一般常識
「タイムリープ」「タイムスリップ」「タイムトリップ」「タイムトラベル」の意味と違い
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「タイムリープ」「タイムスリップ」「タイムトリップ」「タイムトラベル」の意味と違い
SFやファンタジー作品で扱われる例が多いテーマに、「時間移動」があります。主人公らが別の時空へ飛び、そこでさまざまな出来事を経験するという筋立てですが、こうした行為や現象を指す言葉は、1つではありません。もっとも代表的な「タイムトラベル」のほかにも「タイムリープ」「タイムスリップ」「タイムトリップ」があります。何となくひとくくりにしてしまいがちなこれらの言葉ですが、細かい定義の差や使い分けのポイントはあるのでしょうか。
今回はこれら4語の意味や違いについて解説しますので、ぜひ参考にしてみてください。
「タイムリープ」とは
「タイムリープ」とは、「現実の時間から、瞬時に過去や未来に移動すること」という意味の言葉です。また、そうした能力についても言います。「タイムリープで10年前の今日に戻った」「彼女は突然タイムリープの力に目覚めた」などのように使われます。
「タイムリープ」は和製英語であり、英語表記では「Time Leap」となります。「Time(時間)」と「Leap(~を飛び越える、飛躍)」の組み合わせで、日本語にすると「時間跳躍」を表します。
SF関連の造語で、初出は1967年刊行の小説『時をかける少女』になります。厳密な定義はなく、作品によって使われ方はさまざまで、「タイムトラベル」などと意味合いに違いがない場合も少なくありません。その一方で、以下のような特徴付けをされることも多くなっています。すなわち、「任意に能力を使えない」「意識のみ時間を移動する」「科学技術ではなく超常的な力が源となる」などです。
「タイムスリップ」とは
「タイムスリップ」とは、「現実の時間・空間を超越して、瞬時に過去や未来へ移動すること」という意味の言葉です。「主人公はタイムスリップによって江戸時代に飛ばされた」「どうやら第二次大戦のさ中へタイムスリップしたらしい」のように使われます。
日本のSF作品で使われる造語であり、「Time」と「滑る、転ぶ」を意味する「Slip」から成ります。こちらも詳しい定義はされておらず、タイムトリップやタイムリープなどとの違いは明確ではありません。ただ、使われ方の傾向で言えば、「タイムスリップ」は偶発的、事故的に時空のはざまに落ち込んでしまう現象を指す場合が多くなっています。本人の能力というより、突発的に外部の力が加わって起こる点が特徴と言えます。
「タイムトリップ」とは
「タイムトリップ」とは、「時空を超えて過去や未来へ旅をすること」という意味の言葉です。「できることなら、1920年代のパリにタイムトリップしてみたい」「昨日の晩、タイムトリップで1000年後の世界をさまよう夢を見た」などのように使われます。
「タイムトリップ」は、「Time」と「旅行」を意味する「trip」からなる和製英語です。日本語にすると「時間旅行」であり、やはりSF作品でよく使われます。
「タイムトラベル」の異称のようなもので、両者に違いはほとんどありません。一方、「タイムスリップ」が多く偶発的に起こるのに対し、「タイムトリップ」は科学的な手段で任意に発動させるケースが多くなっています。つまり、比較的本人の意思や能力が強く働く点が、「タイムトリップ」の特徴と言えます。
「タイムトラベル」とは
「タイムトラベル」とは、「タイムマシンによって過去と未来を自由に行き来すること」という意味の言葉です。「人類はやがて、タイムトラベルの力を獲得できると信じている」「好きな時代にタイムトラベルできるなら、こんな楽しいことはないだろう」などのように使われます。
「タイムトラベル」という言葉は、「Time」と「旅行」を意味する「Travel」から成ります。日本語では「時間旅行」を意味し、上記のように「タイムトリップ」の異称と言ってよい用語となっています。これといった使い分けも、両者の間には見られません。
初出は、イギリスの作家H・G・ウェルズが19世紀に書いた小説『タイムマシン』になります。そのため、主に機械を用いて任意に時間を旅する行為を指すケースが多くなっています。この点は、偶発的な現象である「タイムスリップ」や、超常的な力が源泉となる「タイムリープ」との大きな違いです。また、意識のみ過去や未来の自分に乗り移るのではなく、身体ごと別の時空に移動でき、さらに物を自由に持ち運びできる点も特徴となっています。
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