銀行と信用金庫、信用組合の違いとは?

銀行と信用金庫、信用組合の違いとは?

企業が新規事業の立ち上げのために必要な資金や運転資金などを借りるのはもちろんのこと、個人でも住宅ローンや教育ローンなどでお世話になる存在です。
あなたの街にも銀行や信用金庫、信用組合があると思いますが、さて、この「銀行」「信用金庫」「信用組合」にはどのような違いがあるのでしょうか?
どれも上記のようにお金を預かり、貸し出すという業務内容は基本的に同じですが、その目的や業務範囲は異なっています。
ここでは「銀行」「信用金庫」「信用組合」の違いを把握しましょう。

「銀行」と「信用金庫/信用組合」の成り立ち

「銀行」「信用金庫」「信用組合」を大きく分けると、「銀行」と「信用金庫/信用組合」に分けることができます。
「信用金庫/信用組合」は後述する根拠法や会員/組合員資格が銀行とは大きく異なるなどの違いがありますが、まずは、その成り立ちから見てみましょう。

銀行
世界最初の銀行は紀元前3000年までさかのぼり、チグリス・ユーフラテス川流域にあった古代王朝バビロニアで、神殿の中で人々の財産や貴重品を保管したことが起源だと言われています。
また、古代エジプトでは穀物がお金の代わりとしての機能を果たしており、穀物倉庫が銀行のような役割を果たして果たしていました。
近代の銀行が生まれたのは、17世紀のイギリスで作られた「イングランド銀行」だと言われています。

信用金庫/信用組合
信用金庫/信用組合の起源については諸説あります。
19世紀のイギリス・マンチェスター地方の協同組合運動が起源とする説や、ドイツの都市部でヘルマン・シュルツェ・デーリチュ、農村部でフリードリッヒ・ウィルヘルム・ライファイゼンが、創設した信用組合が起源とする説などです。
当時ヨーロッパでは資本主義経済の浸透と共に都市部では労働者、農村部では農民が困窮していき、貧富の差が拡大していきました。
銀行は富裕層である資本家のみを顧客としていたため、庶民は銀行に替わる自分たちの金融機関を設立する機運が高まり、信用組合が生まれました。
日本でもドイツの信用組合をモデルとし、「産業組合」が誕生しました。

「銀行」「信用金庫」「信用組合」の組織の違い

会員(組合員)資格の違い

成り立ちが異なることからも銀行」と「信用金庫/信用組合」の違いを察することができると思います。
「信用金庫」と「信用組合」はどちらも共同組織/非営利法人ですが、後述する「会員(組合員)」の条件が異なるため、別の組織となります。

「銀行」
・株式会社組織です。営利法人です。

「信用金庫」
・会員の出資による共同組織です。非営利法人です。

「信用組合」
・組合員の出資による共同組織です。非営利法人です。

株式会社/営利法人であるか、共同組織/非営利法人であるか、という点が最も大きな違いであると言えます。

「銀行」「信用金庫」「信用組合」の活動目的の違い

銀行は営利が目的です。
信用金庫/信用組合は会員(組合員)の相互扶助が目的です。

「銀行」
・国民、大衆のために金融の円滑化を図ります。基本的には営利を最大の目的とする組織です。

「信用金庫」
・国民、大衆のために金融の円滑化を図り、その貯蓄の増強、生活の安定に寄与することを目的とします。

「信用組合」
・組合員の相互扶助を目的とします。組合員の経済的地位の向上を図ります。

会員(組合員)資格の違い

「活動目的」と「会員(組合員)資格」が、この三者の違いを決定付けます。
「銀行」はお客さんとなる対象に資格はなく、利益を目的として業務を行います。
「信用金庫」は地域内の会員の共同組織です。
「信用組合」は地域内の組合員の共同組織で、信用金庫よりさらに小規模な事業者を対象としています。

「銀行」
・なし

「信用金庫」
・地域内に住所または住居を有する者事業所を有する者
・勤労に従事する者
・事業所を有するものの役員
・従業員300人以下または資本金9億円以下の事業者

「信用組合」
・地域内に住所または住居を有する者
・事業を行う小規模の事業者/勤労に従事する者
・事業を行う小規模の事業者の役員/従業員300人以下または資本金3億円以下の事業者、卸売業は100人または1億円、小売業は50人または5千万円、サービス業は100人または5千万円

業務範囲(預金・融資の制限)の違い

こちらも銀行は制限なし、信用金庫/信用組合は基本的には会員(組合員)向けに業務を行うという違いがあります。

「銀行」
・なし

「信用金庫」
・預金の制限はなし
・有志は原則として会員を対象とする。
しかし、「卒業生金融」制度で3年以上5年未満会員であった場合は脱退から5年間、5年以上会員であった場合は脱退から10年間の員外融資が認められます。

「信用組合」
・預金は原則として組合員を対象とします。
しかし、総預金額の20%まで員外預金が認められます。
・融資は原則として組合員を対象としますが、制限付きで員外融資が認められる場合があります。

根拠法の違い

それぞれ、基づいている根拠法が異なります。

「銀行」
・銀行法

「信用金庫」
・信用金庫法

「信用組合」
・中小企業協同組合法
・協同組合による金融事業に関する法律(協金法)

まとめ

新社会人や転勤があって新しい土地に住むことになった時困る状況のひとつに、以前の住居地で利用していた金融機関が近くにない、ということがあります。
全国に展開している銀行は、どこの地方に移り住んでもATMなどがあり非常に便利ですが、支店は主要な地方都市にしかない場合もあります。
一方、移り住んだ土地の名前を冠した「◯◯信用金庫」「△△信用組合」は地元密着型で、比較的都市部から離れた土地でも窓口がある支店を有している場合が多いです。
その違いとメリットをよく理解し、使い分けることが大切です。