一般常識
「窃盗」「強盗」の意味と違い
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「窃盗」「強盗」の意味と違い
ニュースなどで普段よく目にしている言葉でも、似た語との違いが今一つ分かりづらい例は少なくありません。「窃盗」と「強盗」の2つも、そうしたものの一種でしょう。どちらも他人の物を盗み取るという犯罪を指しますが、それぞれが具体的にどういった行為を表すか指摘するのは、意外に難しくなっています。
今回は、刑法で定義されているこの2語の意味合いと違いについて解説しますので、「窃盗」と「強盗」の使い分けが知りたいという方は、ぜひ参考にしてみてください。
「窃盗」とは
「窃盗」とは、「他人の財物をひそかに盗み取ること」という意味の言葉です。また、そうした盗みを働く者についても言います。読み方は「せっとう」で、「窃盗の常習犯」「窃盗犯を取り押さえた」などのように使われます。
「窃盗」の「窃」は、「他人の物をこっそり盗み取る」「ひそかに、人知れず」を意味する漢字です。ほかに「剽窃」や「窃取」、「窃笑」などの熟語で使われます。
「窃盗」と「強盗」は、どちらも刑法に記載のある言葉で、しっかり使い分けることができます。「窃盗罪」の場合、「他人が占有する財物を、その意思に反し勝手に自分の物とすること」といった定義がされており、具体的には万引きや置き引き、空き巣などが当てはまります。
暴力や脅迫を伴わないのが特徴で、この点が「強盗」との大きな違いです。ただ、「窃盗」でも犯行の際人を負傷させたなどの場合、「強盗罪」に問われるケースもあります。
「強盗」とは
「強盗」とは、「暴力や脅迫などの手段で、他人の金品を奪うこと」という意味の言葉です。また、そうした行いをする者についても言います。読み方は「強盗」で、「最近貴金属目当ての強盗が増えている」「強盗団のメンバーの1人が捕まった」などのように使われます。
「強盗」の「強」の字は、「つよい」のほかに「無理に押し付ける」「しいる」といった意味があり、この場合はこちらの意味になります。ほかに「強訴(ごうそ)」「強弁(きょうべん)」「牽強(けんきょう)」などの用法があります。
刑法において「強盗罪」は、暴行や脅迫を用いて他人の財物を強取した者に適用されると定められています。つまり、ナイフなどをつきつけて脅し、金品を奪った場合は「強盗」となり、「窃盗」とはみなされません。
また、刑罰において「強盗」が5年以上の有期懲役であるのに対し、「窃盗」は10年以下の懲役または50万円以下の罰金となる点も、両者の違いに含められます。
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