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一般常識

「ひいては」「しいては」の意味と違い

「ひいては」「しいては」の意味と違い

「ひいては」「しいては」の意味と違い

「結局は」「最終的には」といった意味を強めて表したい時に、よく「ひいては」という言葉が使われます。「街の名誉のため、ひいては国家の威信のため」といった具合ですが、その一方でこれとよく似た言葉として、「しいては」というものを聞く機会も多くなっています。この2つは全く同じ意味に見えますが、何か違いなどはあるのでしょうか。あるとすればどの辺かが気になります。

今回は、「ひいては」と「しいては」の意味や違いについて解説していきますので、両者の使い分けが知りたい方は参考にしてみてください。

「ひいては」とは

ひいては

「ひいては」とは、「それが原因となって結果として」あるいは「その事にとどまらずにその延長として」といった意味を持つ言葉です。副詞「ひいて」を強調した言い方で、漢字表記では「延いては」と書かれます。「“情けは人のためならず”とは、他人に親切にすることが、ひいては自分の利益につながるという意味の言葉だ」「この技術革新は、会社の将来を、ひいては業界全体の姿を大きく変えるだろう」「環境保護についての住民一人一人の意識を高めることが、地域のため、ひいては地球のために役立つ」のように使われます。

「ひいては」と「しいては」の意味は、本来全く違います。そもそも「しいては」という言葉は、日本語ではめったに使われません。ですので、「A、○いてはB」などと言う場合は「ひいては」を使うのが正しく、特に使い分けについて気にする必要はないと言えます。

「しいては」とは

しいては

「しいては」とは、一言で言えば、「ひいては」の誤用です。「無理やりに」といった意味の「強いて」(「強いる」の連用形「強い」+接続助詞「て」)が、「ひいて」と混同された結果できた言葉にあたります。ですので、「他人のため、しいては自分自身のため」のような使い方は、間違いということになります。実際に、「ひいては」の語がきちんと辞書に記載されているのに対し、「しいては」の記載はどこにも見られません。

ただ、「しいては」という表現が日本語にまったくないわけではなく、まれに使われるケースもあります。「他人が嫌がることを強いてはいけない」のようなケースがそれです。いずれにしても、「ひいては」とは全く意味が違うので、くれぐれも両者を混同しないように気を付けましょう。

「ひいては」「しいては」の意味と違い

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