退職届(退職願)を提出したけど、拒否されたら

退職届を提出して拒否されたらどうすればいいの?

日本国民には、「職業選択の自由」があります。
つまり憲法で自らの望む職業を選択する自由が認められています。また、終身雇用、年功序列が当たり前だった雇用体制も変わりつつあり、苦しい思いをしてまで会社に縛り付けられることなく、自分が望む職業、職場を選択して働くことができる時代になっています。

当然、退職の自由も認められています。
今の職場ではやっていけない、自分に合わないと感じれば、退職して新しい環境に身を移すことも大変前向きな選択です。
ですが、退職するに当たっては様々な問題が発生する場合があります。
今回は、退職する意思を固め、退職届(退職願)を提出したのに受け取りを拒否された場合にどうしたらよいか、ご説明していきます。

まずは退職届と退職願の違いを確認しておこう

まずは退職届と退職願の違いを確認しておこう

本題に入る前に、簡単に退職届と退職願の違いから簡単にご説明します。

退職届

労働者が自主退職する意思を表示するためのものが退職届です。
退職届が会社の代表者や人事部長などの権限のある立場の人に届いた時点で効力が発生し、受け取りの拒否はもちろん、撤回することもできません。
分かりやすく言うと、会社に対して「私はこの会社を退職します」と労働者側から雇用契約の終了を宣言するものです。

退職願

労働者が雇用契約の「合意解約」を会社に求めるものです。
退職願は合意解約の申し込みであり、会社の責任者の了承により合意解約が成立するまでは、労働者は意思表示を撤回することができます。
分かりやすく言うと、会社に対して「退職させていただきたいのでご検討ください」と退職のお願いをするものです。

退職届も退職願も会社は受け取りを拒否できるものではありません。また、どちらの場合も労働者の「自己都合退職」になります。

退職する方法、流れについて確認しておこう

退職する場合には、退職する希望の日付を明記した退職届(退職願)を直属の上司に提出します。
退職の理由は「一身上の理由により」で構いません。

退職する意思が固い場合は「退職届」を提出しますが、退職届は強い意思表示になるため、一般的には上司に相談の上で提出するか、いくぶんか柔らかい意思表示である「退職願」を最初に提出するケースが多いでしょう。
また、就業規則により「退職願」または「退職届」を提出するよう決められている場合もあります。
「退職届」「退職願」どちらを提出するのは、確認してから提出しましょう。

通常は1ヶ月以上前には提出します。
仕事の内容にもよりますが、引き継ぎを行う十分な期間を設けるためにもう少し長めに取る必要があるかもしれません。
提出すれば、あとは退職届(退職願)が受理され、それから予定の退職日まで勤務、引き継ぎを行い各種手続きを済ませ、退職となります。

退職に関わる労働者の権利

退職届や退職願の受け取りを拒否された場合に知っておくべき労働者の権利を確認しておきます。

民法では雇用の解約の申し入れ日から2週間が経過すれば退職できるとなっている。
よって、退職届を提出してから2週間が経過することで、出勤する義務は無くなります。 ただし、就業規則などで「退職届は30日前に出すこと」などと記載されている場合はそれに従うようにしましょう。

退職すると、離職票を受け取ることができます。

労働者は務めている会社を退職する際に離職票をもらうことができます。

離職票がない場合、労働者には、失業給付金が受けられない、再就職手当がもらえない、職業訓練校に行くことができない、などの 不利益を受けてしまいます。
会社側は、発行の拒否はできません。

※失業給付金や再就職手当を受けたり、職業訓練校に通うための条件の詳細は、ハローワークにて相談して下さい。

退職届(退職願)を拒否された時にはどうするか

  • 上司に退職届(退職願)を出したが受け取りを拒否された。目の前で破り捨てられた。
  • 退職するなら未払いの給料は払わないと言われた。
  • 上司に退職届(退職願)を受け取ってもらえたが、退職日が迫ってきているにもかかわらず上司から何も話がない。退職予定日以降も勤務予定表に名前がある、勤務シフトを組まれている。
  • 一度は受け取られたが後日返却された。
  • 受け取られたが、自主退職ではなく懲戒解雇扱いにされると言われた。

退職届(退職願)の受け取りを拒否された場合以外にも上記のようにスムーズに退職できない場合にはどうしたらよいのでしょうか?

対処1:メールまたは内容証明郵便で退職届を送付する

退職届(退職願)の受け取りを拒否されたり受理されない場合は、人事部長などの責任者宛にメールまたは内容証明郵便で退職届を送ります。退職の意思表示をしたことを証拠として残しておくことはトラブルになった際に非常に有効となります。
内容証明郵便とは、「誰が、誰宛てに、いつ、どんな内容の手紙を出したのか」ということを郵便局が公的に証明してくれる郵便(手紙)です。

対処2:弁護士やNPO法人に相談する

上記でも記載しましたが「損害賠償を払ってもらう」や「給与を払わない」などと脅迫まがいの対応をとる会社もいます。その場合は法律事務所や労働に関するNPO法人などに相談するのも一つの方法です。
特にNPO法人は無料で相談にのってくれたり、会社の対応に対してどのような対応をしたらいいのかなども教えてくれます。
労働基準監督署や弁護士にいきなり相談するよりも気軽に相談できるかもしれません。

対処3:労働基準監督署に申告して会社側に指導してもらう

それでも退職届の受け取りを拒否する場合には労働基準監督署に相談しましょう。
労働基準監督署に相談すれば、退職の仕方やアドバイスをしてくれる上に、悪質な場合は、その会社へ指導をしてくれます。

労働基準監督署とは労働基準法にそって会社が労働者を雇用しているか監督する厚生労働省の出先機関です。
労働基準監督署が労働基準法に違反を犯している悪質な会社と認定した場合、書類送検することもあります。そのため通常、会社としては労働基準監督署に目をつけられることを非常に嫌います。

<全国労働基準監督署一覧>
http://www.mhlw.go.jp/bunya/roudoukijun/location.html

最後に

ここでは「退職に関わる労働者の権利」や「退職届(退職願)を拒否された時にはどうするか」などをご紹介させていただきました。しかしどんなに辞めたい会社でも、仲の良かった同僚や面倒を見てくれた上司もいるかと思います。
その方々に出来るだけ迷惑をかけないようにも退職する際は円満退社を心がけましょう。