割合にあります。着物の帯をラインとして上下に分けた際、上半身が1で、下半身が1.41の比率となります。

東京スカイツリー

東京スカイツリー

続いて紹介する「白銀比」の例は、「東京スカイツリー」です。これまで紹介してきた建築物は、古い時代のものが主でしたが、現代的な建物にも「白銀比」が使われています。

「東京スカイツリー」は、東京都墨田区にある電波塔で、それまで「東京タワー」が果たしてきた役割を、さらに向上させる目的で作られました。「スカイツリー」は全高が634mですが、第二展望台までの高さは448mとなっています。これを比率にすると、1:1.414と「白銀比」と同様になります。

ドラえもん

「白銀比」は歴史的建造物だけに限らず、現代の日用品の中にも見られると述べましたが、それだけにとどまりません。国民的なキャラクターである「ドラえもん」もまた、「白銀比」を持つ事例の1つとなっています。

「ドラえもん」は言うまでもなく、丸い頭と短い胴、ちょこんと突き出た手足を持つネコ型のキャラクターです。その横幅と身長を比率にしてみると、1:1.41となります。つまり、「大和比」にぴったり重なるようにできているわけです。

キティちゃん

「ドラえもん」に限らず、「白銀比」を持ったキャラクターの例は他にも多くあります。その中でも特に有名なものと言えば、やはり「キティちゃん」でしょう。言わずと知れたサンリオの代表的キャラクターで、日本だけでなく世界的にも絶大な人気を誇るアイドルです。

多くの人を魅了する「キティちゃん」ですが、「白銀比」は顔の部分に見ることができます。「キティちゃん」の顔の比率は、縦が1、横が1.41と、やはり「大和比」の比率となっています。

となりのトトロ

「ドラえもん」「キティちゃん」と、ここまで現代日本における2大キャラクターを挙げてきましたが、その他にも「白銀比」を持ったキャラクターがいます。ここで紹介するのは、こちらも有名な「となりのトトロ」です。言わずと知れた、宮崎駿監督、スタジオジブリ制作のアニメーション作品のキャラクターですが、その中にも「白銀比」が隠れています。

「トトロ」の中で「白銀比」が見られるのは、全体の縦横の比率です。しっぽを除いた横幅と身長の比率は、「白銀比」にほぼ重なるようになっています。

ミッキーマウス

ここまで紹介してきたキャラクターは、全て日本のものでしたが、世界にも「白銀比」を持ったキャラクターが存在します。その1つが、あの「ミッキーマウス」です。

「ミッキーマウス」については今さら説明不要ですが、ウォルト・ディズニーらの手によって生み出されたネズミのキャラクターで、現在でも絶大な人気を誇っています。

「ミッキー」の特徴も、大きな頭とスリムな胴や手足ですが、その横幅と身長の比率は、やはり「白銀比」とほぼ重なるようになっています。

スヌーピー

上では「ミッキーマウス」を挙げましたが、その他にも世界的に有名なキャラクターが、「白銀比」の例として当てはまります。そのキャラクターとは、「スヌーピー」です。

「スヌーピー」は漫画「ピーナッツ」に登場する犬のキャラクターで、アメリカの漫画家チャールズ・シュルツが1950年に生み出しました。その賢く愛らしい振る舞いにより、現在でも世界中の人に愛されています。

「スヌーピー」もやはり、全体の横幅と身長に「白銀比」が隠れています。その比率は1:1.43と、「大和比」に限りなく近いものになっています。