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ビジネス知識

退職の手続きと流れ【完全版:9ステップ】

【完全版:9ステップ】退職の手続きと流れ

退職の手続きと流れ

ステップ1:就業規則の確認

ステップ1:就業規則の確認

退職を決意したら最初の手続きとなるのが就業規則の確認です。就業規則には「退職申告日の期限」「退職金に関する制度」「有給休暇の計算方法」など退職に関係する内容が記載してあります。また、競合する会社への就職を禁止したり、同業となる会社を設立するなどを禁止する競業避止義務などについても会社によっては就業規則に記載してありますので必ず確認し、どういった規則になっている把握しておきましょう。

ステップ2:直属の上司に退職する意志を伝える

ステップ2:直属の上司に退職する意志を伝える

退職の流れの中で最も気を使うのが直属の上司に退職する意志を伝えると言った手続き。非常に伝えにくいことではありますが、必ず直属の上司に伝えることが必要です。
また、退職の意志を伝えると同時に下記の点についても伝えたり、確認しておくようにしましょう。

・希望する退職の時期
・後任を誰にするのか
・いつから引き継ぎを開始するのか
・引き継ぐ内容をどうするのか
・いつから有給休暇を消化したいのか

もちろん、その場ですぐに返答がもらえるわけではありませんが、退職する上で重要となることですの必ず確認し、すぐに返答をもらえない場合にはいつまでに返答がもらえるのかも確認しておくようにしましょう。

時間帯・タイミング

上司に伝えるのは業務中で問題ありませんがタイミングも重要です。例えば上司が出社してすぐでは誰でも良い気はしませんし、忙しい時に話をされても時間をしっかりと作ってもらうことができません。
上司の予定が分かるようであれば前後に何も予定が入っていないタイミングや手の空いていそうなタイミングを見計らって時間を作ってもらうようにしましょう

個室

話すべき場所にも配所が必要です。他の社員がいる前で堂々と「退社したいと思います」と伝えては社会人としてのマナーやモラルにかけてしまいます。
「お時間よろしいでしょうか」などと話しかけ会議室など人のいない場所で退職する旨を伝えるようにしましょう。

退職理由も転職先も伝える必要はない

上司によっては退職理由や退職先を聞かれることもあるかと思いますが、できれば「一身上の都合」とだけ伝えるようにしましょう。「給与が安い」「社長とウマが合わない」などネガティブな本当の退職理由を伝えてもメリットがありません。
また、「会社を辞める決断をしたらなら知っておくべき14のこと」にも記載しましたが、退職する際に法的にも退職理由を伝える義務はなく、会社側も退職理由を強要し聞くことはできません。

冷静に

聞く耳を持ってくれない上司がいたり、退職することに対して激怒する上司もいるかと思いますが、相手が何を言おうと必ず冷静に対応するようにしましょう。
詳しくは下記に記載してありますが、退職する場合には会社よりも上司よりも圧倒的に退職者の方が有利です。
相手の発言や態度に感情的になり、口論となってしまったり喧嘩になることで不利益をこうむることもありえますので、上司がどんな態度を取ろうとも冷静に対応するようにしましょう。

退職は許可を求めるものではない

今までは業務をこなす上で決裁権を持った上司に許可を得て行動することも多かったと思いますが、退職は会社や上司の許可を求めるものではありません。
こちらについても詳しくは「会社を辞める決断をしたらなら知っておくべき14のこと」に記載しましたが、法的には2週間前までに申し出れば退職できるため、上司や会社が許可しなくても最短で2週間後に辞めることができます。
もちろん、全ての退職希望者が2週間できっちり辞めたい訳ではないと思いますし、お世話になった会社の都合に合わせてできるだけ歩みよりたいと思う気持ちもあると思います。
あくまでも、上記のように上司が気持ちよく円満退職をさせるつもりがないと、言ったような態度や発言をする場合にはこういった方法で会社を去ることも可能だということを覚えておくと心強いはずです。

極論を言えば伝えた日を最後に退社することも可能

極論ですが、有給が14日以上残っていれば14日後に退職する旨を記載した退職届を提出すると共に残りの出社日に対して有給申請を行えば次の日から会社に来ないようにすることもできます。
上記でも記載したように14日以上前に伝えれば社員は誰でも会社を辞める権利があります。また、有給申請も基本的に会社は断ることが出来ませんし、唯一会社にある時季変更権も有給休暇を拒否したり、退社日を伸ばしたりすることはできません。

もちろん、あくまでも最終的な方法ですのでいきなり上記のような方法をとるのはおすすめできませんが、そういった方法もあると言ったことを知っていれば上記でも記載したように気持ちに余裕を持って上司に退職の意志を伝えることができると思います。

ステップ3:退職届・退職願の提出

ステップ3:退職届・退職願の提出

上司との話も終わり自分も納得のいく退職方法になったのであれば、次は退職届や退職願を提出する流れになります。

退職願と退職届の違いとは?

退職届か退職願か要望があればそれに従う

基本的に退職届を求めらえることが多いと思いますが、会社が求める方を提出するようにしましょう。
また、会社から指定の様式を求められ、様式に問題がない場合にもそのフォーマットで提出しておく方が無難です。

ネット上にあるテンプレートがベスト

会社から特にフォーマットに対して指示がない場合には、どんなフォーマットでも問題はありませんが、オリジナルの退職願や退職届を作るよりもネットなどからダウンロードできるフォーマットの方が無難です。
オリジナルのフォーマットで退職届などを書いてしまうと退職日を書き忘れたり、漢字の間違えてしまうなど有効な退職届で無くなってしまう場合があります。

基本は手書き

退職届を書く際には手書きで書いておいた方が無難です。もちろんプリントアウトした退職届にハンコを押しても法的に有効な物になりますが、一般的には手書きで書かれることが多いため一般常識として手書きで書いておいた方が無難です。

ステップ4:引き継ぎ

ステップ4:引き継ぎ

会社やタイミングよっては上記の退職届よりも先に引き継ぎ業務が行う場合もありますが、問題ありません。その会社での最後の仕事となりますので不備がないようしっかりと引き継ぎ業務を行うことも退職のための手続きの中では重要です。

引き継ぐ内容を上司に確認してから引き継ぎを開始する

引き継ぎ業務を行う前に上司にどういった案件を抱えているのか、どういった内容について引き継ぎを行うか確認・相談してから引き継ぎを行うようにしましょう。
また、営業職の方などであれば、先方に後任者を紹介する必要も出てくると思いますのでスケジュールや流れなども上司と必ず相談し後々問題とならないようにしておきましょう。

書面で残す

引き継ぎ内容を書面にしておくことも重要です。手続き上、必ず必要な訳ではありませんが後任者が完璧に引き継ぎ内容を理解してくれるとも限りません。
場合によっては引き継ぎ内容を忘れてしまったために退職後に確認の連絡が入ってしまうことも考えられます。
引き継ぎ者はもちろん、誰が見ても分かるように書面にしておくことで会社はもちろん自分にも面倒がかかることを避けることができます。

ステップ5:退職の手続きを確認する

ステップ5:退職の手続きを確認する

退職までの間に上司に退職に関して確認することも大切な流れの1つです。
「直属の上司に退職する意志を伝える」で伝えた要望に対して返答がなければ必ず確認するようにしましょう。また、上記の「引き継ぎ」などにおいても後任者が決まっていない場合にはいつ決まるのかやどこまで引き継ぎを終わらせ抜けがないかなども自ら定期的に確認しておくことで問題を避けることが可能です。
さらにはこの後紹介する退職前に受け取らなければならない物や返却しなければならない物が何なのか、いつ受け取れる(返却する)のかなども確認しておきましょう。

ステップ6:社内・社外への退職の告知

ステップ6:社内・社外への退職の告知

退社することが決まったら社内はもちろん、これまで関係のあった社外の人にも告知することも退職の大切な手続きの1つです。もちろん告知する時期は上司と相談しながら決めることになると思いますが、メールや手紙などの指定や指示もあると思います。
特に指定や指示ない場合にはメールでも問題はありません。

ちょっとでも関わった相手には告知をしておく

少しでも関わりがあった方には社内・社外を問わず告知しておくようにしましょう。特に競合他社や同業として独立される方は何かしらのタイミングで再度連絡をとったり、偶然会ってしまう可能性もでてきます。
ネット上に存在しているありきたりなテンプレートでも問題ありませんので必ず退職する旨を伝えるようにしましょう。

今後も付き合いを続けたい相手には個人的な連絡先などを伝えておく

退社後も付き合いを続けたい相手には社内・社外を問わず連絡先を交換しておくようにしましょう。
特に会社から支給された携帯電話やメールでやり取りをしていた方には個人的な連絡先を伝えておくことで今後も付き合いを続けていくことが可能となります。

ステップ7:デスクやロッカーなどを整理する

ステップ7:デスクやロッカーなどを整理する

使用していたデスクやロッカーなども退職に向けて整理しておくことも重要です。最終日に行ってしまうとまわりが業務をこなしている中で一人だけ整理するため迷惑になってしまうことも考えられます。
また、不要な物を一気に捨ててしまえば邪魔になることもありますし、捨て方などを確認すれば他の人の業務の迷惑にもなってしまいかねません。

さらに私物なども残さないように注意しておきましょう。私物が残ってしまうと捨てて良いのか悪いのか判断に困ってしまいますし、場合によっては郵送で送ってもらう必要も出てきてしまいます。退職日には私物が残らないようにすることも大切な退職作業の1つです。

ステップ8:必要な書類をもらう

ステップ8:必要な書類をもらう

退職する場合には下記の書類を受け取る必要があります。もちろん、人によって受け取る必要がない物もありますが、場合によっては退職後に取りに行くことになってしまいかねませんのでしっかりと退職のための手続きとして受け取っておくようにしましょう。

離職票

離職票とは失業保険を受給するために必要な書類になります。そのため職先がすでに決まっている方は不要ですが、すぐには転職する気がない方はもちろん、転職先が見つからないことも考え必ずもらっておくようにしましょう。
離職票は会社によっては自動的に渡されることもありますが、基本的には会社に申請しない限り発行されません。また、会社も発行する義務はありますが、いつまでに発行しなければならないと言った縛りもありませんので退職が決まったら早めに申請しておくようにしましょう。

退職証明書

退職証明書とはあなたが退職したことを会社が証明した書類のことです。失業保険を受給する際や国民健康保険への切り替えの際などに必要となることがあるだけでなく、場合によっては転職先から提出を求められることもあります。
こちらも会社によっては自動的に渡されることもありますが、一般的には申請しはじめて受け取ることができることができます。
こちらは会社は申請者に対して発行する義務があり、会社は遅延することなく発行しなければなりませんので必ず受け取ることができます。

源泉徴収票

源泉徴収票とは給与や手当などの総額に対してかかる税金(所得税など)を会社が一時的に天引きしている金額(源泉徴収)などが記載された用紙のことです。
転職するなどには転職先に必ず提出する書類になりますので必ずもらうようにしましょう。
基本的には何も言わなくても発行し渡してくれますが、万が一のことを考え上記の退職の流れの中でいつもらえるのか確認しておくとトラブルを未然に防ぐことができます。

健康保険資格喪失証明書

健康保険資格喪失証明書とは転職し別の会社の健康保険に加入する際や、仕事が見つからず国民健康保険に切り替える際などに必要となる証明書です。
そのため、転職先が決まっている、決まっていないに関わらず退職する際は必ず受け取るようにしましょう。
ほとんどの企業では退職手続きとして自動的に発行してくれると思いますが上記同様、念のため確認しておく方が無難です。

年金手帳

年金手帳は20歳以上の日本国民全てに支給され年金に関する情報が記載されている手帳になります。
会社が採用時に預かっていることが多いため退職前に返却してもらうようにしましょう。

ステップ9:退社日に返却する物

ステップ9:退社日に返却する物

退職の手続きとして上記のように受け取る物もあれば、会社から支給されている物も返却する必要もあります。退社日までに返却を怠ると場合によっては郵送したり、返却するために会社に行かなれければなりません。

健康保険被保険者証

入社時に渡された健康保険被保険者証(通称、保険証)は返却することになります。扶養家族がいる場合には家族分の保険証も返却します。

社員証・社章

会社から社員証が支給されている場合には社員証も返却します。また社章があれば同時に社章も返却します。

会社携帯や制服など貸与物

携帯電話や制服などの貸出があればそちらも返却します。その他にも会社によっては支給されている物があることもありますので、退職前に上司などに確認し返却すべき物を事前に知っておくようにしましょう。

【完全版:9ステップ】退職の手続きと流れ

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