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最終更新日:2021-03-26

2020年税理士試験 648人が合格も41歳以上が約4割

  • 2021/02/18
  • 2021/03/26
2020年税理士試験 648人が合格も41歳以上が約4割

2020年8月に実施された第70回税理士試験の結果が12月18日、国税庁から発表された。官報合格者は648人で、平成14年の税理士試験制度の見直し後、最も少なかった。また、官報合格者の約4割が41歳以上で、税理士資格取得年齢の高齢化していることが分かった。

年々減少する税理士試験の受験者数

 今回の受験者数は、2000年以降最も少なく、昨年度より3106人少ない2万6673人だった。

 平成16年度の第54回税理士試験では、受験者数が5万6126人だったことから、16年で受験者数は半分以下に減ったことになる。グラフ1のように受験者数の減少は顕著で、平成20年より前は、多くても100人前後だったものが20年から数百人規模になり、22年以降は千人規模、24年以降になると1千~3千人規模に膨れ上がっている。このままいくと、受験者数は令和5年に2万人前後となる可能性もあり、税理士試験離れが深刻な問題になりそうだ。

*グラフ:国税庁発表資料を基に当サイトが作成

若者は税理士試験に魅力なし!?

 以下の「年齢別受験者数推移」を見ると、若者ほど税理士試験離れが進んでいることが分かる。

25歳以下は、平成20年度は9320人が受験したが、令和2年度は3716人まで減少している。26歳~30歳の層に至っては、20年度は1万2645人受験しているが、今回は3分の1以下の3890人となっている。31歳から35歳の層も、20年度は1万2117人受験していたが、今回は4619人まで減少している。一方で、41歳以上の受験者数はほぼ横ばいで、1万人台を上下している。

*国税庁発表資料基に当サイトが作成

41歳以上の受験者数が多いのは、税理士試験が科目の積み上げ方式であることが大きく影響している。何年かかっても積み上げ方式で5科目合格すれば理士資格を得られるため。だ。10年かかっても5科目合格すれば税理士資格の切符を手に入れられるのだ。20歳代後半から目指しても40歳代で5科目合格するケースが多く見受けられる。

そのため、仕事しながらゆっくりと資格取得を目指す受験生が多くを占め、高齢化が顕著になってきている。

官報合格者(5科目合格)は100人減少

 官報合格者は648人で、昨年度の749人から101名減少した。官報合格者は、受験者数の減少と比例して減少を続けており、平成18年度の1126人からすると、今回は半分近くまで減ったことになる。

受験者の高齢化と並行して、官報合格者の高齢化も顕著になっている。今回の試験では、41歳以上が247人と突出して多く、次いで36歳から40歳が136人、31歳から35歳が126人、26歳から30歳が96人、25歳以下が43人と、見事に年齢が若いほど、合格者の人数が減っている。

2020年税理士試験 648人が合格も41歳以上が約4割

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