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「うま味」「旨味」「コク」の違い

「うま味」「旨味」「コク」の違い

「うま味」と「旨味」と「コク」の違いとは

味の表現方法としてよく用いられる言葉に「旨味」「うま味」「コク」があります。「旨味がある」「コクがある」というのはどちらも、食材や料理の味に対して好意的な時に使う表現ですが、いざ使い分けようとすると難しいものです。さらに「旨味」とは違う「うま味」とは何なのでしょうか。それぞれの意味を知り、使い分けることができれば、より料理の美味しさを伝えることができます。

ここでは「うま味」「旨味」「コク」について、それぞれの意味や特徴、使い分けについて詳しく解説していきます。

5つの基本味:五味

「うま味」とは

うま味

「うま味」と「旨味」は、どちらも旨いことを意味する言葉で、同じようにみなす場合もありますが、厳密にいえば違います。
「うま味」とは、甘味・酸味・塩味・苦味とともに基本味と呼ばれる5つの味覚の一つ。基本味は他の物を組み合わせても作り出せない独立した味のことで、料理の味の多くはこの5つの味覚で構成されています。
「うま味」は、明治時代に池田菊苗博士によって昆布だしから第5の味として発見され、21世紀に入り世界にも広まりました。

「うま味」の主成分はアミノ酸であるグルタミン酸、核酸であるイノシン酸、グアニル酸などからなります。グルタミン酸は昆布や野菜、チーズ、イノシン酸は主に肉と魚、グアニル酸は干しシイタケに含まれています。

基本味の一つのため、「塩辛く感じる」と同じように「うま味を感じる」といえます。ただし塩味=塩辛いなど他の4つの味と違い、味の印象は薄いかもしれません。具体的には昆布で出汁をとった時に感じるようなふくよかで深みのある味わいのこと。それがグルタミン酸の「うま味」です。味噌汁でも出汁がなければ物足りなく感じるはずです。

ただし「うま味」はすべてが同じ味ではなく、グルタミン酸とイノシン酸では「うま味」では味も異なります。「うま味」の成分を複数組み合わせることで、「うま味」をより強く感じることができることも分かっています。

このように「うま味」は独立した味の要素を意味します。後述するように、「旨味」と「コク」は味わい表現の一つです。

「旨味」とは

旨味

「旨味」(うまみ)とは、「旨い」が意味する通り、食、料理のおいしさのことです。前述した独立した味のことを指す「うま味」と違い、食の感覚的な表現方法のひとつです。

「旨味」は甘い、辛いといった具体的な味を指すものではありません。甘くておいしいものもあれば、辛くておいしいものもあります。味のバランスや見た目や香り、食感、食事の雰囲気など様々な要素で決定する感覚的なものです。

ラーメンなどで「旨味たっぷり」という時には、たいてい「おいしい」ことを表わしています。一方、「出汁のうま味がきいている」という時には前述の基本味の「うま味」を指します。

「旨味」と「うま味」の関係性については、独立した味覚である「うま味」物質が、料理の「旨味」を引き立てているのは間違いないでしょう。
後述しますが、「コク」もまた味を表わす感覚的な表現の一つです。料理がおいしいことを表わす「旨味」と違い、「コク」はもう少し具体的な味わいを表現しています。

「コク」とは

コク

「コク」のある味とは、複数の味が絡み合った複雑な味わいのことです。
さらに味だけでなく、香りや食感など複数の要素の調和により、味がバランスよく重なって厚みや広がりを増し、余韻も続く味わいといえます。よく濃厚感、持続性、広がりのある味ともいわれます。
とくに5つの基本味(甘味・塩味・酸味・苦味・うま味)がバランスよく一体となった奥行のある味わいに「コク」があると感じられるようです。

「コク」は、アッサリした料理より、コッテリした料理によく使われる表現です。一般に「コク」がある料理や食品として、カレーやシチューなどの多種な食材を使った煮込み料理、長時間熟成したチーズ、動物性油脂の高い食品などがあげられます。ラーメンやビール、日本酒、コーヒーなども、種類によってはよく「コク」があるといわれる料理や飲料です。

このように、「コク」の表現は感覚的な部分も大きく、明確な定義もありません。ですが成分的に言えば、アミノ酸が複合した「グルタチオン」や「グルタミルバリルグリシン」など、「コク」を引き出す物質があることが知られています。

「コク」と「旨味」はどちらも味わいの感覚表現ですが、おいしいことを表わす「旨味」に対し、「コク」は複雑な味わいのことで、必ずしもおいしさを意味してはいません。この違いを知った上で、味を表現する際には使い分けてみましょう。