一般常識
「祭り」「縁日」の意味と違い
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「祭り」「縁日」の意味と違い
「祭り」は世界中に見られる行事で、日本でも古くから各地でさまざまなものが行われています。その日は屋台などが立ち並び、たくさんの人でにぎわいますが、これと同じような行事を指す言葉として、「縁日」というものもよく耳にします。果たしてこの2つは、どういった点が異なるのでしょうか。具体的な違いが知りたいという方も多いでしょう。
そこで今回は、「祭り」と「縁日」の意味や違いについて、詳しく解説していきたいと思います。
「祭り」
「祭り(まつり)」とは、「神仏や祖先をまつること、またその儀式」という意味の言葉です。本来は原始・古代宗教の集団儀礼を総称した言葉でしたが、現代では文化的に一般化されて、社会的な祝賀行事を呼び表す言葉としてもよく使われるようになっています。日本の「祭り」で有名なものとしては、青森県の「青森ねぶた祭り」や、福岡の「博多祇園山笠」、大阪の「岸和田だんじり祭」などがあります。
「縁日」とは、成り立ちや行われる目的に違いがあります。「祭り」は、前述のように古来から神仏・祖先をまつったり、作物の収穫を祝うために行われる儀式を指しますが、「縁日」は後述するように、慰霊の儀式などを行うわけではありません。また、「祭り」が行われるのはその「祭り」に縁のある場所で、必ずしも神社や寺とは限らない点も、「縁日」との違いになります。
「縁日」
「縁日(えんにち)」とは、「ある神仏に特定の由緒ある日」という意味の言葉です。「有縁(うえん)の日」や「結縁(けちえん)の日」とも呼ばれ、これを略した言葉が「縁日」になります。それぞれの神仏が特定の日に示現して、参詣者を救ってくれるという信仰に基づいており、この日に参詣して神仏と縁を結ぶと、ふだんにまさる御利益があると言われます。たとえば一八日は観世音、二八日は不動尊といった具合です。平安時代にはすでに行われており、中世以降は参詣者相手に物売りなどが行われるようになっていきました。
このように、「縁日」と「祭り」は、成り立ちの経緯などが全く違います。「縁日」はもともと「神仏との縁が深い日」を指しており、やがてその日に神社仏閣に参詣する風習が生まれて、のちに観光的な要素が加わったというのが経緯です。神仏のご利益が目当てであり、「祭り」のように、神仏・祖先の慰霊などのために儀式を行うといった目的はありません。また、場所も必ず神社かお寺のどちらかで行われるようになっています。
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