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まとめ

あなたはいくつ知っていますか?「国民の祝日」の由来

あなたはいくつ知っていますか?「国民の祝日」の由来

「国民の祝日」の由来

国民の祝日とは、1948年(昭和23年)に制定された「国民の祝日に関する法律」、いわゆる祝日法によって定められた休日のことを言います。現在、日本には16の「国民の祝日」があります。この数、世界的に見て多いのか少ないのか・・・実は、世界第2位の数なのです。
最も国民の祝日が多いのは、コロンビアとインドで年間18日。次いで多いのが16日で、レバノン、韓国、そして日本となります。アルゼンチン、チリ、フィンランドと並んで同率3位(15日)としている資料もありますが、2016年に「山の日」が加わり、現在では年間16日で第2位となっています。
そんな国民の祝日ですが、あまりにも馴染みすぎてしまい、その由来や制定された経緯となると案外あやふやなものですね。それでは、1月から順にご紹介していきましょう。あなたはいくつご存知ですか?

1月1日【元日】

1948年に公布・施行された祝日法により、「年のはじめを祝う」日として国民の祝日に制定されました。それまでも四大節の一つ「四方節」として、天皇が元旦の早朝に天地四方を拝する宮廷行事が行われる祝日でしたが、法に定められた休日ではありませんでした。
四方節は平安時代に日本の宮中に取り入れられた豊作と無病息災を祈る行事ですが、当時は宮中だけでなく貴族や庶民の間でも行われていたそうです。明治に入ると皇室祭祀令により規制され、戦前まで天皇の行事として行われていました。現在の四方節は、天皇家の私的な行事となっています。
ちなみに「元旦」というのは1月1日の朝のことですので、祝日として「元旦」と表記するのは誤りとなります。

1月第2月曜日【成人の日】

祝日法によって1948年に「おとなになったことを自覚し、みずから生き抜こうとする青年を祝いはげます」日として制定されました。ハッピーマンデー制度によって2000年からは1月の第2月曜日となっていますが、それ以前は、元服の儀が執り行われる「小正月」に由来して1月15日でした。
成人の日には、各市町村で新成人を招いて成人式が行われます。この成人式、ハッピーマンデー制度が導入される以前は、前年の成人の日の翌日からその年の成人の日までに誕生日を迎える人を対象としていましたが、現在では、前年の4月2日からその年の4月1日に成人する人を対象にする「学齢方式」となっています。

2月11日【建国記念の日】

日本には明確な建国日がないため、古事記や日本書紀で初代天皇とされる神武天皇が紀元前660年に即位した日を「紀元節」として祭日とするようになったのが1873年。戦後、GHQの意向で一時廃止となりましたが、1966年に「建国をしのび、国を愛する心を養う」日として復活しました。
なお、至る所で「建国記念日」と表記されている場面を目にしますが、正しくは「建国記念の日」です。どうして“の”がついているのか、不思議ですよね。実は、制定当時「紀元節」の復活に意義を唱える野党の反発や、「神武天皇の存在には歴史的な確証がない」とする学者の反対意見などがあったため、ただ単に建国された事実をお祝いする日、という意味合いで“の”が入ることになったという、大人の事情が絡んでいたのです。

3月20日もしくは21日【春分の日】

1948年の祝日法により、「自然をたたえ、生物をいつくしむ」日として制定された国民の祝日です。日にちは春の彼岸の中日ですが、国立天文台が作成する『暦象年表』という小冊子に基づいて、前年2月に閣議において決定されます。
戦前は、歴代の天皇・皇后・皇親の霊を祭る「春季皇霊祭」と呼ばれており、現在でも宮中祭祀として執り行われています。

4月29日【昭和の日】

「激動の日々を経て、復興を遂げた昭和の時代を顧み、国の将来に思いをいたす」日として、2007年に制定されました。1989年の昭和天皇崩御まで「天皇誕生日」だった4月29日ですが、ゴールデンウィークを構成する祝日を廃止することによる国民生活への影響が懸念されたことから、昭和天皇が植物に造詣が深く自然を愛したことにちなんで「みどりの日」と名付けられ、祝日となりました。もちろん、昭和にちなんだ名称を残す案も浮上していましたが、当時の政治情勢などで頓挫。その後、3度の改正法案提出を経て、2006年にようやく「昭和の日」となったのです。

5月3日【憲法記念日】

「日本国憲法の施行を記念し、国の成長を期する」として、1948年の祝日法によって国民の祝日に制定されました。日にちは、1947年に5月3日に日本国憲法が施行されたことに由来します。
ちなみに、海上自衛隊では、基地や一般の港湾などに停泊している自衛艦・支援船において、マストに自衛艦旗や信号旗を連ねて掲揚する満艦飾(まんかんしょく)が実施されます。

5月4日【みどりの日】

「自然にしたしむとともにその恩恵に感謝し、豊かな心をはぐくむ」日として1989年に制定されました。当初は、昭和天皇の誕生日だった4月29日でしたが、2006年、紆余曲折を経て「昭和」の名を残す祝日として生まれ変わったことから、同じくゴールデンウィークを構成する5月4日に移されました。

5月5日【こどもの日】

祝日法により1948年、「こどもの人格を重んじ、こどもの幸福をはかるとともに、母に感謝する」として制定されました。由来はもちろん端午の節句ですが、大正時代には同じく端午の節句を「児童愛護デー」とする社会運動も存在し、実際にこどもの日を祝日とする請願が寄せられた際にも、5月5日を希望する声が多かったそうです。
実は「子供だけでなく、その子どもを生んだ母にも感謝する日」だったということは、ご存じなかったという方も多いのではないでしょうか。

7月第3月曜日【海の日】

1995年に祝日法によって「海の恩恵に感謝するとともに、海洋国日本の繁栄を願う」日として国民の祝日に制定されました。以前は7月20日でしたが、ハッピーマンデー制度によって2000年からは7月の第3月曜日となっています。
祝日となる前は「海の記念日」と呼ばれ、明治9年に明治天皇が東北地方巡幸の帰途、初めて軍艦でなはない艦船、灯台視察船「明治丸」に乗って、横浜港に帰還した日を記念していました。

8月11日【山の日】

2016年に「山に親しむ機会を得て、山の恩恵に感謝する」日として制定された、最も新しい祝日です。当初、お盆休みと連続させやすいとして8月12日とする予定でしたが、この日は1985年に起きた日本航空123便墜落事故(御巣鷹山への墜落事故)と同日であったため、8月11日となったそうです。
山に関する明確な由来があるわけでもなく、名峰を擁する地域では独自に山の日を制定している自治体も多く、さらには学校の夏休み期間であることから、祝日としての意義を感じにくいという声も少なくないようです。
ちなみに、きのこの山でおなじみ明治では、山の日にあやかってこの日を「きのこの山の日」として制定。日本記念日協会にも認定されています。

9月第3月曜日【敬老の日】

「多年にわたり社会につくしてきた老人を敬愛し、長寿を祝う」日として、1989年に祝日法により制定されました。ハッピーマンデー制度によって2003年から9月の第3月曜日となっています。
兵庫県多可郡野間谷村にて、村長が年寄りの知恵を借りて村作りをしようと、気候が良く農閑期である9月15日を「としよりの日」と定めたことが始まりと言われています。1948年の祝日法制定時には「としよりの日」は定められませんでしたが、1963年の老人福祉法では「老人の日」となり、その後、正式な国民の祝日となりました。

9月22日もしくは23日もしくは24日【秋分の日】

祝日法により1948年、「祖先をうやまい、なくなった人々をしのぶ」日として国民の休日に制定されました。こちらも春分の日と同様、日にちは国立天文台が作成する『暦象年表』という小冊子に基づいて、前年2月に閣議において決定されます。
戦前は、歴代の天皇・皇后・皇親の霊を祭る「秋季皇霊祭」と呼ばれており、現在でも宮中祭祀として執り行われています。
ハッピーマンデー制度によって敬老の日が9月第3月曜日になったことから、秋分の日も含め休日が続く年が多くなり、「シルバーウィーク」とも呼ばれています。

10月の第2月曜日【体育の日】

1966年に「スポーツにしたしみ、健康な心身をつちかう」日として祝日法により制定されました。1964年に東京オリンピックが開催されたのを記念し、開会式が行われた10月10日が体育の日となりました。2000年から、ハッピーマンデー制度によって10月の第2月曜日となっています。
日本特有の夏の蒸し暑さを避け、秋雨前線の活動が沈静化する時期ということで、オリンピックとしては異例の10月開催となりましたが、実しやかに囁かれた「10月10日が一年で最も晴れる確率が高い」という噂は、全くのデタラメだそうです。

11月3日【文化の日】

「自由と平和を愛し、文化をすすめる」日として、1948年に祝日法によって制定されました。この日は日本国憲法が公布された日であり、その日本国憲法が自由と平和に基づく文化国家の建設を理想としていたことから「文化の日」と名付けられました。日本国憲法が施行された半年後の5月3日は、憲法記念日となっています。
ちなみに、11月3日は戦前に祝日として定められていた四大節の一つ「明治節(明治天皇の誕生日)」でもあります。特に関係性は語られていないのですが、当時の国会のスケジュールなどから、明治節に合わせたのではないかという見方もあるようです。

11月23日【勤労感謝の日】

1948年に祝日法によって「勤労をたっとび、生産を祝い、国民がたがいに感謝しあう」日として制定されました。古くから農業国家だった日本において、飛鳥時代に始まった収穫物に感謝する行事「新嘗祭(にいなめさい、しんじょうさい)」が由来となっているのですが、実は11月23日という日付には特に意味はありません。
1872年まで新嘗祭は旧暦11月の2回目の卯の日に行われていましたが、翌年の太陽暦導入によって翌1月になってしまうことから、新暦11月の2回目の卯の日に開催日が変更されました。その初年度、つまり1873年11月2回目の卯の日が、たまたま11月23日だったということのようです。

12月23日【天皇誕生日】

今上天皇として明仁様が即位した1989年以降、12月23日が「天皇誕生日」となっています。「天皇の誕生日を祝う」日として1948年に祝日法によって制定される以前は天長節と呼ばれ、その起源は奈良時代にまで遡ります。
また、過去の天皇誕生日も姿を変えて国民の祝日として残っているものもあります。明治天皇の誕生部であった11月3日は「文化の日」として、昭和天皇の誕生日であった4月29日は「昭和の日」となっています。大正天皇の誕生日は国民の祝日としては残念ながら残っていませんが、その崩御日には宮中祭祀として「大正天皇例祭」が斎行されています。

あなたはいくつ知っていますか?「国民の祝日」の由来

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