経営理念、経営方針、ビジョン、経営目標、経営戦略、コンセプト、行動指針の違い

経営理念、経営方針、ビジョン、経営目標、経営戦略、コンセプト、行動指針の違い

経営理念、経営方針、ビジョン、経営目標、経営戦略、コンセプト、行動指針の違いについて

ビジネスにおいては、使い分けに戸惑う言葉がいくつかあります。とりわけ「経営理念」「経営方針」「経営目標」などといった言葉は、それぞれどう違うのかよく分からないという人も多いでしょう。

しかし、分からないままあいまいに使っていては、いつか問題に直面するかもしれません。
社会人として働いていからには、これらの意味の違いをしっかり把握しておきたいところです。

そこで今回は、「経営理念」「経営方針」「ビジョン」「経営目標」「経営戦略」「コンセプト「行動指針」という7つの言葉について、それぞれの意味を詳しく解説していきます。

経営理念とは

経営理念とは、その企業が活動するにあたって必要となる、最も根本の考え方を表したものです。「クレド」、「フィロソフィ」などと呼ばれることもあります。

創業者または経営のトップである社長などによって示され、企業の基本となる価値観や信条、目指すべき理想などが記されています。これらはその企業の存在意義に関わる重要なもので、多くの会社がそれぞれの理念を掲げて活動しています。

企業活動は単なる営利目的にとどまらず、社会的な意義も大きくなっています。そのため、しっかりした経営理念を掲げてそれを社員に浸透させることは、社会に対する責任の上でも重要です。
またこうした理念をはっきり打ち出すことで、企業の信頼感やイメージをアピールできるなどのメリットもあります。

経営方針とは

経営理念が企業の根本を表す考えだとすると、経営方針はその考えを実現するための、具体的な方策という位置づけになります。
つまり、経営理念が大きな理想や抽象的な概念を掲げがちなのに対し、経営方針はより具体的な内容を定めたものと言った違いがあります。

例えば建設業であれば、「安全や衛生を徹底させる」「環境に配慮した活動を心がける」などといったことが、方針としてよく定められます。
また、サービス業であれば「お客様の満足度を最優先に考える」などが、金融機関では「信用第一」といったものなどが考えられます。
さらに社内に関する経営方針もあり、労使間の信頼関係や社員間のチームワークを呼びかけているところも多くあります。

ビジョンとは

経営ビジョンは経営理念と近いものですが、正確には違った意味を持ちます。

ピラミッド図で表すと、位置づけとしては経営理念のすぐ下にあたり、根本となる理念の実現にあたって、どのような具体像を描くかを定めたものになります。

例えば家電メーカーであれば、「電化製品の販売によって、顧客の生活の質の向上に貢献する」という理念が掲げられているのに対し、経営ビジョンでは、「顧客の活動の場となるあらゆる状況に応じた商品を提供することで、一人一人の生活をよりよいものにする」といった、より具体的な青写真が描かれます。

経営ビジョンは一つではなく、経営理念に応じていくつも描くことができます。また、時代や状況に応じて変化していくものでもあり、その都度見直しの必要もあります。
それだけでなく、経営ビジョンが経営理念にフィードバックされることもあり、両者は相互に影響しあう関係にあります。

経営目標とは

経営目標は、同じくピラミッド図で言うと経営ビジョンの下にあたります。
経営ビジョンが経営理念実現のための青写真だとすると、経営目標はさらにそれを具体化するための、里程標(マイルストーン)だと言えます。

数年後などの近い未来、自社がどういった姿になっていたいかを表したのが、経営目標です。そのため、経営ビジョンがやや抽象的な表現を残すのに対し、経営目標は数字や期限などより具体的、客観的な指標が求められると言った違いがあります。

例えば、「5年後に県内の店舗を倍増させる」「3年後にコストを5%削減させる」などといったことが、経営目標の例として挙げられます。各社員はこれらの目標実現に向け、具体的な仕事に取り組んでいくことになります。

経営戦略とは

上で設定した経営目標に対し、その実現に向けた方法を表したのが、経営戦略です。
経営目標はあくまで近い将来のゴールですが、経営戦略はそこへ至るための、具体的な方策をまとめたものになります。

例えば「5年で店舗を倍増させる」という目標に対し、経営戦略では必要な人員やコストの計算、どの地域に進出するかやサービス内容の見直しに至るまで、さまざまな方策を立てていきます。ゴールに到達するために何が必要なのか、詳細な分析を元に、こまかく煮詰める作業が求められます。

目標が大きいほど、より詳細な戦略が必要になります。企業の規模が大きくなると、経営戦略(全体戦略)と事業戦略(個別戦略)に分けて取り扱うところもありますが、この場合は両者のバランスのとり方も重要になります。

コンセプトとは

経営におけるコンセプトという概念は、その企業の特質を短く分かりやすい言葉で表したものになります。

例えば、他人に対して自社の特徴を説明しようとした時、経営理念をそのまま述べても簡単には理解してもらえないでしょう。そうした時に、自社に対する知識がまったくない人にも、「こういう会社です」と分かりやすく簡潔に説明できるものがコンセプトになります。

コンセプトは経営理念が基本となりますが、より具体的にイメージしやすい言葉が求められます。
例えば飲食店であれば、どういう顧客に対しどんな素材や調理法を用いた食事を提供しているのか、明確に理解できることが必須です。

行動指針とは

ビジネスにおける行動指針の意味は、それぞれの企業によって違ってきますが、大まかに言うと、その企業の社員全員が持つべき行動の規範にあたります。

企業は複数の人間からなる組織ですから、考え方や信条は個人によって違います。
しかし、社員ごとにバラバラの考えでは、企業活動を行う上で支障が生じてしまうでしょう。そのために、ある程度統一された行動指針が必要になるわけです。

行動指針は細かく規範を定めたものから、より抽象的なものまでさまざまです。場合によっては具体的な行動例が示されないこともありますが、概して経営理念に基づいた行動を促す原則ということができます。