ホールディングスとは(持株会社とは)?メリットとデメリット9選

ホールディングスとは(持株会社とは)?メリットとデメリット

ホールディングスや持株会社と言った言葉を1度でも聞いたことがある方が大半だと思いますが、普通の企業との違いについて理解していない、またはなんとなくは分かっているがはっきりとその違いが分かっていないと言った方も多いと思います。

ここではホールディングスとはなんなのか?持株会社とはどんなものなのか?と言った紹介に加え、ホールディングスのメリットとデメリットについても紹介していきます。

ホールディングスとは(持株会社とは)

ホールディングス(持株会社)とは?

ホールディングスとは(持株会社とは)

ホールディングスとは、英語の「holdings」からきた言葉で日本語の持株会社と同じ意味を持つ言葉になります。
ホールディングスは(持株会社は)基本的に事業を運営せずに、傘下にしている会社の株を保有・支配してる会社の事、またはその形態のことを指します。

例えば「社会人の教科書株式会社」という会社が「酒類事業」と「飲料事業」を1つの会社で展開していたとします。
その場合、社長が中心となりどちらも事業も発展させていく必要がありますが、どちらも同じ飲料に関する事業ではあるもののターゲットや製造方法、さらには販売方法などについても異なる部分がたくさんあります。
そのため事業や会社の規模、社員数が拡大するにつれて意思決定や事業展開がスムーズに行えなくなってしまう場合があります。
また、他にも関連性の低い「不動産事業」や「IT事業」などを展開しているとすると、意思決定や事業展開のスピードはさらに遅くなりやすく、競合他社に遅れをとってしまう可能性が出てきます。

そこで「社会人の教科書株式会社」を持株会社として、「酒類事業」をA株式会社、「飲料事業」をB株式会社、「不動産事業を」C株式会社などと分社化し、各子会社ごとに社長を置くことで、意思決定や事業展開がスムーズに行えるようにすることができます。

純粋持株会社とは

上記で「ホールディングスは基本的には事業を運営せずに、傘下にしている会社の株を保有・支配してる会社の事」と記載しましたが正確には2種類のホールディングスが存在しています。

その1つである純粋持株会社とは、上記で説明した通り、自らは事業を行わず小会社の管理だけを行う持株会社(親会社)の事を言います。

事業持株会社とは

そしてもう一つは事業持株会社と呼ばれるホールディングスで、純粋持株会社と同様に傘下の小会社の株を保有し支配する持株会社である親会社ではあるものの、子会社と同様に自らも事業を行う会社のことを言います。

たたし、一般的にホールディングスと言った場合には最初に紹介した純粋持株会社のことを言うことが多くみられます。

ホールディングの収益構造

上記で説明したようにホールディングスと言えば純粋持株会社であることが多く、持株会社(親会社)は直接事業を行わないため「どうやって成り立っているのか?」と疑問に思った方も多いと思います。

実際には様々な方法で収益を上げていますが、小会社からの配当金によって収益を上げるのが一般的です。親会社は小会社の株を保有することで管理・支配していますので小会社の収益などに応じて配当金を支払わせることで収益を上げることが可能となります。

他にもブランドなどの権利を持株会社(親会社)が持ち、小会社へ使用させる形をとることで使用料などを徴収し収益を上げる方法などがあります。

必ずしも社名にホールディングスが付くわけではない

ホールディングスと言っても必ずしも社名に「○○ホールディングス」と付くわけではありません。実際にイオン株式会社は社名にホールディングスとつきませんが、傘下にイオンモールなどを運営するイオンリテール株式会社や自転車店を運営するイオンバイク株式会社を傘下につけるホールディングスとなります。
もちろんホールディングスと社名につく場合も多くみられますが、会社によっては「○○グループ」と言った言い方をする場合もあります。

また、冒頭でも記載したようにホールディングスと持株会社は同じ意味ですが、先程の例で言う所のホールディングス化され親会社となった「社会人の教科書株式会社」自身を指す時にも「持株会社」と言った言い方をします。

ホールディングスメリットとデメリット

ホールディングスにすることで様々なメリットがあります。またメリットがある反面、デメリットも存在しています。
ここからはホールディングスのメリットとデメリットについて紹介していきます。

迅速に意思決定ができる

上記ですでに説明したようにホールディングスにすることで意思決定が迅速に行えるようになるといったメリットがあります。
各傘下の社長に権限を移譲することでその会社(その事業)に対する意思決定を迅速に行うことができ、競合他社との企業競争に勝つことができたり、新しい商品開発などもスムーズに行えるようになります。

また、権限を移譲することで経営責任なども明確化することが可能になります。

リスクを分散することができる

上記で例に上げた酒類事業が多額の損失を出した場合、ホールディングス化されていなければ「社会人の教科書株式会社」全体、つまりその他の飲料事業や不動産事業などにもその影響が及んでしまします。
最悪の場合には1事業の損失によって会社が倒産し全ての事業をたたむ可能性さえあります。

一方、「社会人の教科書株式会社」をホールディングス化としていれば持株会社(親会社)である「社会人の教科書株式会社」と「A株式会社:酒類事業」のみに影響する範囲を抑えることができるため、その他のB株式会社、C株式会社といった小会社が影響を受ける可能性を低くすることができます。

買収や売却などM&Aを行うにも都合が良い

ホールディングスにすることで上記の例のように多額の損失を出した「A株式会社:酒類事業」を売却しやすいといったメリットもあります。
もちろん損失が出たからと言ってすぐに売却できるわけではありませんし、戦略として損失が出ていても売却しないこともありますが、売却することで飲料事業や不動産事業やIT事業などを行うそれぞれの小会社への被害を最小限に収めることができます。

事業にあった人事評価や給与制度と設けやすい

飲料の販売員と不動産の営業、システムの開発者がそれぞれ全く異なる雇用形態であるように様々な事業を展開していくことで事業にあった雇用をしていく必要があります。
実際に会社ごとに人事評価制度が違ったり、給与制度が異なるようにホールディングスにすることで、その事業形態にあった人事評価や給与制度を小会社ごとに設けやすくなります。

1つの組織として戦略が取りやすい

1つの会社として様々な事業を展開していても各部門で働く社員は自分の事業のことに注力してしまいがちです。
しかしホールディングスにすることで持株会社(親会社)が各事業部(小会社)を束ねた戦略を打ち出すことが可能なため1つの組織として総合的な事業を展開することも可能となるメリットがあります。

親会社へ情報を隠蔽する

事業ごとに子会社し、ホールディングス化することで小会社が不利益な情報を隠蔽する可能性があります。

ホールディングス化した場合、冒頭でも記載したように持株会社(親会社)が小会社を支配します。そのため、損失や問題などが発覚することで売却されたり、小会社ごと(事業ごと)たたむと言った決断をされてしまう可能性があります。
そのため、小会社として損失や問題を把握していてもすぐには報告せず隠蔽するなどのデメリットが発生する可能性があります。

間接部門などの人件費が重複して発生する

ホールディングにすることで総務や経理など間接部門の人件費が重複して発生してしまうデメリットがあります。

ホールディングスとして1つの集合体であっても、親会社も小会社も1つの会社となります。そのため1つの会社であれば総務や人事、経理などを一部門ずつ設置すれば問題ありませんが、ホールディングスにすることでそれぞれの会社ごとに間接部門も設置することになるため間接部門の人件費や作業スペース、デスク、ソフトなどが会社ごとにかかってしまいます。

傘下の会社同士で連携がとりにくい

メリットの「1つの組織として戦略が取りやすい」でも説明したように持株会社(親会社)で全体としての戦略を立てることはできますが、小会社は別々の会社となるため小会社の社員が自ら連携を取るとったことが実質不可能に近くなります。

1社が他の会社の足を引っ張ることもある

小会社が大きな損失を出した場合、売却や会社をたたむと言った戦略をとることで被害を最小限に抑えることはできますが、その損失により他の会社の株価などにも影響してしまう可能性はおおいにあります。
また、個人情報漏洩や異物混入など1社の不祥事によりホールディングス全体の社会的信用が下がってしまう可能性もあります。