一般常識
「あざとい」「めざとい」の意味と違い
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「あざとい」「めざとい」の意味と違い
日本語の中には、一字違うだけでまったく異なる意味合いを示すケースがいくつか見られます。「いとしい」と「ひとしい」、「やさしい」と「ひさしい」などですが、「あざとい」と「めざとい」も、その1つに含められます。
実際にこの2語は字面がよく似ていますが、意味や用法はかけ離れており、混同してしまわないよう注意しなくてはなりません。では、具体的にどういった点が異なるのでしょうか。
今回は、「あざとい」と「めざとい」の意味や違いについて解説しますので、両者の使い分けについて知りたい方は参考にしてみてください。
「あざとい」とは
本来の「あざとい」の意味とは、「思慮が浅い」「あさはかだ」といったものです。「考え方があざとい」のように使われます。また「やり方があくどい」「ずうずうしく抜け目がない」の意味もあり、こちらは「あざとい商売」のような使われ方をします。
元々上記のような意味を持っていた「あざとい」ですが、近年は「計算ずくで愛らしく見えるようにふるまうさま」の意味で使われることが多くなっています。この場合、「彼女のあざとい仕草は、多くの男性を魅了した」のように使われます。本来の用法では非難の意味合いが主ですが、近年の用法の場合、必ずしも否定的なニュアンスだけを表すわけではない点が特徴となります。
「あざとい」と「めざとい」の主な意味合いは、全く違います。後述するように、「めざとい」には「あさはか」や「あくどい」、「可愛らしくふるまう」といった意味はありません。
「めざとい」とは
「めざとい」とは、「見つけるのが早い」という意味の言葉です。「店の中には雑多な商品がひしめいていたが、めざとい彼女はお目当ての品をすぐに見つけ出した」「めざとく相手の表情の変化に気づいた彼は、気を使ってさりげなく話題を変えた」のように使われます。また、「めざとい」には「目が覚めやすい」の意味もあり、この場合は「子供の頃からめざとい性分で、なかなか熟睡できない」のような使われ方をします。
「めざとい」は、漢字では「目敏い」や「目聡い」と書かれ、「目」「さとい(敏い、聡い)」に分けられます。「さとい」の意味は、「賢い」「理解が早い」「感覚が鋭い」といったものになります。
「めざとい」と「あざとい」は、上記のように意味も使い方もまったく違います。「めざとい」は、主として何かをすばやく見つけられる能力について言う言葉で、あさはかさやあくどさ、計算ずくのかわいらしさなどは指しません。この点に気を付けて、両者を使い分けましょう。
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