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就職・転職

出戻り社員とは?出戻るメリットとデメリット29選

出戻り社員とは?出戻るメリットとデメリット

一旦は辞めた会社に戻ってくる出戻り社員。普通の転職などとは違い、一旦はその会社に勤めた経験があることから様々なメリットとデメリットがあります。
また、出戻り社員を雇用する会社側にも普通の採用とは違うため出戻りならではメリットやデメリットが存在します。

ここでは出戻り社員の意味にくわえ、社員側・会社側、双方のメリットとデメリットについて紹介していきます。

出戻り社員とは?

一旦は退職した会社に再度雇用され戻ってくる出戻り。そういった戻ってくる社員のことは出戻り社員と呼ばれています。

出戻り社員と言っても別の会社に転職し戻ってくる方もいれば、育児や介護などを理由に退職し、転職はせずに戻ってくる社員と言ったように主に2つのパターンが存在しています。
ただし、定年退職による再雇用に関しては一旦会社と雇用契約が切れ再度雇用契約を結ぶため上記のパターンと基本的には同じですが、会社を離れている期間が短い、または期間が全く開けずに再雇用されることから出戻りには含まれないのが一般的です。

昔から出戻り社員は存在していましたが、近年はその数が増加傾向にあると言われています。また、エンジャパンのアンケートによると約70%の企業が出戻り社員を受け入れた経験が持つと言った結果も出ています。

社員側のメリット

一旦は会社を辞めたものの、同じ会社に戻る出戻り社員は全く知らない会社に勤めるのとは違い、社風や会社の内情、業務の仕方など様々な点を理解しています。そのため、様々な部分で多くのメリットがあります。

良い部分も悪い部分も理解した上で戻るのでミスマッチが少ない

良い部分も悪い部分も理解した上で戻るのでミスマッチが少ない

通常、転職と言うと全く知らない、または知っていても表面的な部分だけと言ったことが多いため、会社の良い部分しか見えず、悪い部分を理解しないまま入社することが多くなります。
そのため、悪い部分がわかった時には「自分には合わない」「ついていけない」といったような感覚を持つことがあり、ミスマッチを引き起こしてしまうことがあります。

一方、出戻り社員となる場合には一旦は勤めていた会社であるため社風や会社の内情、業務内容などを理解しているといったメリットがあり、ミスマッチも少なくなる傾向にあります。

転職した先の経験が活かせる

転職した先の経験が活かせる

転職した経験がプラスになると言ったメリットもあります。
特に新卒で入社し他の会社を知らない方にとっては別の会社の業務の進め方や技術などを知ることで出戻り先の会社の改善点なども見えてくることがあります。

また、転職先で新しく得た技術やノウハウ、取引先、人脈なども活かすことができるため退職しなければ得られなかった経験を活かすことができる場合もあります。

即戦力として実力を発揮できる

即戦力として実力を発揮できる

全く知らない別の企業に転職した場合、同じ業種や同じ職種で転職したとしても今までのやり方が通用するかどうか分かりません。仮に通用するとしても会社の方針やルールとしてそういったやり方を認めてもらえないケースもあります。

一方、出戻り社員の多くが以前担当していた業務と同じ業務を担当することが多く、やり方やルールと言ったものを把握していることからも即戦力として働くことができるといったメリットがあります。

以前よりも厚遇される可能性もある

以前よりも厚遇される可能性もある

転職先で大きなスキルアップが図れれば、以前よりも良い条件で出戻れる可能性もあります。部長や課長と言った役職はもちろんのこと、給与面などでも以前より好条件で採用される可能性もあります。

また、出戻り先の会社が自分の抜けた穴を別の社員で穴埋めできていないなどの理由で、業務に支障をきたしているような場合には、スキルアップが図れなくとも自然に以前よりも好条件で雇われる可能性も少なくありません。

誰も知らない会社に行くよりも気が楽

誰も知らない会社に行くよりも気が楽

全く知らない世界に飛び込むことになる転職。そのため転職先では誰も知らない中に放り込まれることとなります。
そのため、人によって緊張の度合いに違いはありますが、初出社の前日には寝れないこともあると思いますし、場合によってはあまりうまく馴染めない可能性もでてきます。

一方、出戻り社員として戻る場合には多くの方を知っていますし、向こうも自分のことを覚えていることが多くなります。もちろん、出戻りまでの期間が長ければ知らない社員がいることもあると思いますが、期間が短ければ短いほど残っている社員も多くなりますので気楽に打ち解けられるメリットがあります。

採用で苦労することが少ない

採用で苦労することが少ない

新卒として就職活動を経験したことがある方の中には、内定をもらうまでに苦労した経験がある方も多いと思います。中には何百社もエントリーをし、履歴書を送ったにも関わらず書類選考すら通らなかった方やかたっぱしから受けた面接がことごとく不採用となった方もいると思います。

そのために寝ないで企業研究を行ったり、履歴書を書き直したり、面接練習をした経験を持つ方もいるはずです。
転職の場合も全く同じとまでは言えませんが、書類選考や面接で落とされることもあり、履歴書や面接の練習を新卒の時と同様に行うこともあります。

その点、出戻り社員の場合には、以前在籍していた実績や経験から判断してくれるため、履歴書や面接といった部分で苦労することが少ないと言ったメリットがあります。

推薦者や情報提供がいることもある

推薦者や情報提供がいることもある

出戻り社員の場合には推薦者がいることもあります。もちろん、必ずしも推薦者がいるとは限りませんが、以前の上司や一緒に働いていた同僚などが選考を担当する人事や最終判断をする経営者などに後押しをしてくれることもあります。

また、上記のような既存社員から会社の現状や募集状態などの情報を仕入れることも可能なため「業績はどうなっているのか」「今、戻るべきか」など通常の転職活動では仕入れることができない情報を仕入れることも可能です。

採用が決まるまで早い

採用が決まるまで早い

通常の転職では面接で自己PRや業務スキル、更には志望動機なども聞かれる可能性があるため面接にも時間がかかります。また、多くの転職者がエントリーしてくれば、一次面接、二次面接、さらには三次面接といったように採用となるまで何回も会社に足を運ぶこともあると思います。

一方、出戻りの場合には上記でも触れたように会社側も以前の勤めていた経験からあなたのスキルや人間性など把握していますので、通常の面接を行う必要がなく面接に時間をかける必要もありません。
また、そういった事情から通常の転職者とは違い、何度も選考を重ねる必要がないため、ある程度の選考を飛ばし判断してくれることもあると言ったメリットがあります。

会社側のメリット

上記で紹介したように出戻り社員には多くのメリットがあります。また出戻り社員を雇用する会社側にも普通の転職者を採用するのは違ったメリットがあります。

即戦力として働いてもらえる

即戦力として働いてもらえる

社員側のメリットにも「即戦力として実力を発揮できる」と記載しましたが、雇用する側も即戦力として社員を雇えると言ったメリットがあります。
スキルやノウハウと言った部分はもちろん、会社のルールや業務の進め方なども理解しているため、出戻った当日から成果を出してくれる可能性すらあります。

他社のノウハウや技術が活かせる

他社のノウハウや技術が活かせる

会社を退職した理由は社員によって様々ですが、別の会社で働いた経験から得たスキルや技術、ノウハウと言った部分を生かして働いてくれる可能性があるといったメリットもあります。
中には独立などを経験したことによりそのまま在籍した場合よりも会社と言ったものを理解して戻ってくる可能性すらあります。

もちろん、全ての出戻り社員に対してそういったメリットがあるとは限りませんが、会社を一旦辞めたことが必ずしもデメリットになるとは限りません。

研修を行う必要がない・会社のルールを教える必要がない

研修を行う必要がない・会社のルールを教える必要がない

上記でも触れたように出戻り社員に対して研修はもちろん、会社のルールなどを教える必要がないと言ったメリットがあります。
特に20代前半と言ったような若い方であれば、同じ職種で転職してきても業種や会社独自の違いと言った部分から仕事の仕方を1から教育しなければならないこともあります。
そのためには費用がかかることもありますし、上司となる既存社員にも負担がかかります。

また、30代、40代と言った方の場合には教育と言った部分は必要ありませんが、会社のルールや業務の仕方を教える必要は必ず出てきますし、教えても前職のルールややり方を引きずってしまう可能性があります。

その点、出戻り社員であれば研修はもちろんルールなども知っているため研修や教育と言ったことを特別に行う必要がありません。

費用をかけずに人材を採用できる

費用をかけずに人材を採用できる

年齢やスキルなどによって違いはありますが、採用にはコストがかかります。特に転職者の場合には新卒者を募集するときよりも費用がかかる傾向にあります。そのため人材紹介会社を利用すれば、採用者の年収の20%~30%前後の採用コストがかかることもあり、1人あたり100万円以上の採用コストがかかってしまうことさえあります。

もちろん、募集の仕方などによって大きくかわりますが、出戻り社員を採用するとなれば採用コストは一切かからないと言ったメリットがあります。

本人のスキルや人間性を理解したうえで採用できるのでミスマッチが少ない

本人のスキルや人間性を理解したうえで採用できるのでミスマッチが少ない

採用したもののスキルが想定よりも低かったり、能力はあっても会社の社風に馴染めないこともあります。場合よっては能力があっても人間性に問題があり、パワハラやセクハラと言ったトラブルを引き起こす可能性すらあります。

その点、出戻り社員であればスキルはもちろん人間性と言った部分を知っているため、そういった部分でのミスマッチが少ないと言ったメリットがあります。

一度退職することで帰属意識が高くなって戻ってきてくれる

一度退職することで帰属意識が高くなって戻ってきてくれる

出戻り社員の多くが一度会社を辞めたことに負い目を感じていることがあります。
また、出戻りを向かい入れることで辞めた自分を再度採用してくれたと言ったような恩を感じさせることができます。
そのため、すべての出戻り社員に当てはまるわけではありませんが、以前よりも帰属意識が高まりやすいといったメリットもあります。
また、出戻り社員によっては以前よりも目的を持って頑張ってくれる社員が出てくる可能性すらあります。

前例ができることによって他の社員の出戻りも期待できる

前例ができることによって他の社員の出戻りも期待できる

慢性的に人材不足が発生している会社であれば、出戻り社員を採用することで前例ができるため、すでに辞めた他の社員も戻ってくる可能性がでてきます。
もちろん、会社にとって不要と感じる社員であれば採用しないと言ったことも可能です。

また、戻れる可能性を含めて退職を考える既存社員もいるため、退職時のトラブルを抑える傾向になるため円満退職する社員も増える可能性があります。

出戻り社員がいることで会社のイメージアップにも繋がる

出戻り社員がいることで会社のイメージアップにも繋がる

会社によって理由は様々ですが、「募集をかけても求職者が集まらない」「求めるスキルを持っている人材が集まらない」「採用してもすぐに辞めてしまう」など人事担当者や経営者の中には採用活動がうまく行かずに困っている方も多いと思います。

出戻り社員を向かい入れることで、出戻り社員や既存社員の企業イメージがアップすることはもちろん、出戻り社員を迎い入れたことをうまく社外にアピールすれば求職活動中の方に対しても企業イメージを上げられ、上記のような採用に関する問題を解決できる可能性が出てきます。

社員側のデメリット

出戻ることで様々なメリットがありますが、必ずしもメリットばかりではありません。一旦辞めたことや別の会社に勤めたことがデメリットとなる可能性もあります。

同じ雇用条件で採用してくれるとは限らない

同じ雇用条件で採用してくれるとは限らない

出戻り社員を肯定的に考える人もいますが、中には否定的に考える方も一定数存在しています。そのため必ずしも退職する前と同じ条件で雇ってくれるとは限らず、会社によっては以前よりも悪い条件で雇用される可能性もあり、例えば以前よりも役職を下げて採用される場合もあれば、役職が同じでも給与面が下がる可能性もあります。

もちろん、戻れるかどうかを確認する際にそういった条件を踏まえたうえで戻るかどうかを判断することも可能ですが、以前より条件が下がる可能性があるためデメリットとなる可能性があります。

在籍中と会社のルールや方針が同じとは限らない

在籍中と会社のルールや方針が同じとは限らない

出戻った会社が以前と同じとは限らないと言ったデメリットも存在しています。
以前は自分に合っていた仕事の進め方がいない間に大きく変わっていることもあります。また、上司などが変わっていることもあり、規則やルールが厳しくなっていることも考えられます。
そのため、以前は働きやすかった環境が必ずしも残っているとは限らず、会社を離れていた期間が長ければ長いほどそう言った状況が変化している可能性が高くなります。

昔部下と立場が逆転している可能性がある

昔部下と立場が逆転している可能性がある

上記に続き、場合によっては昔の部下が出戻った時の自分の役職よりも上になっていることも考えられます。
もちろん、友好的な関係であればデメリットよりもメリットとして働くこともありますが、場合によってはお互いに仕事がしにくいこともありますし、パワハラなどのいじめに合う可能性もあります。

必ずしも採用してくれるとは限らない

必ずしも採用してくれるとは限らない

出戻りを希望しても会社が必ずしも雇ってくれるとは限りません。

冒頭でも記載したように多くの企業が出戻り社員を受け入れた経験を持っていますが、反対に受け入れないと言った会社も一定数存在しています。
また、出戻り社員を受け入れた経験を持つ会社の中には出戻りを受け入れたケースが特例的なケースであっただけで基本的には受け入れを行っていない会社も含まれている可能性があります。
そのため、必ずしも雇ってくれるとは限らないデメリットが存在しています。

暖かく迎え入れてもられるとは限らない

暖かく迎え入れてもられるとは限らない

会社が出戻りを認めてくれたとしても、辞めずに残っている既存社員が出戻りを認めてくれるとは限りませんし、離れている間に入社した社員が出戻りを認めてくれるとも限りません。
そのため、戻ることができたとしても必ずしも働きやすい環境があるとは限らないと言ったデメリットが存在します。
場合よっては「昔部下と立場が逆転している可能性がある」でも記載したようにパワハラなどの嫌がらせを受ける可能性すらあります。

次は辞めにくい

次は辞めにくい

出戻ることで次は辞めにくいと言ったデメリットがあります。
会社や人間関係に不満があり再度退職すると言った場合には出戻り社員も再度戻りたいと思うことはないと思いますが、育児や介護と言った理由で辞めなければならなくなってしまった場合でも再度出戻りで雇ってくれる可能性は低くなります。
そのため、本人に落ち度がないとしても会社側は雇ってくれない可能性が高くなるため再度辞めると言った決断がしにくくなる傾向にあります。

退職したことがプレッシャーになる

退職したことがプレッシャーになる

出戻り社員となることで以前以上の働きや成果を会社側に求められる可能性があります。
また、直接的に求められなくともまわりの社員や上司、さらには自分の感情から以前以上の成果を上げなければとプレッシャーを感じてしまう可能性も考えられます。

そのため、以前よりも成果が上がれば問題ありませんが、成果が上がらなかった場合には出戻り社員となったことが大きなプレッシャーとなってしまうなどのデメリットが発生する可能性があります。
場合によっては、経営方針や予算などと言った本人の頑張りと無関係な部分により以前よりも成果が上げにくいこともあります。

再就職手当がもらえない

再就職手当がもらえない

再就職手当とは一定の条件を満たした失業者が早期に就職先を見つけることで支給される制度のことですが、出戻り社員によっては再就職手当を支給されない可能性があると言ったデメリットがあります。

会社を辞め、別の会社に転職したうえで出戻りとなった場合には支給されますが、再就職手当支給条件には「離職前の事業主に雇用されたものではないこと」と言った決まりがあるため、会社を退職し転職はせずに出戻りとしてそのまま戻った場合には支給条件を満たさないため受け取ることができなくなってしまいます。

会社側のデメリット

上記で出戻り社員側のデメリットを紹介しましたが、雇う会社側にもデメリットがあります。
また、そういったデメリットは出戻り社員と会社間だけによるものだけではなく、既存社員から反発されたり、モチベーションが低下するなど、他の社員に対してもデメリットが発生する可能性があります。

待遇面や役職などを考慮しないと他の社員の反発を受けやすい

待遇面や役職などを考慮しないと他の社員の反発を受けやすい

社員によっては、一旦は会社を辞めたと言ったことを「認めない」「ありえない」と考える社員も一定数存在しているはずです。
そのため、出戻りを許可したことはもちろん、出戻り社員の待遇や条件などによっては反発をうけたり、既存社員のモチベーション低下してしまうなどのデメリットが発生する可能性があります。

退職中に採用した社員との間で社歴の長さに対して認識が異なる

退職中に採用した社員との間で社歴の長さに対して認識が異なる

出戻り社員が退職している最中に新しい社員が入社していることも多いと思います。
また、出戻り社員の中には退社する前に社歴を含め既存社員と接する方も存在しています。

日本には海外の企業と違い、上下関係が強いうえにそういった社歴の長さで上下を決めることも多々あります。そのため、出戻り社員の認識の仕方次第では既存社員はもちろん、新しく入ってきた社員との間で人間関係によるトラブルを引き起こしてしまう可能性があります。

昔のやり方を通してしまいやすい

昔のやり方を通してしまいやすい

出戻り社員だからと言って今の会社でうまく働けれるかは分からないと言ったデメリットも存在しています。

特に長く離れている方を採用する場合には、今のやり方に順応できずに以前のやり方を押し通してしまう可能性があります。
さらにある程度の年齢になるとそういった変化に対応できないことも多く、会社はもちろん、既存社員とトラブルとなることも考えられます。

以前と同じ成果を出してくれるとは限らない

以前と同じ成果を出してくれるとは限らない

会社側のメリットとして「出戻り社員によっては以前よりも目的を持って頑張ってくれる社員が出てくる可能性すらあります」と記載しましたが、必ずしもそうなるとは限らないデメリットが存在しています。

特に転職先の仕事が辛く、以前の会社の方が楽だからと言ったような理由で出戻ってくる社員もいるため、場合によっては以前よりも低い成果しか上げてもらえないこともあります。

他の社員にも出戻りが許されると言ったイメージも持たれやすい

他の社員にも出戻りが許されると言ったイメージも持たれやすい

出戻り社員を再度採用することで他の社員も「辞めても戻れる」と言った意識を持たれてしまうデメリットがあります。
そのため、安易辞めてしまう社員が出てくることも予想でき、場合によっては優秀な社員が退職してしまう可能性すらあります。

出戻り社員とは?出戻るメリットとデメリット

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