間違いやすい日本語100選

間違いやすい日本語100選

覚えておきたい!間違いやすい日本語100選

「部長、申し訳ありません。今回のミスを反省し、次のプロジェクトでは目標の売上を達成し、汚名挽回します」
ある販売促進プロジェクトで、残念ながら期待通りの結果を残すことができなかったある若手社員。
部長は、彼の次回への抱負を聞いて、心配そうにため息を漏らしました。
「汚名は挽回するものじゃないよ、本当に大丈夫かな・・・」

日本語には、間違いやすい慣用句や熟語がたくさんあります。
若手社員の彼も、「名誉挽回」や「汚名返上」と言うべきところを「汚名挽回」と言ってしまいました。
普段、何となく聞いていて何となく使ったら間違っている言い方や、いざという時にどっちが正しいか分からない言い方、よくありますね。

今回は、そういった間違いやすい日本語の中でも特によく使ってしまいがちなものをピックアップして、100個ご紹介します。
言葉遣いの間違いを取引先やお客様に指摘されると、非常に恥ずかしい思いをしてしまいますし、指摘してくれない人もいないまま、間違えたままになってしまうこともあるでしょう。
一度確認して、間違えて覚えていないか確認してみましょう。

言い間違い、書き間違いしやすい日本語

言い間違い、書き間違いしやすい日本語

ふと口から出る慣用句、何気なく書いた四字熟語、間違えていませんか?
一度間違えて覚えると、自分で誤りに気付くのは非常に難しいものです。

×汚名挽回 ⇒ ◯汚名返上
「挽回」とは「もとの状態に戻すこと」。
そのため、「挽回」を使うのであれば「名誉挽回」が正解です。
不名誉な評判を取り払う、と言いたいのであれば、「汚名返上」や、「汚名を雪ぐ(すすぐ)」という言い方をします。

×濡れ手で泡 ⇒ ◯濡れ手で粟
「粟」はイネ科の穀物。
濡れた手で粟をつかもうとすると、たくさんの粟の粒がついてくることから、苦労せずに利益を得ることを意味します。
「泡」は「粟」の書き間違いです。

×とんでもございません ⇒ ◯とんでもないことでございます
「とんでもない」は、「思いもかけない、意外である」や「まったくそうではない」ことを意味します。
これを丁寧に言おうとして「ない」を「ございません」に変えようとすると「とんでもございません」となりますが、これは誤りです。
「とんでもない」で一つの言葉ですので「ない」だけを変えることはできません。
そのため、「とんでもない」はそのままにしてその後ろを丁寧な表現にし、「とんでもないことでございます」という言い方にする必要があります。

×心血を傾ける ⇒ ◯心血を注ぐ
「心血」は「精神と肉体」を意味し、「心血を注ぐ」は全ての精神と肉体を使って全力で取り組むことを言います。
「心血を傾ける」は、「全力を傾ける」という表現と混同していると思われる誤りです。

×二の舞を踏む ⇒ ◯二の舞を演じる
「二の舞」は、舞楽(ぶがく)で、「案摩(あま)」という踊りを他の人が踊ったのを見た後にそれを真似して、しっかりと踊れず失敗した様子を面白おかしく踊るものです。
踊りは「踏む」のではなく「演じる」物なので「二の舞を演じる」が正解です。
「二の舞を踏む」は、尻込みすることを意味する「二の足を踏む」と混同していると思われる誤りです。

×ハッカー ⇒ ◯クラッカー
企業や国のパソコンに侵入して悪事を行う人を「ハッカー」と呼ぶことがありますが、これは誤りです。
本来「ハッカー」は、コンピュータや電気回路などに常人より詳しい技術的知識を持つ人を指し、「その技術を使って悪さをする」という意味はありません。
こうした悪事を行う人は「クラッカー」と呼ぶのが適切です。

×寸暇を惜しまず ⇒ ◯寸暇を惜しんで
「寸暇(すんか)」つまりちょっとした時間を惜しんで何かに打ち込む、という意味ですので、「寸暇を惜しんで」が正しい使い方です。
「寸暇を惜しまず」は、「苦労を嫌がらずに一生懸命にやる」という意味の「骨身(ほねみ)を惜しまず」と混同していると思われる誤りです。

×身入りのいい仕事 ⇒ ◯実入りのいい仕事
「実入り」は、穀物が実ることを意味し、「実入りのいい仕事」は「利益がたくさん出る仕事」を意味します。
「自分自身に入る利益」というイメージから「身入り」と書いてしまいがちですが、誤りです。

×目鼻が利く ⇒ ◯目端が利く
「目端(めはし)」は「眼力」のことで、「目端が利く」は、物事を素早く見抜いて抜け目がないことを意味します。
目や鼻が鋭いという意味で「目が利く」「鼻が利く」という言い方はしますが、「目鼻が利く」とは言いません。

×熱にうなされる ⇒ ◯熱に浮かされる
「熱に浮かされる」という言葉は「病気で高熱のためにうわごとを言う」という意味を持ちます。
言葉の音としては近いですが、「熱にうなされる」という言い方は誤りです。
「うなされる」は「悪夢などを見て思わず苦しそうな声を出す」という意味ですので、これを使うのであれば「熱が出てうなされる」または「熱でうなされる」というような言い方が適切です。

×台風一家 ⇒ ◯台風一過
台風が過ぎることを「台風一過」と言います。
「台風一家」は漢字の間違いです。

×素人はだし ⇒ ◯玄人はだし
素人にも関わらず、専門家が驚くほど芸や技術がすぐれていることを、「玄人もはだしで逃げ出す」と表現することから「玄人はだし」という言い方をします。
「素人はだし」は誤りです。

×青田刈り ⇒ ◯青田買い
「青田買い」は、その年の稲の収穫量を見越して先買いすることを意味します。
転じて、企業が新入社員の採用で学校を卒業する前の早い段階から内定を出し、社員契約を結ぶことを指します。
「青田刈り」と言えば、戦国時代に相手の城の周りの稲を青いうちに刈り取ってしまい、収穫が少なくなるようにする作戦のことですので、「青田買い」の意味で使うと意味が異なり誤りです。

×舌の先の乾かぬうちに ⇒ ◯舌の根の乾かぬうちに
前に言ったことを忘れもしないうちに違うことを言うのは、「舌の根の乾かぬうちに」です。
「舌の先」ではありません。

×取り付く暇がない ⇒ ◯取り付く島がない
「取り付く島がない」は、船で海へ出たが立ち寄る島もなくどうしたらいいのか分からなくなることから転じて、「途方に暮れる」を意味します。
「取り付く暇がない」は単純に「島」と「暇」の誤りだと思われます。

×眉をしかめる ⇒ ◯顔をしかめる
「しかめる」は、顔や額のしわを寄せて、不満、不機嫌を表す表情を作ることです。
眉は「しかめる」ものではありません。
嫌悪感などの感情を表す「眉をひそめる」と混同した誤りだと思われます。

×堂にはいる ⇒ ◯堂にいる
物事に習熟しているという意味の「堂に入る」は、「堂にいる」と読みます。
「堂にはいる」という読み方は誤りです。

×飛ぶ鳥跡を濁さず ⇒ ◯立つ鳥跡を濁さず
「立つ鳥跡を濁さず」は、立ち去る者は、後が見苦しくないように後始末をしてから去るべきである、という戒めとして使われる言葉です。
「飛ぶ鳥後を濁さず」という言い方は誤りです。

×明るみになる ⇒ ◯明るみに出る
「明るみに出る」は、隠されていたものが「明るみ」つまり「明るいところ」に出てあきらかになることを意味します。
「明るみになる」は誤りです。

×足元をすくう ⇒ ◯足をすくう
「足をすくう」は、卑劣なやり方で相手を失敗させるという意味です。
「足元をすくう」という言い方はしません。

×思いもつかない ⇒ ◯思いもよらない
「思いもよらない」は「思いも寄らない」と書き、想定外、想像を超える、という意味です。
「思いもつかない」は、「思いつかない」の誤りだと思われます。

×過半数を超える ⇒ ◯半数を超える
「過半数」自体、「半数を超える」という意味になりますので「過半数を超える」はだと「超える」が重複して誤りとなります。

×公算が強い ⇒ ◯公算が大きい
「公算」は「確実性の度合い」です。
「公算が大きい」と言えば、「確率が高い」ことを指し、数字を使った表現ですので「強い」「弱い」ではなく「大きい」「小さい」を使います。

×雪辱を晴らす ⇒ ◯雪辱を果たす
「雪辱」は、前に受けた恥を「雪ぐ(すすぐ)」(洗い清める、ぬぐい去る)ことです。
「雪辱を晴らす」という言い方はしません。

×見かけ倒れ ⇒ ◯見かけ倒し
見かけだけで中身が伴わないことを「見かけ倒し」と言います。
「見かけ倒れ」は誤りです。

×愛想を振りまく ⇒ ◯愛嬌を振りまく
「愛想」と「愛嬌」、似ているので間違いやすいですが、「愛嬌を振りまく」が正解です。

×二の句が出ない ⇒ ◯二の句が継げない
「二の句が継げない」は、驚いたりあきれたりして言葉が出ない様子を意味します。
「二の句が出ない」という言い方は誤りです。

×頭をかしげる ⇒ ◯首をかしげる
不審に思うことを表現するのに「首をかしげる」と使いますが、「頭をかしげる」とは言いません。
「首をひねる」「頭をひねる」はどちらも「考え込む」という意味で使うので、それと同じように「首をかしげる」の意味で「頭をかしげる」と使ってしまった誤用だと思われます。

×池の中の蛙 ⇒ ◯井の中の蛙
「井の中の蛙大海を知らず」という故事成語です。
井戸の中の蛙が大きな海を知らない、ということを言っていますので、「池の中の蛙」は誤りです。

×風下に置けない ⇒ ◯風上に置けない
風は風上から風下に向かって吹きます。
そのため、性質や行動が卑劣な者を風上に置くと、その臭いで風下にいる人に迷惑や悪影響を及ぼす、という意味で「風上に置けない」と使います。
風下に置いてもその先に迷惑を被る人はいないため、「風下に置けない」は誤りです。

×上にも置かぬ ⇒ ◯下にも置かぬ
「下にも置かぬ」は、「丁寧にもてなして下座(しもざ)に置くような失礼なことをしない」という意味です。
「上にも置かぬ」は誤りです。

×数えられるほどしかない ⇒ ◯数えるほどしかない
「数えるほど」で、「少数である」「わずかである」という意味を持ちます。
「数えられるほど」とは言いませんし、語呂も悪くて言いづらいですね。

×異存は出ない ⇒ ◯異存はない
「異存」は、「ある考え方に反対する意見」「不服」を意味しますので、「ある」「ない」と表現します。

×シュミレーション ⇒ ◯シミュレーション
英語のカタカナ表記の誤りの代表的なものと言っていいでしょう。
英語で書くと”simulation”ですので、「シュミレーション」ではなく「シミュレーション」が正解です。

×怒り心頭に達する ⇒ ◯怒り心頭に発する
心から怒りが込み上げてくる様子を「怒り心頭に発する(ほっする)」と表現します。
「心頭」を「頭」ではなく「心の中」です。
「頭」だと思って「達する」という誤りをしてしまいがちですが、「心の中」ですので「生まれて来る」の意味の「発する」が正しい言い方です。

×消息を断つ ⇒ ◯消息を絶つ
行方が分からなくなることを「消息を絶つ」と言います。
「消息を断つ」は誤りです。

×乗るか反るか ⇒ ◯伸るか反るか
「伸るか反るか」は、矢師(矢を作る職人)が矢を作る時、竹の曲がりを直すために乾燥させますが、真っすぐに乾燥しないと使い物にならず捨てなければならないことから転じて、「運を天に任せる」という意味で使われるようになりました。
そのため、語源からすると「乗るか反るか」は誤りです。

×間が持たない ⇒ ◯間が持てない
時間をもてあましたり、会話が途切れて気まずい時間ができることを「間が持てない」と言います。
「間が持たない」は、「間」を保持する、という意味合いで「保つ」(もつ、たもつ)という言葉からの誤用であると思われます。

×采配をふるう ⇒ ◯采配を振る
「采配」は、大将が軍勢の指揮を行う際に使う扇状の持ち物で、これを「振る」ことで軍勢に指示を行います。
「ふるう(振るう・奮う)」は、勢いよく振り回すことになってしまい、本来の意味から離れてしまうため誤りです。

×新規巻き返し ⇒ ◯新規蒔き直し
改めてやり直すことを「新規蒔き直し」という定型的に言います。
「新規巻き返し」は「巻き直し」と音が近いために誤った言い方だと思われます。

×しかめつらしい ⇒ ◯しかつめらしい
「しかつめらしい」は「鹿爪らしい」と書き、「真面目くさって堅苦しい」「もっともらしい」という意味です。
「苦々しい顔」と意味する「しかめっ面」と言葉が似ているため、つい「しかめつらしい」と言ってしまいますが、これは誤りです。

×押しも押されぬ ⇒ ◯押しも押されもせぬ、押すに押されぬ
「押しも押されもせぬ」は「実力があり、堂々としている様子」、「押すに押されぬ」は「(争うまでもない)厳然たる事実」を意味します。
この両方が混ざってできた誤りが「押しも押されぬ」だと思われます。
そのため、「押しも押されぬ人気」「押しも押されぬ事実」どちらも誤りです。

×したづつみを打つ ⇒ ◯したつづみを打つ
おいしい食事を食べた時に「舌鼓を打つ」という表現をします。
「したづつみ」は誤りです。

×年棒 ⇒ ◯年俸
「年俸」は一年当たりで金額が定められた「俸給」、つまり給与のことです。
「俸」と「棒」はよく似ていますが、「年棒」は誤りです。

×〜した矢先 ⇒ ◯〜する矢先
「矢先」とは、「何かが始まろうとする直前」または「何かしようとするちょうどその時」を意味しますので、「始めようとする矢先」や「歩き始めようとする矢先」というように使います。
そのため、「空を見上げた矢先」「会議を開始した矢先」など、過去の「何かを行った直後」のことに「矢先」を使うのは誤りです。
この場合は、「空を見上げた直後」「会議を開始した直後」とすべきでしょう。

×うる覚え ⇒ ◯うろ覚え
間違えて覚えやすい表現のひとつです。
「不確かな記憶」を意味するのは、「うる覚え」ではなく「うろ覚え」です。

×後ろ足で砂をかける ⇒ ◯後足で砂をかける
「後足で砂をかける」(あとあしですなをかける)とは、世話になった人の恩を忘れるだけでなく、迷惑をかけていなくなってしまうことを意味する言葉です。
意味合いは同じですが、慣用的に「後足」(あとあし)と使いますので「後ろ足で砂をかける」(うしろあしですなをかける)という言い方はしません。

×炎天下のもと ⇒ ◯炎天下
「炎天下」に、「太陽の日射しが強い空の下」という意味がありますので、さらに「もと」を付けると、「〜の下」が重複してしまいます。
「腹痛が痛い」というのと同じで、誤りです。

×親不幸 ⇒ ◯親不孝
「親孝行」とは、子が親をうやまい、親に尽くすことを意味します。
親孝行しないことを、「親不孝」と言います。
親を不幸にする、という意味で近いかもしれませんが、「親不幸」という書き方は誤りです。

×対処療法 ⇒ ◯対症療法
ある問題について、一時的な処置を施すことを「対症療法」と言います。
言葉の響きや意味的にも「対処療法」と言ってしまいがちですが、「対処療法」という言葉自体なく、誤りです。

×後で後悔する ⇒ ◯後悔する
「後悔」自体、「後で悔やむこと」を意味しますので、「後で」と付けると意味が重複してしまいます。
「この問題を放置しておくと後で後悔することになるぞ!」などとつい言ってしまいそうになりますが、間違いですので気を付けましょう。

×耳障りが良い(「良い」は付けられない)
「耳障り」は「耳に障る」こと、つまり元々耳の働きを妨げる悪い言葉で使われる言葉です。
そのため、「工事現場の音が耳障りだ」のように使われます。
聴き心地が良い、耳に優しいというような意味で「耳障りが良い」という言い方は誤りです。

×社交辞礼 ⇒ ◯社交辞令
「辞令」とは、一般的に使われる「役職を任命したり解任したりする際に渡される文書」の他に、人とかわす挨拶や言葉遣いのことを指し、こちらではその意味になります。
「辞礼」という誤りは、形式を整えて行う作法である「儀礼」という言葉と混同していると思われます。

×絶対絶命 ⇒ ◯絶体絶命
言葉のイメージから、「絶対に絶命しそうな危機」ということで「絶対絶命」と書いてしまいそうになりますが、誤りです。
「体や命が尽きるような危機」の意味で、「絶体絶命」が正解です。

×短刀直入 ⇒ ◯単刀直入
「単刀直入」は、一本の刀だけで敵に切り込む様子から、「いきなり本題に切り込む」ことを意味します。
「短刀直入」は「たんとう」と同じ読みですが、意味が変わってしまって誤りです。
手書きする時に間違いやすいことはもちろんですが、パソコンやワープロで入力する時も「たんとう」「ちょくにゅう」と分けて変換すると「短刀」「直入」となってしまうことがありますから、気を付けましょう。

×危機一発 ⇒ ◯危機一髪
「一発」のイメージから、大きな危機が目の前にあるイメージで「危機一発」と書いてしまいがちですが、誤りです。
正確には、「髪の毛一本ほどのわずかな差で危機に陥るかどうかの、きわどい瀬戸際」という意味で「危機一髪」となります。
こちらも、パソコンやワープロで入力する時「きき」「いっぱつ」と分けて変換すると「危機」「一発」になって気付かないケースがあるので注意しましょう。

×ご静聴 ⇒ ◯ご清聴
大勢の前でスピーチし、「ゴセイチョウ、ありがとうございました」と言う時、これを文字に書き起こすと「ご静聴」ではなく「ご清聴」が正解です。
「ご清聴」は、相手が話を聞いてくれたことに感謝を表す言い方です。
「ご静聴」は、読んで時のごとく「静かに聴く」ことです。
これは、例えば観客がざわざわしていて静かにして欲しい時に「ご静聴ください」と使います。

意味を間違えて使いやすい日本語

意味を間違えて使いやすい日本語

意味を間違えて使いやすい日本語もたくさんあります。
職場やビジネスの場で、話を分かりやすくしようとしたり面白くしようとして、ちょっと気の利いた表現を使ったつもりで意味が間違っていたら、話を聞いた方は「何を言っているんだ?」ということにもなりかねません。
意味を間違いやすい慣用句などを挙げてありますので、正しく覚えているかチェックしてみてください。

失笑
×呆れて失笑する ⇒ ◯思わず笑ってしまう
他人の失敗や間違いを目撃して、呆れて笑うことを「失笑」というのは誤りです。
おかしいのを我慢していても、思わず笑ってしまう、吹き出してしまう、という笑いを意味します。

潮時
×あきらめるべき時期 ⇒ ◯そのことを行うのにちょうど良い時期
「潮時」は「あきらめるべき時期」「身を引くべき時期」という意味ではありません。
「ちょうどいい時期」が正しい意味ですので、「そろそろ潮時だ」というのであれば、「もうダメだ、あきらめよう」という意味ではなく、「ここであきらめるのが最も良い時期だ」という前向きな心情を意味する言い方になります。

姑息
×卑怯 ⇒ ◯間に合わせ、その場しのぎ
相手が卑怯な行為をすることを責める言い方として「姑息なヤツだ」と言うのは誤りです。
「姑息」はその場しのぎであることを意味しますので、「姑息なヤツだ」というのであれば、その場しのぎのいい加減な対応を責める言い方になります。

にやける
×薄笑いを浮かべる ⇒ ◯なよなよした態度を取る
「にやける」は、ニヤニヤして薄笑いを浮かべる表情のことではありません。
男性が女性のようになよなよした態度を取ることを意味する、全く異なる意味の言葉です。

憮然
×思い通り行かず不機嫌、不満 ⇒ ◯思い通り行かず落胆
「彼はこの結果に憮然とした表情を浮かべた」というと、不機嫌なイメージを思い浮かべるかもしれませんが、それは誤りです。
「憮然」は、失望してがっかりしている様子を表す言葉です。

なし崩し
×曖昧なまま、流れるままに ⇒ ◯物事を少しずつ済ませて行く
「なし崩し」は、「曖昧にする」「適当にする」というニュアンスがありますが、これは誤りで、「物事をじっくり少しずつ進めて行く」様子を意味しています。
「なし崩しに結婚する」という場合、「なんとなく流れのままに結婚してしまう」というような否定的な意味ではなく、「予定を立てて少しずつ準備を進めて結婚する」という前向きな意味合いとなります。

檄を飛ばす
×激励する ⇒ ◯自らの主張を強く訴える
「檄」とは、「一般大衆に自分の主張や考えを強く訴える文章」のことで、「檄を飛ばす」には、激励するなどの意味はありません。
優勝をかけた試合を前に監督が選手に「檄を飛ばす」という場合、「選手を叱咤激励する」のではなく、「優勝に向けて監督が主張したいことを選手に強く訴える」ということになります。

気の置けない人
×親しくない人、油断できない相手 ⇒ ◯気を遣わなくてもいい、親しい間柄の人
「気を置く」と言うと、言葉のイメージから「油断した姿を見せられるような親しい相手」という意味と勘違いしがちですが、実は反対の「相手を余計に意識してしまう」「相手に遠慮してしまう」という表現です。
そのため、「気が置けない人」が、「気を遣わなくてもいい相手」を意味します。

役不足
×与えられた仕事に対して、その人の能力が足りない ⇒ ◯その人の能力からして、与えられた仕事が簡単すぎる
「与えられた役割が自分には荷が重い」ということを言いたい場合に、「私では役不足です」という誤りをすることがよくあります。
「役不足」は、その人与えられた任務が簡単で取るに足らない時に言い、自分の力が足りないために、役割を果たすことが心配になる時は「私では力不足です」が正しい言い方です。

敷居が高い
×とっつきにくい、始めるのに気後れしてしまう ⇒ ◯相手に迷惑や不義理をかけてしまい、その人の家に行きにくい、連絡しづらい
趣味や娯楽などを思い切って始めたいけれど、道具を揃えるのにお金がかかったり、難しそうで始めるのを気後れしてしまう時に、「敷居が高い」という言い方を使うのは誤りです。
この意味で言うのであれば、「ハードルが高い」や「分不相応」が適切です。
「敷居が高い」は、長年連絡をしておらずご無沙汰になってしまっている人や、物を借りたまま返さずにいる人に連絡するのを躊躇してしまうような時に使います。

君子豹変(くんしひょうへん)
×突然人格が変わったように乱暴になる ⇒ ◯過ちをすぐに認めて変わる
「君子豹変」は、「立派な人物は、自分が誤っていると分かれば過ちをすぐに認めて行動を変える」という意味の中国の故事成語です。
言葉のイメージから、「人格者が豹変して乱暴で粗野な言動をする」と勘違いされがちですが、間違えないようにしましょう。

一姫二太郎(いちひめにたろう)
×子どもは女の子ひとり、男の子ふたり ⇒ ◯最初の子供が女の子、次の子供が男の子の順
「一姫二太郎」は、子どもの理想の人数が「女の子ひとり、男の子ふたり」と思われがちですが、これは間違いです。
正しくは、子どもを授かる順番として、始めはおとなしく育てやすい女の子、その次に男の子がよい、という子育てしやすい順番を意味する言葉です。

情けは人の為ならず
×他人に甘い情けをかけると、本人のためにならない ⇒ ◯人に情けをかけると、巡り巡って自分に返ってくる
他人に情けをかけても、本人のためにならない、という厳しいことを言っているわけではありません。
人にかけた情けはいつか自分に戻ってくるので、他人には情けをかけて親切にするべきである、という言葉です。

小春日和
×春先の暖かい日 ⇒ ◯11月頃の春に似た穏やかな陽気の日
言葉のイメージから、冬の寒さが和らいで暖かくなってきた日を意味すると勘違いされがちですが、誤りです。

確信犯
×間違っていると分かっていて犯罪を行う ⇒ ◯自らが正しいと信じて犯罪とされていることを行う
「確信犯」は、「自分が間違っている」と分かっていて犯罪を行うことではありません。
道徳心や政治的な理由、宗教の教えなどに基づいて、正しいという個人の確信で行われる犯罪です。
つまり、「自分は正しいことをしていると確信している」が、「社会的には犯罪」と判断されるものが、「確信犯」です。

陳腐
×つまらない ⇒ ◯ありふれている、使い古されている、平凡
「ありふれている、使い古されている」という理由で「つまらなく感じる」こともありますので判断が難しいところですが、「つまらない」という意味で「陳腐」を使うのは間違いです。

破天荒
×豪快、無茶なことをする ⇒ ◯前人未到の偉業を成し遂げる
豪快に振る舞ったり無茶をしたり、自由気ままに振る舞ってメチャクチャなことをする様子を「破天荒」ということがありますが、これは誤りです。
「前人未到の偉業を成し遂げる」という意味で、「豪快」「無茶をする」などの意味は全くありません。

煮詰まる
×もうアイデアが出ず、お手上げ ⇒ ◯十分に議論ができた
「たくさん話し合ったが、これ以上アイデアが出ない」という意味で「この企画は煮詰まった」と言うのは誤りです。
十分に話し合いがされ、考えがまとまってきた、という肯定的な意味になります。

たそがれる
×もの思いにふけること ⇒ ◯日が暮れて薄暗くなること
もの思いにふけって景色を眺めているようなシチュエーションで、「たそがれている」という言い方をすることがありますが、これは誤りです。
「たそがれる」は「黄昏れる」と書き、日が暮れて薄暗くなることを意味します。
夕暮れの物悲しい雰囲気と重ね合わせて、もの思いにふけっている様子を指して使われるようになったものと考えられます。

うがった見方
×ひねくれた見方 ⇒ ◯本質を的確に捉えた見方
ひねくれた、疑ってかかるような見方、という使い方は誤りです。
「うがった」は「穿つ」(うがつ)で「穴を掘る」という意味であることから、正しくは「物事を深く掘り下げて本質を捉えた見方」を意味します。
つまり、「うがった見方をするね」と言えば、図星を指されて回答に窮するようなシチュエーションが考えられるでしょう。

爆笑
×大笑いすること ⇒ ◯大勢の人間が笑うこと
「爆笑」は、大勢の人が一斉に笑うことを「爆発」になぞらえた表現です。
一人の人が大笑いすることを「爆笑」ということもありますが、本来の使い方としては誤りとなります。

辛党
×辛い食べ物が好きな人 ⇒ ◯お酒が好きな人
「辛党」という言葉をそのまま取って「辛い食べ物が好きな人」とすると、誤りです。
正確には「酒好きな人」を「辛党」と呼びます。
ただし、酒好きな人には、酒のつまみに塩辛いものを食べるのを好む人も多いため、当たらずとも遠からず、という感じでしょうか。

浮き足立つ
×ウキウキして落ち着かない ⇒ ◯恐れを感じて落ち着かない
「浮き足」は、かかとが地に着いていないつま先立ちの状態で、恐れを感じで逃げ腰になり、落ち着かない様子を意味します。
ウキウキして落ち着かない場合に使うことはなく、「明日の遠足が楽しみで浮き足立つ」などの使い方は誤りです。

元旦
×1月1日 ⇒ ◯1月1日の午前中
「元日」は1月1日の一日中、「元旦」は1月1日の午前中を指します。
「元旦」の「旦」は、地平線から太陽が出てくる様を表していると言われています。

流れに棹(さお)さす
×流れにさからう ⇒ ◯流れに従う
「流れに棹さす」というと、状況にあらがったり抵抗したりして、「自分の意思を貫く」という意味合いで使われると勘違いされがちですが、これは誤りです。
棹を操って流れに乗って舟を進めることを意味し、「時流に乗って物事がはかどる」ことを意味します。

他山(たざん)の石
×他人のよい部分を参考にする ⇒ ◯他人の誤りを参考にする
「他山の石」は、「よその山のつまらない石ころ」を意味から転じて、他人の誤りを参考に、自分の学びにすることを意味します。
「いいことを参考にする」と勘違いして、「先輩の優しい行いを他山の石として参考にする」などと言うと、失礼に当たりますので注意が必要です。

世間ずれ
×世間と感覚や意見がずれている ⇒ ◯世間の裏を知り悪知恵がつくこと
「世間ずれ」という言葉のイメージから、「世間とズレている感性の持ち主」と勘違いしてしまいがちですが、正しくは「世間擦れ」と書き、実社会で苦労を重ねた結果、世間の裏の事情を知り悪知恵がつく、悪賢くなることを意味します。

天地無用
×上下逆さにしても良い ⇒ ◯上下逆さにしてはいけない
「心配無用」という言葉のイメージがあるからか、「天地(上下)を気にしなくてよい」と勘違いしがちですが、「天地無用」は「上下を逆さにしてはいけない」ことを意味します。

やぶさかでない
×〜してやってもよい ⇒ ◯〜するのに協力を惜しまない
「販売促進戦略を一緒に考えてくれない」と同僚に聞かれて、「やぶさかじゃないよ」と答えるとき。
「まあ、手伝ってやってもいいけど」という意味ではなく、「手伝うのに協力を惜しまないよ」というのが正しい意味です。
「ない」という否定の形がついているためか「〜してやってもいい」「べつに嫌ではない」というニュアンスに取られがちですが、「やぶさか」は「けちけちする」「物惜しみする」という意味のため、「やぶさかでない」と言えば「けちけちせず協力する」という意味になります。

やおら
×突然 ⇒ ◯落ち着いて、静かに
「やおら」は、いきなり、突然、という意味ではありません。
「やおら立ち上がり」と言えば、落ち着いてゆっくりと立ち上がることを言います。

ぞっとしない
×怖くない ⇒ ◯感心しない、いい気持ちがしない
「ぞっとする」と言えば、「恐ろしさで身の毛がよだつ思いをすること」。
では「ぞっとしない」と言えばその反対の「怖くない」かと思ったら、間違いです。
「ぞっとしない」という言葉はこれで「感心しない、面白くない、いい気持ちがしない」という意味を持っています。
「ぞっとする」の「ぞっと」と、「ぞっとしない」の「ぞっと」は意味が異なるのです。

舌を鳴らす
×ごちそうを食べて美味しい様子を表す ⇒ ◯不満の気持ちを表す
「おいしい」の意味の「舌鼓を打つ」と似ていますが、勘違いしてはいけません。
「舌を鳴らす」は不満の意思を表示して不服そうに舌打ちをする様子を意味します。
「高級料理店のディナーに舌を鳴らす」というと、ディナーに不満があるという表現になってしまいます。

おっとり刀
×のんびり駆けつける ⇒ ◯慌てて駆けつける
「おっとり」の語感に惑わされて、「後からのんびり駆けつける」という意味と勘違いしやすいですが、「おっとり」は「押し取り」が転じたもので、「おっとり刀」とは刀を押し取るように勢いよく握りしめ、慌てて駆けつける、という意味です。

「さわり」の部分
×最初の導入部分 ⇒ ◯話のメインとなる部分
「さわり」とは、話の聞かせどころ、要点や、最も興味を引く部分のことを指します。
話の最初の部分を指す、と思っていたら間違いです。
「さわり(触り)」とは、元々三味線で伴奏をして太夫が語る音曲(おんぎょく)である、浄瑠璃の用語です。
大坂の竹本義太夫がはじめた浄瑠璃の一種 「義太夫節」では、義太夫節の前からある別の曲節の優れた部分を義太夫節に取り入れました。
その取り入れた部分のことを「さわり(触り)」と言いました。
そのため、「さわり」とは音楽で言えば最も優れた部分、言わば「サビ」を指す言葉なのです。

しめやか
×おごそかに ⇒ ◯ひっそりと悲しみに沈む様
「おごそかに」という意味で、「結婚式がしめやかに執り行われた」などというのは誤りです。
「しめやか」は「ひっそりともの静かに、悲しみに沈む様子」という意味がありますので、告別式や葬儀が「しめやかに」執り行われるという表現は正しいですが、結婚式や表彰式などには「しめやかに」という表現は似つかわしくありません。

ジンクス
×縁起をかつぐこと ⇒ ◯縁起が悪いこと
「ジンクス」は、縁起が悪いことを表す言葉です。新人の1年目で良い成績を残したスポーツ選手が、2年目にスランプに陥ったり調子を落として成績を下げることを「2年目のジンクス」ということがあります。
いい意味で「縁起をかつぐ」意味で「ジンクスを守る」というような言い方は誤りです。

鳥肌が立つ
×感動する ⇒ ◯不快感を表す
「鳥肌が立つ」は、気持ち悪い、ぞっとする、恐怖心を感じる、などの状態を表す言葉です。
「感動して鳥肌が立つ」という使い方は誤用です。

あくどい
×悪どい ⇒ ◯あくどい
「程度を超えてどぎついやりかた」「やり方が行き過ぎ」を意味し、たちが悪いことを意味する「あくどい」。
言葉の意味からつい「悪」という漢字を使って「悪どい」と書くのは誤りです。
「あくどい」の「あく」は「灰汁(あく)」のことで、「あくが強い」ことを意味します。

火を見るより明らか
×いい結果になることが明らか ⇒ ◯悪い結果になることが明らか
「火を見るより明らか」は、きわめて明らかで疑う余地がないことを言います。
しかし、普通、悪い結果になることが予想される時に使い、いい結果が予想される時には使いません。
そのため、「プロジェクトの失敗は火を見るより明らか」とは言いますが、「彼の成功は火を見るより明らか」とは言いません。

読み方を間違えやすい日本語

読み方を間違えやすい日本語

読み方を間違えやすい言葉もたくさんあります。
代表的な読み間違いやすい言葉をピックアップしました。

斜に構える
×ハスに構える ⇒ ◯シャに構える
「真面目でない態度」を、「斜に構える」と言います。
「斜」は、「ハス」とも「シャ」とも読むことができますが、この意味で使う時には「シャに構える」という言い方をするのが正しいです。

代替
×だいがえ ⇒ ◯だいたい
営業職や販売職だと、「代わりの品物」という意味で「代替品」という言葉を見かけることも多いと思いますが、読みに迷ったことはありませんか?
「代替」の読み方として「だいがえ」も広まりつつあるようですが、正確には「だいたい」と読みます。

一世一代
×いっせいいちだい ⇒ ◯いっせいちだい
人生で一度きりと思われるような思い切った行動を取るときに「一世一代の大勝負」というような言い方をしますが、「いっせいちだい」が正しい読み方で、「いっせいいちだい」は誤りです。

綺羅星のごとく
×きらぼし のごとく ⇒ ◯きら ほしのごとく
「綺羅」は美しい衣服のことで、「綺羅」が「星のように」ならんでいる様子から、「綺羅星のごとく」は立派な人がたくさん並んでいる様子を表します。
そのため、言葉としては「綺羅/星のごとく」と切ります。
「美しい星」を「キラ星」「綺羅星」と表現して、「美しい星のように」と言っているというのは勘違いで、誤用です。

まとめ

間違いやすい日本語をピックアップしてきましたが、言葉は時代が移り変わるにつれて、使われ方や意味が変わって行きます。
以前は誤りとされた使い方が、一般的に認識されるにつれて「その使い方もOK」となるケースもたくさんあります。
しかし、プライベートでの友人同士、家族間での雑談であれば問題ないかもしれませんが、仕事の場においてはお互いに誤解のない意思疎通が重要となります。
お客様と直接対する職場であれば、「正しい日本語の使い方」に厳しいお客様と接することも想定する必要があります。
そのため、できるだけ正しい言葉の使い方、意味を知っていることはビジネスマンにとってプラスになることは言うまでもありません。
従来から正しいとされることをしっかり理解しつつ、時代の新しい流れを捉える敏感さも持つバランス感覚を養うこと、これは言葉の使い方に限らず、仕事を進めて行く中の様々な場面において必要とされるのではないでしょうか。